企業法務への転職ガイド【弁護士の転職ガイドシリーズ】


一般民事系の事務所から企業法務系への転職は、弁護士が分野を変える転職のなかでも相談件数が多いパターンです。
企業法務の事務所とインハウスのどちらを選ぶか、何年目までなら未経験でも採用されるか、職務経歴書に何を書けば評価されるかなど、調べ始めると情報が多く迷いやすいテーマです。
今回は、No-Limitに掲載している記事のなかから、一般民事から企業法務を目指す方に必要なものをテーマ別に集めました。気になる見出しから読み進めてください。
一般民事とまったく異なる、企業法務の業務内容
企業法務は、契約書の作成や審査、株主総会などの機関法務、労務、コンプライアンス、紛争対応まで、企業活動にかかわる法律業務全般を指します。
一般民事から移った方がまず戸惑うのは、回答のスピードと根拠の示し方です。企業の担当者は当日中の返答を求めることが多く、結論だけでなく、なぜそう判断したのかまで説明できないと意見が通りません。個人の依頼者に寄り添う一般民事とは、求められる振る舞いがかなり違います。
紛争が起きてから動く臨床法務に加えて、トラブルを防ぐ予防法務、事業の意思決定に関わる戦略法務まで、仕事の範囲が広いのも企業法務の特徴です。
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企業法務系事務所とインハウスの違い
企業法務に移る道は大きく2つあります。企業を依頼者とする法律事務所に移るか、企業の法務部に入って企業内弁護士(インハウスローヤー)になるかです。
法律事務所なら、外部の弁護士として複数の企業の案件を担当します。五大法律事務所のほか、中規模の企業法務系事務所や特定分野に強いブティック系事務所など選択肢は幅広く、訴訟や交渉の経験は一般民事で鍛えたものがそのまま使えます。
インハウスは、社員として自社の事業に関わる働き方です。契約審査や法律相談に加えて、新規事業の検討段階から法的なリスクを洗い出すなど、紛争になる前の段階で動く場面が増えます。法律事務所よりワークライフバランスを整えやすい点も、街弁からインハウスを選ぶ方が多い理由のひとつです。
どちらにするか迷っているなら、弁護士として案件処理の専門性を磨きたいのか、事業の内側で経営に近い立場から関わりたいのかを考えてみてください。答えが出れば、応募先はかなり絞り込めます。
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未経験から企業法務に移るなら、年次が浅いうちに動く
企業法務の事務所も企業の法務部も、中途採用では即戦力を求めます。
年次が上がるほど企業法務の経験者と比べられるため、未経験からの分野転換は難しくなっていきます。若手のうちはポテンシャルを見て採用されることもあるので、迷っている段階でも早めに情報を集めておくほうが選択肢は残ります。
年次が進んでいても、あきらめる必要はありません。顧問先の企業案件の実績があれば評価は変わりますし、労働事件の経験を活かして人事労務に強い事務所を狙うなど、これまでの経験に近い領域から入る方法もあります。
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職務経歴書は個人案件と法人案件を分けて書く
一般民事出身の方の職務経歴書でよく見かけるのが、取扱分野を並べただけで、企業法務につながる経験が埋もれてしまっているケースです。
個人の依頼者の案件と法人の依頼者の案件は分けて書き、顧問先の数、契約書審査の件数や契約の種類、労務相談の内容などを具体的に示してください。法人案件の中身が見えるだけで、企業法務の事務所や法務部からの評価は変わります。
志望動機で問われるのは、なぜ一般民事から企業法務に移りたいのかを、これまでの経験とつなげて説明できるかどうかです。一般民事の不満だけを理由にすると、面接官は入所後もすぐ辞めてしまうのではと不安になります。
顧問先の案件で感じたやりがいなど、前向きなきっかけから組み立てると伝わりやすくなります。
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年収は上がる場合も下がる場合もある
一般民事から企業法務に移って年収が上がるかどうかは、どこに移るかで大きく変わります。
五大法律事務所のような大手は高い水準ですが、未経験から中途で入るのは簡単ではありません。中小規模の企業法務系事務所では、いまの事務所と大きく変わらない水準からのスタートになることもあります。
インハウスは会社の給与体系に沿って年収が決まります。未経験でも年収を維持できたり上がったりするケースはありますが、賞与や福利厚生、個人受任の可否まで含めて比べないと実質の収入は見えてきません。
分野を変える転職では、入社時の年収だけでなく、経験を積んだあとにどこまで上がるかも確認しておきたいところです。
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一般民事から企業法務に移った弁護士の事例
実際に一般民事から企業法務へ移った弁護士が、選考で何を評価され、移ったあとにどう働いているのか。事例を読むと、自分の経験がどこで活きるのかを具体的にイメージできます。
町弁として個人案件や中小企業の顧問を担当したあと、成長企業の法務部に移った弁護士のインタビューでは、新人時代から多くの案件を任されてきた対応力が、正解のない新規事業の場面で役に立ったと語られています。
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