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未経験分野への転職ガイド【弁護士の転職ガイドシリーズ】

執筆者 kochi
監修者 柚木 瑛里那

弁護士が未経験分野に転職するとき重要なことは、「これまでの経験のなかで、未経験分野でも活かせることを整理すること」「現状と転職後の変化を理解しておくこと」の2点です。

弁護士として積んできた経験は、分野が変わってもすべてが無駄になるわけではありません。転職後も活かせることを自分で整理して示せると、未経験の分野でも採用されやすくなります。

現状と転職後の変化に対する理解が浅いと、転職後に後悔が募り、転職を繰り返すことになりかねません。希望条件を満たすかどうか以外に、現状と何が変わるのかまで整理しておくと、満足度の高い転職が実現します。

未経験分野への転職を相談する

未経験分野でも活かせる経験を整理する

弁護士が未経験の分野へ転職するときに鍵になるのは、これまでの経験を応募先が必要としている言葉に言い換えられるかどうかです。

「本当に今の経験が転職先に活かせるのか?」と不安や悩みがある方は、弊社アドバイザーが活かし方を一緒に考えますので、お気軽にご相談ください。

キャリアアドバイザー紹介

一般民事から企業法務へ|契約書審査・労務の経験を活かす

一般民事から企業法務への転職は、未経験分野への転職のなかでもよく見られるパターンです。

一般民事の事務所でも、顧問先の中小企業から契約書のチェックや労務の相談を受けている弁護士は少なくありません。売買契約、業務委託契約、賃貸借契約の審査や、残業代請求や解雇をめぐる対応の経験は、企業法務でもそのまま使えます。

職務経歴書では、個人の依頼者の案件と、法人の依頼者の案件を分けて書いてください。法人案件の件数と中身が見えるだけで、企業法務の事務所や企業の法務部からの評価は変わります。

年次が上がるほど分野の転換は難しくなるので、企業法務に移りたいなら早めに動くのが得策です。

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法律事務所から初めてのインハウスへ|ビジネス視点を示す

インハウスの経験がない弁護士が企業に応募するとき、採用側が気にしているのは、事業部と一緒に仕事を進められるかどうかです。

法律事務所では、依頼者の質問に法的に正確な答えを返せば仕事は終わります。企業では、その答えをもとに事業をどう進めるかまで一緒に考えます。リスクがあるから止めるのではなく、どうすればリスクを抑えて進められるかを示すのが、企業内弁護士の役割です。

面接では、事務所時代に依頼者のビジネス上の目的を踏まえて提案した経験を話せるようにしておきましょう。契約交渉で、法的な有利不利だけでなく取引を成立させることを優先した場面などは、そのまま使えるエピソードです。

企業内弁護士の働き方の全体像は、以下で解説しています。

企業内弁護士とは|法律事務所勤務の弁護士との違いや増加背景・転職を成功させるコツまで

インハウス未経験での転職を相談する

国内案件から渉外・外資系へ|英語力の目安

国内案件から渉外の事務所や外資系の事務所・企業へ移るには、英語で仕事ができることが前提になります。

目安になるのは、英文の契約書を読んで修正案を出せること、英語のメールで交渉できること、海外の弁護士やクライアントとの電話会議で議論についていけることです。TOEICのスコアも書類では見られますが、点数より英語で実務をこなした経験のほうが評価されます。

国内案件しか経験がない場合は、まず今の職場で英文契約や海外案件に関わる機会を増やしてから応募するのが近道です。海外のロースクールへの留学を経てから渉外の分野に移る弁護士もいます。

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法律以外の仕事へ|コンサル・事業会社のビジネス職

コンサルティングファームや事業会社のビジネス職へ移る弁護士も増えています。

評価されるのは、論点を整理する力、大量の資料を読み込んで要点をつかむ力、文章で人を説得する力です。M&Aの法務デューデリジェンスや、企業の不祥事対応の経験があれば、M&Aアドバイザリーやリスクコンサルティングの分野で即戦力として見てもらえます。

注意したいのは、年収が下がるケースがあることです。ビジネス職としては未経験なので、職位が下がった状態からスタートすることもあります。弁護士の資格を生かせる仕事とそうでない仕事の差を理解したうえで、長い目で見て何を得たいのかを決めておきましょう。

転職先の選択肢を広く知りたい場合は、以下を参考にしてください。

弁護士の転職先7選|おすすめの業種・職種と選び方を解説

未経験分野への転職を相談する

その他の評価につながる経験と資格

未経験の分野へ転職するときに評価されやすい経験と資格を挙げておきます。

  • 法人の依頼者を担当した経験。とくに契約審査、労務、M&A、コンプライアンス
  • 英語で実務をこなした経験。英文契約、海外とのやり取り
  • 論文や執筆、セミナーの講師経験。特定分野への関心と専門性を示せる
  • ニューヨーク州弁護士など海外の弁護士資格。渉外や外資系への転職で強みになる
  • 弁理士、税理士、公認会計士など、ほかの士業の資格。知財、税務、M&Aの分野で評価される

経験や知識を身に着けるにあたって、どんな本を読み、どんなセミナーに参加したかを、面接で具体的に話せるようにしておきましょう。

弁護士専門アドバイザーとキャリアの棚卸しをする

転職前と後の変化を理解する

「未経験分野」への転職と一口に言っても、どこからどこへ転職するかによって、変化の度合いや内容が大きく異なります。

転職による変化の理解が浅いと、意図しない転職を重ねてしまうこととなり、結果的に希望するキャリアのゴールが実現しづらくなる可能性があります。

法律事務所から法律事務所へ|分野や規模を変える転職

法律事務所から別の法律事務所への転職は、分野や規模を変えることが目的になるケースが多いでしょう。

典型的なのは、大手事務所で数年経験を積んでから、特定分野のブティックや中規模の事務所へ移るケースです。大手で身につけた案件処理の水準は、どの事務所でも評価されます。パートナーへの昇格が見えにくい大手を離れ、昇格の道筋がはっきりした事務所を選ぶ人もいます。

一般民事の事務所から企業法務の事務所へ移るケースは、年次が上がるほど難しくなります。未経験者と経験者で比較されたとき、若手ならポテンシャル採用の可能性がありますが、年次が上だと経験者が優先されるからです。

転職が難航しやすいケースと対策は、以下記事で詳しく解説しています。

弁護士の転職は難しい?難易度が高いケースや難航する人の特徴を解説

法律事務所間の転職は、転職事例としても紹介しています。

独創性を発揮し、企業法務という仕事を全うできる法律家を目指したい

【30代の弁護士転職】中規模法律事務所での3年間の経験を活かし、大手企業法務事務所への転職を成功させた事例

【20代の弁護士転職】向上心を持つ若手弁護士の転職!人に恵まれ、街弁から中堅企業法務系事務所へ転職した成功事例

法律事務所からインハウスへ|外部から内部に立場が移る転職

企業法務系の法律事務所からインハウスに転向する流れは、今の弁護士の転職でよく見られるパターンです。

修習期別に見ると、60期台の弁護士のうち企業内弁護士は11.3%を占めます。この世代のおよそ9人に1人が企業で働いている計算です。

企業が法律事務所出身の弁護士に期待するのは、契約書を正確に読み書きする力と、紛争になったときの見通しを立てる力です。事務所で企業の顧問案件や契約審査を担当していれば、そのまま強みになります。

一方で、企業では法的に正しい答えを出すだけでは足りません。事業部と一緒にリスクを取れる範囲を探り、社内の関係者を説得するところまでが仕事です。面接では、事務所時代の案件を例に、依頼者のビジネスにどう寄り添ったかを話せるよう準備しておきましょう。

事務所からインハウスに転職する事例を、以下で紹介しています。

【30代の弁護士転職】中小規模の一般民事法律事務所からIT系ベンチャー企業に

【20代の弁護士転職】大手企業法務系事務所から転職先企業初の企業内弁護士に|書類通過率1桁から100%

インハウスからインハウスへ|業界やポジションを上げる転職

インハウスとして経験を積んだ後に、別の企業へ移る弁護士も増えています。

目的として多いのは、より大きな裁量や役職を得ること、成長している業界に移ること、年収を上げることです。たとえば、大企業の法務部で担当者として経験を積んだ弁護士が、上場準備中のスタートアップに法務責任者として移るケースがあります。法務部の立ち上げや規程の整備、上場審査への対応など、大企業では若手に回ってこない仕事を任されます。

インハウス同士の転職で評価されるのは、法律の知識より企業の中で成果を出した経験です。法務部の体制をどう作ったか、事業部からの相談件数をどう減らしたか、契約審査の期間をどれだけ短くしたか。数字で語れる実績を用意しておくと説得力が増します。

インハウス間の転職事例は、以下で紹介しています。

【30代の弁護士転職】インハウス法務部門の幹部から個人事件可能な大企業への転職!社内法務と裁判業務の両立を実現した事例

インハウスから法律事務所に戻る|戻りやすい年次と分野

一度企業に移った弁護士が、法律事務所に戻ることもできます。

戻りやすいのは、企業法務を扱う事務所です。企業の内側を知っている弁護士は、顧客企業の法務部が何に困っているのか、どんな形で回答すれば社内で使いやすいのかがわかります。金融、個人情報保護、独占禁止法など、規制分野の企業で働いた経験は、その分野を扱う事務所で特に評価されます。

難しくなるのは、訴訟の経験から長く離れている場合です。インハウスでは訴訟を外部の事務所に任せることが多いので、5年、10年とたつと、訴訟中心の事務所では即戦力と見られにくくなります。戻る可能性を残しておきたいなら、インハウスの期間が長くなりすぎないうちに判断するのが現実的です。

インハウスで働いた後のキャリアは、以下記事で詳しく紹介しています。

インハウスローヤー(企業内弁護士)のキャリアパスとは|法律事務所とは違うキャリアの描き方

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