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弁護士のキャリアはどう選ぶ?6つのキャリアパスと経験年数別にやるべきこと

更新日: 公開日:

弁護士のキャリアは、司法試験に合格した時点で決まるわけではありません。むしろ、そこからが本当の選択の連続です。

企業法務の大手事務所に入るのか、一般民事の街弁でスタートするのか、最初からインハウスを選ぶのか。数年後にはパートナーを目指すのか、独立するのか、企業に移るのかなどです。

どの選択が正解かは人によって違いますが、選択肢の全体像を知らないまま流されてしまうと、後から「もっと早く動いておけばよかった」と後悔することになりかねません。

この記事では、弁護士のキャリアパスを6つのパターンに整理したうえで、就職先タイプ別のメリット・デメリット、経験年数ごとにやるべきこと、そしてキャリア選択で後悔しないためのポイントまで、一通り解説しています。

司法修習生の方も、若手・中堅の弁護士の方も、自分の現在地と照らし合わせながら読んでみてください。

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弁護士の代表的なキャリアパス6選

ここでは、弁護士に見られる代表的なキャリアパスを6つ紹介します。

アソシエイトからパートナーへ昇進する

法律事務所に入所し、アソシエイト弁護士として経験を積んだのち、パートナー(事務所の共同経営者)に昇進するキャリアパスです。

弁護士としてのキャリアの王道とも言える道で、特に大手事務所では今も多くの弁護士がこのルートを目指しています。

四大法律事務所の場合、入所からパートナー昇進まで10年前後かかるのが一般的です。アソシエイト時代の年収は1,100万〜3,000万円程度ですが、パートナーになれば数千万円から、事務所によっては億単位に達するケースもあります。

ただし、パートナー昇進は決して簡単ではありません。実務能力だけでなく、クライアントの開拓力や事務所全体への貢献度も評価されます。

大手事務所ほど競争が激しく、同期入所の弁護士のうちパートナーになれるのは一握りです。昇進が見込めないと判断した時点で、他の事務所やインハウスに移る弁護士も少なくありません。

中小事務所では、所属弁護士の数が少ないぶん、比較的早い段階でパートナーに就任できるケースもあります。大手とは異なり、事務所の経営そのものに関わる機会が早くから得られるのが中小のパートナーの特徴です。

法律事務所から別の法律事務所へ転職する

法律事務所間の転職は、弁護士のキャリアチェンジとして最もハードルが低い選択肢です。

今いる事務所で扱えない分野を経験したい、より大きな案件に関わりたい、年収を上げたいといった理由で移籍するケースが多く見られます。

企業法務系の事務所から別の企業法務系事務所への転職は比較的スムーズです。扱う案件の種類が近いため、即戦力として評価されやすく、年収が上がるケースも珍しくありません。

一方、一般民事系の事務所から企業法務系に移るのは、企業法務で求められるスキルセットが異なるため経験年数が長くなるほど難しくなります。

逆に、企業法務系から一般民事系への転職はほとんど見られません。企業法務で培った専門性を活かしにくいうえ、年収が下がるケースが多いからです。

事務所間の転職を検討する際は、自分が今持っているスキルが転職先でどう評価されるかを冷静に見極める必要があります。

法律事務所からインハウスへ転職する

法律事務所で数年間の経験を積んだのち、企業のインハウスローヤーに転じるキャリアパスです。近年では、このルートを選ぶ弁護士が急増しています。

日本組織内弁護士協会のデータによると、2001年にはわずか66人だったインハウスローヤーの数は、2023年には3,000人を超えるまでに拡大しました。

インハウスへの転職を選ぶ主な動機は、ワークライフバランスの確保、特定の業界への深い関与、安定した収入と福利厚生の3つです。法律事務所のように深夜・休日の対応が常態化することは少なく、企業の就業規則に沿った働き方ができます

年収については、法律事務所のパートナークラスほどの水準にはなりにくいものの、750万〜1,250万円のレンジに半数以上が収まっており、一般的な会社員と比較すれば高い水準です。大手企業やグローバル企業では、それ以上の年収を得ているインハウスローヤーもいます。

企業法務系の事務所出身者は、法律事務所で培ったスキルがそのまま活かせるため、インハウスへの転職は比較的スムーズです。一般民事系の出身者の場合は、企業法務の実務経験がないため、未経験採用枠での応募になることが多く、年収が一時的に下がる可能性があります。

インハウスから法律事務所へ転職する

インハウスローヤーから法律事務所に移るケースもあります。

このケースでは、「企業内で法務の専門性を深める限界を感じた」「訴訟業務に携わりたい」「独立を見据えて事務所経験を積みたい」といった理由が多いです。

ただし、このルートにはハードルがあります。インハウスでは訴訟業務に関わる機会が限られるため、法律事務所側からすると即戦力として評価しにくい面があるのです。

特に一般民事系の事務所に移る場合は、訴訟の経験不足がネックになりやすいです。

企業法務系の事務所であれば、インハウスで培った業界知識や、企業における意思決定への理解が強みとして評価されることもあります。ただ、法律事務所に戻る場合は年収やワークライフバランスが変動する可能性が高いので、何を目的として移るのかを明確にしておくことが重要です。

独立開業する

法律事務所で経験を積んだのち、自分の事務所を構えて独立するキャリアパスです。

弁護士というキャリアの最大の特徴は、資格さえあれば個人で事業を営める点にあります。独立すれば、案件の選び方、働く時間、報酬設定まで、すべて自分で決められます。

独立のタイミングとしては、5〜10年程度の実務経験を積んでからが一般的です。勤務弁護士時代に培った人脈や専門分野が、独立後の集客基盤になります。

逆に、十分な経験や顧客基盤がないまま独立(即独)すると、案件の確保に苦労するリスクがあります。

収入面は完全に自分次第です。軌道に乗れば勤務弁護士時代を大きく上回る収入を得られますが、事務所の家賃やスタッフの人件費、弁護士会費などの固定費は毎月発生するため、案件が途切れた月の負担は大きくなります。

最近では、ホームページのSEO対策やSNS運用、ウェブ広告を活用して集客する弁護士が増えています。開業前にこうしたマーケティングの知識を身につけておくかどうかで、独立後の立ち上がりスピードに大きな差が出ます。

法曹以外のフィールドに進む

弁護士資格を持ちながら、従来の法律業務とは異なるフィールドで活躍する人も増えています。

リーガルテック企業への参画や、コンサルティングファームへの転職、スタートアップの経営参画、教育・研究機関への転身など、選択肢は広がっています。

リーガルテック企業では、契約書レビューのAIツールや法務業務の効率化サービスの開発に、弁護士としての知見が直接活かされます。法律の実務を知っている人間がプロダクト設計に関わることで、ツールの品質が格段に上がるため、弁護士資格を持つ人材の需要は高いです。

コンサルティングファームでは、M&Aやコンプライアンスのアドバイザリー業務で法的な知識が求められる場面が多く、弁護士出身者が重宝されています。年収面でも、大手コンサルのシニアポジションに就けば法律事務所のパートナー並みの水準が期待できます。

こうした法曹以外のキャリアに進む場合は、法律の専門性に加えて、ビジネスサイドのスキル(財務知識、プロジェクトマネジメント、テクノロジーへの理解など)を身につけているかどうかが成否を分けます。

弁護士の主な就職先は3タイプに分かれる

弁護士のキャリアを考えるうえで、最初に理解しておくべきなのが就職先の分類です。

弁護士の就職先は大きく「企業法務系の法律事務所」「一般民事系の法律事務所」「企業内弁護士(インハウスローヤー)」の3タイプに分かれます。どのタイプを選ぶかによって、その後のキャリアの方向性が大きく変わります。

企業法務系の法律事務所

企業法務系の法律事務所は、企業をクライアントとして、M&Aやファイナンス、コーポレートガバナンス、知的財産、国際取引などの業務を扱います。四大法律事務所はこのタイプの代表格です。

大規模な案件に関わる機会が多く、英語を使う頻度も高いです。案件の専門性が高いため、年数を重ねるほど特定の分野に特化していく弁護士が多くなります。

初年度の年収は大手であれば1,000万円を超えるのが一般的です。

就業環境は事務所によって差がありますが、案件の繁閑に応じて長時間労働になりやすい面はあります。一方で、リモートワークやフレックスタイム制を導入する事務所も増えてきています。

一般民事系の法律事務所

一般民事系の法律事務所は、個人のクライアントを中心に、離婚や相続、交通事故、債務整理、労働問題、刑事事件など幅広い案件を扱います。いわゆる「街弁」と呼ばれる法律事務所の多くがこのタイプに該当します。

扱う案件の範囲が広いため、弁護士としての基礎体力が身につきやすいです。訴訟経験を多く積めるのも一般民事系の特徴です。一方、企業法務のように特定分野の専門性を深めることは難しく、意識的に得意分野を作る努力が必要になります。

初年度の年収は300万〜500万円程度からスタートするケースが多く、企業法務系と比べると低めです。ただし、個人事件の受任が認められている事務所であれば、自分の営業力次第で収入を大きく伸ばすことも可能です。

将来的に独立を考えている弁護士にとっては、個人の顧客を獲得する経験を早い段階から積める点が大きなメリットでしょう。

企業内弁護士(インハウスローヤー)

企業に社員として雇用され、社内の法務部門で働く弁護士です。契約書の審査・作成や、社内の法律相談、コンプライアンス対応、M&Aの法務サポート、知的財産管理など、業務の幅は企業の規模や業種によってさまざまです。

年収は企業の給与水準に準じるため、750万〜1,250万円程度のレンジが中心です。福利厚生が充実しており、法律事務所と比べてワークライフバランスが取りやすいのが最大の特徴です。弁護士会費を企業側が負担してくれるケースも多数あります。

ただし、訴訟業務に関わる機会は限られることが多く、法律事務所の弁護士が積むような訴訟経験は得にくいです。また、企業によっては法務以外の業務(総務、コンプライアンス部門との兼務など)を担当する場合もあります。

就職先タイプ別のメリット・デメリット

3つの就職先タイプにはそれぞれ明確な長所と短所があります。自分が弁護士としてどんなキャリアを築きたいのかによって、どのタイプが合うかは変わってきます。

企業法務系法律事務所のメリット・デメリット

企業法務系の最大のメリットは、将来のキャリアの選択肢が広がることです。

M&Aやファイナンスなど高度な案件の経験は市場価値が高く、他の事務所への転職にもインハウスへの転職にも有利に働きます。

中央官庁や企業への出向制度、海外ロースクールへの留学制度がある事務所もあり、弁護士としてのスキルの幅を広げる機会に恵まれています。大手企業や上場企業を相手に仕事をすることで、ビジネスの現場感覚も自然と身につきます。

デメリットは、個人事件の受任が制限されるケースが多いことです。

事務所の案件対応が優先されるため、将来独立を考えている場合は、個人の顧客基盤を作りにくい環境と言えます。また、一般民事の案件に触れる機会がほとんどないため、一般民事系の事務所へのキャリアチェンジは年数を重ねるほど難しくなります。

内部競争が激しい事務所では、アソシエイトからパートナーへ昇進できるのはごく一部に限られます。

一般民事系法律事務所のメリット・デメリット

一般民事系の最大のメリットは、独立に向けた準備がしやすいことです。

個人事件の受任が認められている事務所が多く、離婚、相続、交通事故といった幅広い案件を自分で受任・処理する経験が積めます。訴訟を数多くこなすことで、弁護士としての基礎力が鍛えられるのも大きな利点です。

事務所の規模が小さいぶん、早い段階からパートナーや支店長といった責任あるポジションに就けるチャンスもあります。

デメリットは、特定分野での専門性が身につきにくいことです。

幅広い案件を扱う反面、どの分野も浅い経験にとどまりやすく、市場価値を高めるためには自分で意識的に得意分野を作る努力が必要です。また、事務所によっては案件の種類が偏っていたり、営業活動や事務作業など弁護士業務以外の仕事に時間を取られることもあります。

年収面では、企業法務系やインハウスと比べて初年度の水準が低い傾向にあります。

インハウスローヤーのメリット・デメリット

インハウスの最大のメリットは、ワークライフバランスと安定した収入を両立できることです。

企業の就業規則に沿った働き方ができるため、法律事務所のような深夜・休日対応の常態化はありません。福利厚生も充実しており、住宅手当、退職金、健康保険、弁護士会費の会社負担など、法律事務所では得られない恩恵があります。

デメリットは、法律事務所へのキャリアチェンジが難しくなりやすいことです。

訴訟業務の経験が限られるため、特に一般民事系の事務所に移りたくなった場合にハードルが高くなります。年収も、パートナー弁護士や成功した開業弁護士と比べると上限が限られます。

また、企業の中で法務部門は管理部門の一つという位置づけであるため、事業の意思決定に直接関われるかどうかは企業の体制次第です。

経験年数別のキャリア戦略

ここでは、経験年数を3つのステージに分けて、それぞれの時期にやっておくべきことを整理します。

1〜3年目にやるべきこと

弁護士としての最初の3年間は、とにかく基礎を固める時期です。

案件の処理能力、法的なリサーチ力、文書作成の精度、クライアントとのコミュニケーション。こうした基本スキルは、どのキャリアパスに進むにしても土台になります。

この時期に意識すべきなのは、目の前の業務に全力で取り組むことと、自分の興味がどこにあるかを見極めることの2つです。

まだ専門分野を決める必要はありませんが、どの案件に面白さを感じるか、どの領域で自分の力が発揮できそうかを観察しておくと、4年目以降のキャリア判断がしやすくなります。

また、1〜3年目のうちに弁護士業界の転職市場の動向を把握しておくことも有益です。

今すぐ転職するつもりがなくても、自分のスキルが市場でどう評価されるのかを知っておけば、キャリアプランを立てる際の判断材料になります。

4〜7年目の分岐点

4年目から7年目は、弁護士としてのキャリアの方向性が固まり始める時期です。

このタイミングで自分の専門分野を明確にできているかどうかが、その後のキャリアに大きく影響します。

大手事務所にいる弁護士であれば、シニアアソシエイトとしてパートナー昇進を視野に入れ始める時期です。

パートナーを目指すのか、それとも別の道に進むのかを判断するための材料を集めておく必要があります。同時に、中央官庁への出向や海外ロースクールへの留学など、所属事務所が提供するキャリア形成の機会があれば、積極的に活用すべき時期でもあります。

一般民事系の事務所にいる弁護士は、独立のタイミングを具体的に検討し始める時期です。

自分で受任した案件の数や、個人で獲得した顧客のリストを棚卸しして、独立後に安定した収入が見込めるかどうかを判断します。

インハウスローヤーの場合は、社内での昇進(法務部長やCLO、執行役員など)を目指すのか、事務所に移るのかを検討する時期です。

インハウスから事務所に移るのは年数が経つほど難しくなる傾向があるため、迷っているなら早めに情報収集を始めることをおすすめします。

8年目以降のキャリア設計

8年目以降は、キャリアの方向性を大きく変えるのが難しくなる一方で、これまでの積み重ねが結果として現れ始める時期です。

大手事務所でパートナーを目指してきた弁護士は、昇進の可否がそろそろ見えてくるタイミングです。

パートナーに昇進できれば年収は大幅に上がりますが、昇進が難しいと判断した場合は、他の事務所のパートナーポジションやインハウスの管理職ポジションへの転職を検討することになります。この段階でも、企業法務の専門性を持っていれば転職市場での評価は高いです。

独立を果たした弁護士は、経営の安定化とさらなる拡大を図る時期です。

スタッフの採用、業務領域の拡大、事務所のブランディングなど、弁護士業務以外の経営課題にも向き合うことになります。

インハウスローヤーとしてキャリアを積んできた場合は、法務部長やCLOといった管理職への昇進が現実的な目標になります。

経営陣と対等にやり取りできる法務責任者の需要は高く、企業を移ることでさらに上のポジションに就くケースもあります。

どのキャリアパスを歩んでいるにせよ、8年目以降は「自分が次の10年で何を成し遂げたいのか」を改めて考え直す節目です。

弁護士としての経験が十分に蓄積されたこの時期だからこそ、選べる選択肢も、その選択の重みも大きくなります。

弁護士のキャリアで後悔しやすい3つのパターン

どのキャリアを選ぶかと同じくらい大切なのが、何を避けるべきかを知っておくことです。

弁護士特化の転職エージェント「No-Limit弁護士」では、「もっと早く気づいていれば」と後悔する弁護士の声を少なからず耳にします。ここでは、特にありがちな後悔するパターンを3つ紹介します。

専門性を持たないまま年数を重ねてしまう

幅広い案件を経験できること自体は悪いことではありませんが、10年経っても「これが自分の専門分野です」と言えるものがないと、転職市場での評価が上がりにくくなります。

弁護士の数が増えた今、採用する側が見ているのは「何でもできる弁護士」ではなく「この分野に強い弁護士」です。特に企業法務系の事務所やインハウスの管理職ポジションでは、特定領域での深い知見が求められるため、専門性のない弁護士は候補に挙がりにくくなります。

専門分野は必ずしも最初から決める必要はありませんが、5年目あたりを目安に「自分はこの領域で勝負する」という軸を持っておいたほうがいいでしょう。軸がないままだと、年数が経つにつれてキャリアの選択肢が狭まっていきます。

年収だけで転職先を選んでしまう

年収は転職先を選ぶうえで重要な条件の一つですが、年収だけを基準にしてしまうと、数年後に行き詰まるリスクがあります。

たとえば、目先の年収アップだけを目的に、自分の専門分野とは異なる事務所や企業に転職すると、経験の一貫性が途切れてしまいます。キャリアの一貫性がないと、次の転職の際に「この人は何がしたいのか分からない」と評価されやすくなります。

また、年収が高い事務所ほど業務量も多い傾向があるため、ワークライフバランスを犠牲にしてまで年収を追い求めた結果、体力的・精神的に続かなくなるケースも見られます。年収はキャリア全体の文脈のなかで判断すべきであり、短期的な金額だけで動くのは避けたほうが賢明です。

キャリアプランを持たずに流されてしまう

「今の事務所で特に不満はないから」「転職活動が面倒だから」という理由で、キャリアについて考えること自体を後回しにしてしまう弁護士は意外と多いです。

日々の業務に忙殺されていると、立ち止まって中長期のキャリアを考える余裕がなくなります。しかし、キャリアプランを持たないまま5年、10年と過ぎてしまうと、気づいた時には「今の環境を変えたいけど、今さら動きにくい」という状況に陥りがちです。

弁護士のキャリアは選択肢が多いぶん、自分から動かなければ何も変わりません。完璧なプランを立てる必要はありませんが、「3年後にどうなっていたいか」くらいのイメージは常に持っておくべきです。

キャリアプランの作り方

ここでは、キャリアプランを作るための基本的な手順を3つのステップで整理します。

経歴と強みの棚卸しをする

最初にやるべきなのは、自分のこれまでの経歴を具体的に書き出すことです。担当した案件の種類と件数、関与した分野、身につけたスキル、取得した資格や語学力などを一覧にしてください。

ポイントは、「自分が当たり前にやっていること」のなかに市場価値の高いスキルが隠れていることがあるという点です。

たとえば、英文契約書のレビューを日常的にこなしている弁護士は、それを強みとして認識していないケースがありますが、転職市場ではかなり評価される能力です。

3年後・5年後・10年後の目標を設定する

棚卸しが終わったら、3年後・5年後・10年後の自分がどうなっていたいかを考えます。目標を設定する際は、年収、専門分野、働き方の3つの軸で考えると整理しやすいです。

年収であれば「5年後に1,500万円」のように具体的な数字を置きます。専門分野であれば「M&Aの案件で、デューデリジェンスから契約交渉まで一人で回せるようになる」のように、スキルの到達レベルを具体化します。

働き方であれば「10年後には独立して、週4日稼働のペースで年収1,000万円を維持する」のように、ライフスタイルとの両立をイメージします。

目標は途中で変わっても構いません。大事なのは、目標を仮置きでもいいから設定しておくことです。目標がないと日々の業務判断に一貫性がなくなり、気づけばキャリアが場当たり的になってしまいます。

目標から逆算して次の一手を決める

目標を設定したら、そこに到達するために「この1〜2年で何をすべきか」を逆算して考えます。

たとえば、5年後にインハウスの法務部長を目指すなら、今の事務所で企業法務の経験をあと2年積んでからインハウスに転職する、という道筋が見えてきます。

10年後に独立したいなら、今のうちに個人事件の受任を増やして顧客基盤を作り始める必要があるかもしれません。

逆算で重要なのは、「次の一手」を一つに絞ることです。あれもこれもと欲張ると結局どれも中途半端になります。

今この瞬間に自分が取るべきアクションは何か。それを明確にして動き出すことが、キャリアプランを絵に描いた餅で終わらせないための最大のコツです。

まとめ

弁護士のキャリアは、パートナー昇進や、事務所間の転職、インハウスへの転職、独立開業、法曹以外の分野への進出と、かつてないほど選択肢が広がっています。

どの道を選ぶかに正解はありませんが、選択肢の全体像を理解し、自分の現在地に合った戦略を持っているかどうかで、5年後・10年後のキャリアは大きく変わります。

弁護士経験1〜3年目は基礎固めに集中しつつ自分の興味の方向を見極める時期、4〜7年目は専門分野を確立してキャリアの方向性を定める分岐点、8年目以降はそれまでの積み重ねを活かして次のステージに踏み出す時期です。

どの段階にいる方も、定期的に自分の経歴を棚卸しし、目標を設定し、逆算して次の一手を打つというサイクルを回し続けることが、後悔のないキャリアを築くための最も確実な方法です。

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