この記事では、
- 「弁護士として転職したいが今の年齢で転職は可能なのだろうか」
- 「年齢が不利にはたらくケースはあるのだろうか」
といった不安を抱えている方へ向けて、弁護士の転職に年齢が与える影響について解説します。
採用にあたり年齢以外に考慮される点や、転職成功のポイントもあわせて解説します。
目次
弁護士の転職では年齢の影響は少なく、人物重視の採用
「転職は若いほど有利」などといわれる場合がありますが、弁護士の転職でも同様に考えるべきなのでしょうか?
年齢が高い(あるいは経験が浅い)弁護士にとって転職は難しい挑戦だと思っている方もおられるかと思います。
結論から言えば、弁護士の転職に年齢はさほど影響はなく、年齢だけで採否が決まることはほとんどありません。
例えば、5大法律事務所から転職をされる弁護士の多くは、年齢的には20代後半から30代前半の方で経験年数としても3年から5年未満の方ですが、一般民事事務所・企業法務事務所で活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。
また、インハウスローヤーへ転職をされた方も当時は24歳から26歳前後の方でしたが、年齢や経験よりも人間力で採用されています。
年齢不問・人間力で見た採用
法律事務所や一般事業会社からは「人物を重視する」「年齢不問」という声が多く聞かれ、年齢にみあった活躍を期待していることがわかります。
弁護士の転職市場では一定の職歴がある人を積極的に採用する傾向があるとみてよいでしょう。
ただし、年齢が関係して採用が不利に働くケースや、年齢や修習期による制限を設けている求人もあるので、ご自身の状況と照らして確認してみてください。
弁護士に35歳限界説はない
転職市場では35歳になると転職が難しくなるという説(いわゆる35歳限界説)がありますが、弁護士の場合は事情が異なります。弁護士以外の多くの職種の場合、大学や短大を卒業したとすると、そのまま20代前半から働きはじめるケースが大半です。
これに対して弁護士の場合ははやくても司法試験に合格するのが20代後半で、弁護士として働き始めるのが30代や40代というケースも少なくありません。
30代後半、60期代の弁護士は売り手市場
30代前半であれば一般転職市場における20代と同じく経験の少ない若手の部類に入ります。したがって35歳を境にいきなり転職が難しくなるということは考えにくいでしょう。とくに30代であれば転職先の選択肢は多数あります。
40代以降になると未経験分野への転職は徐々に難しくなってきますが、豊富な経験をもとに、即戦力として評価してくれる法律事務所や一般事業会社へ転職する道があります。
一般に管理職以外の転職が難しくなる50代であっても、弁護士であれば経験を活かした転職が可能です。
弁護士の転職で高年齢が有利になるケースもある
弁護士の転職では、年齢が高いと不利になるどころか、年齢が高いほうが有利にはたらくケースが少なくありません。
社会人経験が評価される
年齢が高いほど基本的なビジネスマナーや組織内ではたらくことへの適応力が備わっています。前職で培った弁護士としての経験や知識、人脈も活かせるでしょう。
また弁護士という職業柄、一般市民に寄り添う視点が必要なので、社会人経験があることは大きな武器となります。とくに個人案件を受け持つ法律事務所の場合、クライアントの負の感情に接する機会も多くあるため、社会人経験を積んで精神的に成熟している点もメリットです。
顧客からの信頼を得やすい
顧客にとって弁護士は、人生においてほとんど経験することのないトラブルに直面したときに、法律という武器を使って自分を守ってくれる頼りになる存在です。そのためフレッシュな人材よりも貫禄があり経験豊富な人材のほうが安心できます。
応募先としても顧客からの信頼を得やすい弁護士への期待感から採用にいたりやすいでしょう。
想像力や洞察力がある
年齢が上がると人生の中でのさまざまな経験や出会いを通じて、想像力や洞察力が養われていきます。想像力の豊かな人は顧客の立場に立って考え、どのようなリスクが起こり得るのかを分析することができます。
洞察力があれば物事の本質を見極めて迅速な問題解決を図り、顧客へ安心感を与えるでしょう。
弁護士の転職で高年齢がネックになるケース
弁護士の転職でも、年齢が高いことが影響して採用にいたらないケースがあります。
求められるスキルレベルが高い
年齢が上がるほど即戦力としての活躍を期待され、応募先が求めるレベルが高くなります。経験豊富で優秀な弁護士は年齢にかかわらず活躍できる一方で、応募先が求めるだけのレベルに達しておらず、かつ年齢だけが上がっているケースでは転職が難しくなってきます。
五大法律事務所への転職
五大法律事務所への転職は年齢がネックになるといわれる場合があります。ただしこれは新卒採用にあたり浪人・留学回数などが考慮されるためで、経験者の採用はまた別との見方ができます。
実際、五大法律事務所の中でも、弁護士以外の職種で何年も経験を積んだ方が活躍しています。もっとも、採用されるハードルが極めて高いことは確かなので、強力にアピールできる経験がないと難しいでしょう。
社会人経験がほとんどない場合
司法試験の勉強に専念してきた結果として社会人経験をほとんど積んでいない場合は、厳しくなる可能性があります。弁護士としてのスキルは学生から弁護士になる人と大きく変わらないため、育てやすい若手人材のほうが有利になるでしょう。
年齢が高い人は社会人経験が大きなアピールポイントになるわけですが、このケースではそれが叶わないからです。
企業法務分野への関わりを持つなら若いうちがベター
企業法務は実務を理解し法的な業務を一人で行えるまでに何年も時間を要しますから、スタートはできるだけ若いほうが望ましいです。
一般民事案件を自分の裁量で回すようになった弁護士が、一から企業法務を修行し直すのは、本人にも、指導者にもストレスが大きくなってしまうからです。
下積み仕事に“やりがい”を見出せずに、一般民事に転向する弁護士もいますが、経験不足でも参入できる市場であれば、若いうちからチャレンジすることを強くおすすめします。
弁護士から他職種へ転職する場合
何らかの理由で弁護士から他職種へ転職したいと考えた場合に、年齢はどの程度影響するのでしょうか。
他職種への転職は年齢が低いほど有利
年齢が上がっても採用にあまり影響しないのは、あくまでも弁護士としての転職です。他職種へ転職する場合はその分野では未経験・新人という扱いになるため、採用にあたり年齢が考慮材料となる場合が多くあります。
年齢が低いほど有利になるため、転職するタイミングははやいほうがよいでしょう。
他職種への転職を成功させるには?
弁護士から他職種への転職は簡単ではありませんが、成功を勝ち取り、多方面で活躍している方は多くいます。主なポイントは次のとおりです。
他職種へ転職したい理由を整理する
未経験者を採用する側が気になるのは、なぜ他職種へ転職したいのかという点です。とくに弁護士の場合は司法試験という狭き門を突破して弁護士になったにもかかわらずキャリアチェンジするのですから、何か深い理由があるのだろうと考えるのが自然です。
自身の考えをしっかりと向き合って整理し、前向きな理由を伝えるようにしましょう。
年収ダウンはある程度許容する
昨今は「弁護士は高給取りではなくなった」といわれることがありますが、それでも多くの職種に比べれば年収は高めです。したがって、弁護士から他職種への転職は基本的に年収がダウンすると考えておくべきです。
年齢が高くても転職先の業界においては新人なので、一時的にはある程度の年収を許容したうえで、長い目でみた満足度を高めるようにしましょう。
弁護士経験を活かせる職種への転職がおすすめ
他職種への転職でも、まったくの未経験職種ではなく弁護士経験を活かせる職種へのキャリアチェンジなら、成功の可能性が飛躍的に上がります。たとえば、IT法務を扱っていた弁護士ならIT系の職種へ転職する、企業法務を扱っていた弁護士なら会社のコンサルタントに転職するといった考え方です。
弁護士として独立後に転職を考えている場合
いったん独立したものの、さまざまな事情によって転職を考える方も少なくありません。独立後の転職は難しいと思われがちですが成功する方も多くいますので、諦めずに探すことが重要です。
独立弁護士から転職する場合、応募先の選択肢は広くないものの、得意分野を活かした転職が可能です。
たとえば不動産分野を得意としていたのなら不動産の契約を扱う法律事務所や不動産会社への転職が考えられます。顧客に中小会社が多かったのなら、インハウスローヤーとしての転職も可能です。
とくにインハウスとしての転職は、独立弁護士と比べると常識の範囲内の残業で済むなど、私生活とのバランスがとりやすい点がメリットです。
独立すると仕事の進め方や考え方が確立されているため、応募先に「使いにくいのでは?」との印象を与える場合があります。転職ではひとつの考え方に固執せず、柔軟な姿勢を示すことも大切になるでしょう。
弁護士の転職で年齢以外に重視されるポイント
ここからは、弁護士の転職で年齢以外に何が重視されるのかについて解説します。
大前提として、弁護士としての職歴・キャリアが重視される点はお伝えしておきます。それに加え、転職先別にどのような点がアピールできるのかという視点で確認してみましょう。
法律事務所へ転職する場合
企業法務や海外案件を扱う法律事務所なら、語学能力が評価の対象となります。民事案件を扱う法律事務所だと人柄や社会人としての経験、コミュニケーション能力や対人関係の作り方などが重視されることがあります。
多数の案件を扱うため、案件処理能力が高いかどうかも評価のポイントです。
また昨今はITに関連するトラブルが会社、個人ともに増えています。会社の場合はシステム開発・運用等に関する契約や紛争、システムやプログラム等の技術的要素が含まれる特許権・著作権といった知的財産権に関する紛争等が挙げられます。
個人の問題としては、プライバシー侵害やソーシャルメディアの不適切な使用によるトラブル等があります。こうした背景からIT関連のトラブルに特化した法律事務所のニーズが高まっていますが、実際に対応できる弁護士がまだ少ないこともあり、IT系の専門知識をもっている方もアピールポイントになります。
企業内弁護士に転職する場合
コンプライアンス重視の観点から自社の法務管理体制を強化する会社が増えてきており、専門的な知見から自社の法務管理への貢献が可能なインハウスローヤーのニーズが高まっています。
インハウスローヤーはある程度の規模が大きい会社ではたらくことになるため、組織人としての協調性や柔軟性、適応力などが問われます。社内での調整や会社同士のトラブルが起きたときに外部弁護士と交渉する場面もあるため、交渉力もひとつの評価ポイントです。
また企業法務の経験があれば即戦力としての期待値が高いため有利です。インハウスにおいてマネジメント経験がある弁護士はまだまだ少ないため、マネジメント経験があれば管理職候補としての採用にも期待できます。
弁護士が転職を成功させる為に年齢よりも大切なこと
年齢が気になって転職に不安がある方に向けて、転職を成功させるために何が必要なのかを解説します。
自らの強みを明確にする
転職において弁護士資格そのものが評価されるわけではないため、自らの強みは何かを明確にする必要があります。これまでの経験によるため一律ではありませんが、実績や経験の棚卸しを通じて的確に伝えることが大切です。
自分が感じる強みと、他者が感じる強みが異なる場合もあります。これには客観的な意見が必要なので、仕事面をよく知っている先輩や同僚へ質問したり、「NO-LIMIT(ノーリミット)のような弁護士の転職に強い転職エージェント」を使ったりして客観的な視点も含めるとよいでしょう。
ニーズを把握して応募先を厳選する
限られた時間の中で効率よく転職を実現させるには、応募先でどのような人材を求めているのかを把握し、実際に応募する先を厳選することが大切です。そのためには応募先の研究が欠かせません。
応募先が求めている人材像と自身の強みとがマッチした場合に成功する可能性が高まります。
攻めの姿勢を貫く
転職の際に年齢が気になると、不安感から方向性が定まらず、結果としてよいアピールができなくなってしまいます。また受け身の姿勢で転職できたとしても、自身の志向とは異なるため結局は不満が残ることになります。
経験豊富な弁護士であれば即戦力としてアピールできますし、弁護士経験が少なくても社会人としての経験を活かすことが可能です。あくまでも攻めの姿勢を貫き、積極的にアピールしていきましょう。
応募先目線でアピールする
弁護士の転職理由として、自己実現やキャリアアップを目指すというケースは多くあります。それ自体は素晴らしいことですが、転職においてはその点ばかりを押し出してもなかなか採用には結びつかない場合が少なくありません。
法律事務所、一般事業会社のいずれにも共通していえるのは、採用担当者は
- 「この応募者はどんな貢献をしてくれるのか」
- 「この人を採用するとどんなメリットがあるのか」
との考えをもっていることです。つまり重要なのは応募先のために何ができるのかという目線です。
条件面に対する柔軟な考え方をもつ
弁護士の転職に限ったことではありませんが、年収や業務内容、勤務時間などすべての条件を満たす転職は困難です。譲れない条件は何かと優先順位をつけ、ある程度柔軟に対応することによって選択の幅が広がり、満足度の高い転職につながります。
理想と現実の折り合いをどこでつけるのか、転職では非常に大切なポイントです。
人物重視の採用で転職を成功させるなら転職エージェントがおすすめ
事務所の方針や内情を事前に把握することでマッチング制度が高まる
転職先の事務所や企業がどのような方針で弁護士を採用しているかは、ネットやホームページの情報だけで判断するのは難しいでしょう。そのため、法律事務所などの内情や採用活動の経緯、今後のビジョンを把握した上で求職者とのマッチングを行う、転職エージェントの存在は大きいと言えます。
面接に限らず、事前準備を怠っていては面接を突破することは不可能ですから、面談前に入念な準備ができるエージェントの活用は有益と言えます。
転職エージェント経由では書類通過率が格段に上がる
面接をその場しのぎではない、自分の言葉で語ることも大事ですが、その前段階である『職務経歴書』の書類通過率を上げる事も大事なポイントです。よく職歴書を全て同じ内容でテンプレのように使う方がいますが、事務所によって採用したい方は違いますので、当然事務所によって内容を変える必要があります。
この作業を怠ると、応募はするが書類が一向に通過せず、志望度の高かった転職先への入所(入社)チャンスを逃すことになります。転職エージェントのアドバイザーは、応募先の採用ニーズと求める人物像を把握しているため、その応募先に入る為のオリジナルの内容を考案し、カスタマイズすることを推奨しています。
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もちろんトライアンドエラーを繰り返せば自力で通過率を上げることも可能ですが、一向に改善されない場合は何が原因か分からなくなってしまう可能は高いでしょう。そういったマイナスの可能性を払拭する意味でも、法曹業界のアドバイザーから学ぶのが転職成功への近道と言えます。
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まとめ
弁護士の転職ではご自身の経験や応募先によって年齢が選考に影響するケースもありますが、基本的には大きな影響は少ないといえます。反対に社会人としての経験をアピールできるケースも多くありますので、積極的に探してみてはいかがでしょうか。
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