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企業内弁護士(インハウスローヤー)の年収は?項目別の相場や違いを比較

更新日: 公開日:

インハウスローヤー(企業内弁護士)とは、企業の従業員や役員となって業務にあたる弁護士のことを言います。一般的には法務部に配属され、企業法務や知財関連、コンプライアンスの業務にあたることが多いです。

法律事務所に在籍する弁護士よりも安定的した生活を送れる可能性が高く、毎月決まった給料が支払われる安心感があります。

しかし、その年収は一体どのくらいなのでしょうか。せっかく難関の司法試験やさまざまな課題をクリアしたのですからしっかり稼ぎたいという気持ちもあるでしょう。

本記事では、インハウスローヤーの年収のデータを解説していきます。

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目次

【最新版】インハウスローヤーの年収は1,000万〜1,250万円未満が最多

インハウスローヤーの年収は、1000万~1250万円未満が最多ですが、250万~5,000万円以上と非常に幅広く点在しています。

JILAでは毎年アンケートが公開されており、直近は2024年3月実施分まで確認できます。ほとんど変わらず変動が少ないことが分かります。安定した収入を得られるようですね。

インハウスローヤーの年収推移(人数分布)
年収 2018年(人) 2019年(人) 2020年(人) 2021年(人) 2022年(人)
250万円未満 0 0 0 0 0
250万円〜500万円未満 21 17 10 15 3
500万円〜750万円未満 106 98 62 92 48
750万円〜1000万円未満 95 102 78 113 70
1000万円〜1250万円未満 53 44 63 76 64
1250万円〜1500万円未満 31 33 21 33 29
1500万円〜2000万円未満 21 20 22 28 23
2000万円〜3000万円未満 11 13 11 22 17
3000万円〜5000万円未満 5 5 6 12 8
5000万円以上 5 6 3 5 3

インハウスローヤー年収推移

参考:日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2024年3月実施)

国税庁の民間給与実態調査によると、日本人の令和6年分の平均給与は478万円、令和5年分は460万円と公表されています。

そのことを考慮するとインハウスローヤーの年収は決して安くはないでしょう。

なお、1日の平均的な勤務時間は8時間~10時間の割合が多くなっています

大手事務所は案件・繁忙期によっては長時間労働になりやすい傾向があります。安定的な労働環境というのがインハウスローヤーの魅力の一つだといえます。

インハウスローヤーの平均勤務時間
平均勤務時間 人数(人) 割合(%)
8時間未満 30 11.4
8時間~9時間未満 87 33.0
9時間~10時間未満 83 31.4
10時間~12時間未満 50 18.9
12時間~14時間未満 13 4.9
14時間以上 1 0.4

引用元:日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2024年3月実施)

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インハウスローヤーの年収の中央値

インハウスローヤーの年収の中央値は、1,000万~1,250万円の間とみることができるでしょう。

弁護士経験が5年未満ですと、年収が低く500万~750万円のボリュームが多いです。

弁護士経験が20年以上ですと、年収2,000万円から3,000万円のボリュームが多くなっています。

年収は、弁護士経験年数別・年齢別にチェックしてみるとよいでしょう。

弁護士経験5年未満と20年以上の年収比較
年収 弁護士経験5年未満の人数分布(人) 割合(%) 弁護士経験20年以上の人数分布(人) 割合(%)
250万円未満 0 0 0 0
250万円~500万円未満 2 5.7 0 0
500万円~750万円未満 16 45.7 0 0
750万円~1,000万円未満 11 31.4 0 0
1,000万円~1,250万円未満 2 5.7 0 0
1,250万円~1,500万円未満 2 5.7 0 0
1,500万円~2,000万円未満 2 5.7 0 0
2,000万円~3,000万円未満 0 0 7 46.7
3,000万円~5,000万円未満 0 0 6 40.0
5,000万円以上 0 0 2 13.3

参考:日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2022年3月実施)

インハウスローヤーの年齢別年収平均

弁護士経験年数による年収の差についてお伝えしました。インハウスローヤーで年収1,000万円を超えているのは、2022年のデータでみると54.4%です。

一般的にサラリーマンですと、年収1,000万円の壁が存在するというので、54.4%もの人が到達しているインハウスローヤーの世界は恵まれている環境だと言えるでしょう。

それでは、年代別にインハウスローヤーの平均年収を見ていきましょう。

20代〜30代前半の年収は500万円から750万円

日本組織内弁護士協会が実施した2022年調査によると、30歳未満の1,000万円プレーヤーは存在しません

しかし、30歳を超えたあたりから年収が増加します。

30歳未満インハウスローヤーの年収
年収 人数分布(人) 割合(%)
250万円未満 0 0
250万円~500万円未満 1 20.0
500万円~750万円未満 2 40.0
750万円~1,000万円未満 2 40.0
1,000万円~1,250万円未満 0 0
1,250万円~1,500万円未満 0 0
1,500万円~2,000万円未満 0 0
2,000万円~3,000万円未満 0 0
3,000万円~5,000万円未満 0 0
5,000万円以上 0 0

引用元:日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2022年3月実施)

30代の年収は500万円から1,250万円

30代においては、500万円~1,250万円のレンジが主流です。

年齢を重ねるごとに、徐々に年収帯が上昇しています。年齢とともに上昇傾向にあるのは仕事へのモチベーションに繋がるでしょう。

30代インハウスローヤーの年収分布
年収 30歳~35歳未満の人数分布(人) 割合(%) 35歳~40歳未満の人数分布(人) 割合(%)
250万円未満 0 0 0 0
250万円~500万円未満 2 3.3 0 0
500万円~750万円未満 29 48.3 12 14.5
750万円~1,000万円未満 17 28.3 34 41.0
1,000万円~1,250万円未満 9 15.0 18 21.7
1,250万円~1,500万円未満 1 1.7 7 8.4
1,500万円~2,000万円未満 2 3.3 7 8.4
2,000万円~3,000万円未満 0 0 4 4.8
3,000万円~5,000万円未満 0 0 0 0
5,000万円以上 0 0 1 1.2

参考:日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2022年3月実施)

性別×年代の傾向

企業内弁護士の男女比は、男性約6割、女性約4割で推移しています。

 

弁護士全体では女性比率が2割弱にとどまるのに対し、インハウスでは女性が約4割と高い水準です。ワークライフバランスを確保しやすい働き方が、女性弁護士のキャリア選択に影響していることがうかがえます。

 

年収面では、日本組織内弁護士協会のアンケートにおいて男女別の詳細な年収クロス集計が公表されています。全体傾向として、30代後半〜40代で男女間の年収差が開きやすい特徴があります。管理職比率の差が主な要因で、2025年調査では法務部門の管理職が回答者の44.8%を占めるものの、そのうちの男女比は男性に偏っています。

 

女性弁護士の場合、産休・育休を取得するタイミングで昇格ペースに差がつくケースがある点は意識しておく必要があります。ただし、企業の人事制度はここ数年で改善が進んでおり、復職後のキャッチアップ体制を整えている企業も増えています。転職時には、育休取得実績や復職後の昇格事例を確認すると、制度が実態として機能しているかどうかを判断しやすくなります。

 

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2025年3月実施)」

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士の男女別人数」

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経験年数・ポジション別で見る年収相場

インハウスローヤーの年収は、年齢だけでなく弁護士としての経験年数や社内でのポジションによっても大きく異なります。

 

ここからは、経験年数別・ポジション別の年収レンジと、見落としがちな弁護士会費の負担についても整理していきます。

経験年数で見る年収相場

日本組織内弁護士協会のアンケートでは、弁護士経験年数ごとの年収分布が公表されています。

 

経験5年未満は、500万〜750万円未満が最多で、次いで750万〜1,000万円未満が多く、年収1,000万円以上の割合は約17%にとどまります。法律事務所からの転職組であっても、企業の給与テーブルに合わせる形で初年度は控えめに設定されるケースが少なくありません。

 

経験5年〜10年未満になると、750万〜1,000万円未満が中心になり、500万〜750万円と1,000万〜1,250万円にも分散し始めます。このあたりから、担当業務の幅や専門性の深さによって差がつきやすくなる時期です。

 

経験10年〜15年未満では、1,000万〜1,250万円未満が最多層に入ります。500万円未満の回答者はゼロで、750万〜2,000万円未満のレンジに集中しています。管理職への昇格やM&A・ガバナンス領域の経験が、年収を押し上げる要因になっています。

 

経験15年以上になると、1,250万円超の割合がさらに高まり、役員・ジェネラルカウンセルクラスでは2,000万〜5,000万円以上に到達する人も出てきます。

 

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」

ポジションで見る年収相場

日本組織内弁護士協会が実施したアンケートでは、回答者のポジション構成は一般従業員(法務系部門)が33.6%、管理職(法務系部門)が49.1%、役員・ジェネラルカウンセルが9.4%となっています。

 

一般従業員クラスの年収は、500万〜1,000万円未満がボリュームゾーンです。法務部門以外に配属されている場合も同程度のレンジに収まることが多く、ポジションとしては入社直後〜数年目のインハウスローヤーが中心になります。

 

管理職になると年収は1,000万〜1,500万円未満に集中します。法務部の課長・部長クラスで、チームマネジメントや経営層へのレポーティングを担う立場です。管理職は回答者の約半数を占めており、インハウスローヤーの多くがこの層に位置しています。

 

役員・ジェネラルカウンセルクラスでは、2,000万円以上が珍しくありません。今回の調査では年収5,000万円以上の回答者が2.5%おり、そのほとんどがこの層に該当します。CLOやGCのポジションは外資系企業で特に報酬が高く、ストックオプションや業績連動賞与が加算されるケースもあります。

 

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」

弁護士会費の負担による年収の増減

弁護士会費は年間で数十万円かかります。所属する弁護士会によって金額は異なりますが、東京弁護士会の場合で年間約50万〜60万円、地方の弁護士会ではさらに高額になることもあります。日弁連の会費と合わせると、年間の負担は無視できない金額です。

 

日本組織内弁護士協会の調査では、87.4%のインハウスローヤーが「所属先が弁護士会費を負担している」と回答しています。つまり、大半の企業は弁護士会費を会社負担としており、これは実質的な年収の上乗せと同じ意味を持ちます。

 

逆にいえば、残りの12.6%は自己負担です。年収が同じ1,000万円でも、弁護士会費を会社が出してくれるかどうかで手取りは年間50万円以上変わる計算になります。求人票の年収だけでは見えにくい差なので、オファー比較の段階で必ず確認しておきたいポイントです。

 

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」

業界別の年収相場

インハウスローヤーの年収は、所属する業界によっても差が出ます。

 

同じ経験年数・ポジションでも、業界の給与水準や法務に求められる専門性の違いが報酬に反映されるためです。

 

ここからは、業界ごとの年収傾向と、スタートアップ特有の報酬設計について見ていきます。

業界別で差が出る理由

日本組織内弁護士協会のアンケートでは、業種別の年収分布が公表されています。金融業界の企業内弁護士は年収1,000万〜1,250万円未満が最多で、500万円未満の回答者はゼロです。メーカーでは500万〜1,250万円未満に幅広く分散し、年収1,000万円以上は約48%となっています。

 

業界で年収差が生まれる要因は、「業界の給与水準」「専門性」「外資系か日系か」の大きく3つが考えられます。

 

まず、業界全体の給与水準が要因の一つです。金融や総合商社はそもそもの報酬テーブルが高いため、法務担当者の年収も自動的に底上げされます。弁護士資格を持つインハウスであっても、基本的には企業の給与体系に組み込まれるので、業界の水準がそのまま反映されやすい構造です。

 

次に、法務に求められる専門性の深さも関係します。金融規制やファイナンス関連の法務は参入障壁が高く、対応できる弁護士の数が限られます。希少なスキルには相応の報酬がつくため、金融業界のインハウスは年収が高くなりやすい傾向があります。

 

3つ目は、外資系企業の存在です。外資系の金融・IT・製薬では、グローバルの報酬基準が適用されるケースが多く、日系企業よりも高い水準でオファーが出ることがあります。

 

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)別紙②」

スタートアップはSO込みでどう見るか

スタートアップのインハウスローヤーは、基本給だけ見ると大手企業より低いケースが多いです。年収600万〜800万円程度で提示されることも珍しくなく、額面だけで判断すると見劣りします。

 

ただし、スタートアップではストックオプション(SO)が報酬パッケージに含まれることがあります。IPOやM&Aで株価が上がれば、SOの行使益が基本給の数年分に相当する可能性もあるでしょう。年収の「天井」という意味では、大手企業よりも上振れの余地があります。

 

問題は、SOの価値が不確実だという点です。IPOに至らなければ行使できないまま無価値になるリスクがあり、確定した報酬とは性質がまったく異なります。SOを評価する際は、少なくとも以下の点を確認しておく必要があります。

 

  • 付与株数と行使価格
  • ベスティング期間(権利確定までの在籍条件)
  • 直近の資金調達ラウンドと企業評価額
  • IPOの具体的なタイムライン


SOを「年収の一部」としてカウントするなら、その企業のIPO確度をどの程度見積もるかが判断の分かれ目になります。確度が読めない段階では、基本給だけで生活設計が成り立つかどうかを先に確認するのが現実的です。

 

インハウスローヤーと法律事務所勤務の弁護士との年収比較

インハウスローヤーと法律事務所勤務の弁護士との年収を比較してみましょう。インハウスローヤーになるか、法律事務所勤務になるか、悩んだら参考にしてみてください。

四大法律事務所の場合

四大法律事務所の場合、水準はほとんど同じで入社1年目は1,100万円ほど、入社5年目は高いと2,000万円に到達すると言われています。中小規模事務所よりはるかに高い年収です。

ただし、四大法律事務所に入社するのは非常に狭き門です。弁護士全体(2025年12月1日現在)約4。7万人規模です。そのうち大手四大法律事務所に在籍できるのは合計して約1,800人だけです。

優秀な弁護士でないと採用されないので、法科大学院・司法試験・司法修習で常に優秀な成績を残したいところですね。

小規模事務所(いわゆる町弁)の場合

小規模事務所、いわゆる町弁の年収は減収傾向にあります。かつては、年収2,000万円~3,000万円というのも可能でしたが、今ではそうはいかなくなっています。

近年の弁護士増加により、少ないケースだと年収300万円もいるほど。しかし、それはまれなケースで、都心から離れれば年収400万円〜900万円前後が多いです。

中規模法律事務所の場合

中規模法律事務所ですと、600万円スタート、経験2年目から1,000万円ほどになる事務所が目安になっています。ただし、地域や規模によって差があるのであくまでも参考程度に留めていただきたいです。

中規模法律事務所でも、初年度から800万円以上の年収が出るところもあれば、300万円ほどで渋るところもあります。

独立・開業した弁護士の場合

やはり独立・開業した弁護士の年収には差がありますが、平均年収は、約1,400万円と言われています。インハウスローヤーや法律事務所勤務よりさらに収入アップを目指せるわけです。

しかし、独立・開業するとなると、顧客獲得も営業も自分でどうにかしないといけないので苦労が増えます。労力と年収が釣り合っているかどうかも判断材料にしたいところです。

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給与・仕事面におけるインハウスローヤーと法律事務所との差

2025年時点におけてインハウスローヤーは3,596名(2025年6月末時点)登録されています。インハウスローヤーの場合、弁護士登録を外しているケースも多くあるので、実際のところは2,500名ほどに達するでしょう。

2008年におけるインハウスローヤーは266名でしたので、急速に増加していることが分かります。

インハウスローヤーの採用数

引用元:日本組織内弁護士協会│企業内弁護士とは

目立つのは女性インハウスローヤーの活躍です。(2025年時点の統計では)インハウスは約41%が女性で、弁護士全体(会員数ベース)の女性比率は約21%です。弁護士全体では約2割だけが女性ですので、インハウスローヤーとして活躍している女性は多いと言えます。

インハウスローヤーと法律事務所勤務とでは給与・仕事面で差があります。自分に合った働きやすさを意識するなら、その違いを知っておきましょう。

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法律事務所勤務よりも年収は下がるの?

ケースバイケースではありますが、法律事務所からインハウスローヤーへ転職して年収が下がるケースはよくあります

インハウスローヤーになるなら、弁護士資格を持っていることは当然として、実務力や年齢および社会人経験年数のバランスを考えた上で、社内の他の社員との整合性を保たないといけません。

インハウスローヤーだけが突出してよい思いをするわけにはいかないのです。とはいえ、年収面において社内の他の社員よりも優位に立っていることが多い傾向があります。

また、インハウスローヤーの労働時間は比較的短く、その他弁護士会費の負担や社会保険、会社ごとの諸手当などを総合的に考えると、単純な年収だけをみてダウンと判断することはできないでしょう。

インハウスローヤーの就業時間とワークライフバランス

インハウスローヤーを選んだ理由として、ワークライフバランスを確保したかったから、という理由が多く挙げられます。

平均的な勤務時間を見てもさほど、大きな負荷はかかっていないように見えます。もちろん、仕事自体の大きな責任はあるかと思いますが、そもそもの勤務時間が多いとつらく疲弊してしまいます

会社所定の休日に出勤することが少ないのも魅力の一つでしょう。例えば、子育てしていると、保育園や幼稚園、学校などが休みになる日には都合をつけないといけません。

子育てや介護などのことを考えると、インハウスローヤーの生活は現実的かもしれませんね。

インハウスローヤーの平均勤務時間
平均勤務時間 人数(人) 割合(%)
8時間未満 30 11.4
8時間~9時間未満 87 33.0
9時間~10時間未満 83 31.4
10時間~12時間未満 50 18.9
12時間~14時間未満 13 4.9
14時間以上 1 0.4
土日祝日(または会社所定の休日)の勤務状況
休日出勤について 人数分布(人) 割合(%)
ほとんどない 209 78.9
月に1~2日程度 41 15.5
月に3~5日程度 14 5.3
土日祝日もほとんど出勤している 1 0.4

引用元:日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2022年3月実施)

法律事務所とは違う効率重視の法的業務

インハウスローヤーの業務のほとんどは、企業法務です。契約関連やコンプライアンス、社内からの法律相談対応などが主な業務内容です。

法律事務所とは違った効率重視の法的業務だと理解するとよいでしょう。一貫して主体的に案件をコントロールできるのはインハウスローヤーの醍醐味ですね。

しかし、一つの企業に留まらず、幅広い業界・会社の案件に携わりたい場合は、法律事務所勤務の方が向いているかもしれません。

一般民事事件対応がなく弁護士本来の経験が積めない

インハウスローヤーになると法廷に立つ機会がめっぽうないので、一般的にイメージされる弁護士業務を行えないことがほとんどです。

実際のところ、「ワークライフバランスを考えてインハウスローヤーを選んだが、弁護士らしさがなくなってしまった」と嘆く人もいます。

しかし、弁護士の仕事をどう位置付けるかはその人それぞれで個人差があります。インハウスローヤーであっても弁護士になるまでに身に付けた知識やスキルは十分活かせるでしょう。

副業・個人受任はできる?

日本組織内弁護士協会の調査によると、個人受任が「認められていない」と回答したインハウスローヤーは60.3%でした。認められている場合でも、実際に受任した経験がある人は11.2%にとどまります。企業側としては、利益相反や守秘義務の観点から個人受任を制限するケースが多いのが実情です。

 

一方、副業・兼業については約6割が「認められている」と回答しています。ただし、実際に副業をしている人は20.9%で、制度はあっても、実際には活用に至っていないケースが多いようです。副業の内容としては、講演や執筆、裁判所の調停委員、弁護士会の委員会活動などが挙げられます。

 

年収への影響という観点で見ると、個人受任が認められている企業であれば、本業の給与に加えて案件報酬を得られる分、実質的な収入は上がります。副業も同様で、セミナー講師や法律監修の依頼は弁護士資格があれば受けやすく、月に数万〜十数万円の上乗せが見込めます。

 

転職時に副業の可否を確認する際は、就業規則上の制度だけでなく、実際に副業をしている社員がいるかどうかも聞いておくと、運用の実態がつかみやすくなります。


出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」

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法律事務所からインハウスローヤーへ転職するには

インハウスローヤーと法律事務所勤務を比較して、インハウスローヤーの方に魅力を感じる人も少なくないでしょう。そこで、インハウスローヤーへの転職方法をご紹介します。

転職エージェントへ登録する

インハウスローヤーになるためには、まず転職エージェントへ登録することをおすすめします。ほとんどの求人が非公開案件ですので、転職エージェントに登録しないと、そもそも有益な情報を知りえません。

転職エージェントには無料で登録できるので、2~3社登録すると安心です。非公開求人情報を比較して、よりフィットするところをメインで使いましょう。

登録した後に「ちょっと合わないな」と思ったら、フェードアウトすることも十分可能ですので、気兼ねなく転職エージェントに登録してみてください。

転職エージェントに無料で相談

面談や履歴書の精査をする

転職エージェントに登録して、インハウスローヤーに求められるスキルを理解したら、自分の履歴書・職務経歴書の添削を行ってもらい精査するとよいでしょう。さらに、キャリアアドバイザーに模擬面談を実施してもらい、対策をとります。

履歴書・職務経歴書に書き慣れたり面談に慣れていたりする人はまれだと思うので、念入りにチェックを行いましょう。

全て自分で判断するのではなく、転職のプロのアドバイスを聞き入れた方が安心できます。必ずしも正解があるものではないので、ベストを尽くしましょう。

そういった点を考慮しても、転職エージェントへの登録は必須だと言えます。

インハウス求人は人気のため早めの行動が望ましい

インハウスローヤーは人気の求人ですので、気になったら早めの行動をとることをおすすめします。「今週は忙しいから、来週になってからキャリアアドバイザーに連絡しよう」と思っていてもすぐに席が埋まってしまうことはよくあります。

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インハウスローヤーに求められるスキル

また、インハウスローヤーに求められるスキルがあります。さまざまなスキルがあるとよいに越したことはないのですが、特に必要な3つのスキルについて解説します。

会社特有の業務知識

インハウスローヤーは、企業に在籍するわけですので、会社事情に詳しくなければいけません。例えば、研究・開発に特化した化学企業ならば高い専門性が求められるでしょう。

もちろん、最初からその知識を持ち合わせている弁護士は少ないです。働く中で徐々に習得していく必要があります。

難関の司法試験をクリアした人ばかりなので、問題ないかもしれませんが、勉強好きでないと苦しいかもしれません。

高いコミュニケーション能力

インハウスローヤーとして働くとなると、法律に詳しくない人との交流が多くなります。社内で出た法律相談がまさにそうでしょう。

法律に詳しくない人に正確な情報を伝えるのはなかなか困難です。そのために必要なのが、高いコミュニケーション能力です。社内外の人との交渉・相談をするので必要不可欠なスキルです。

ネイティブと渡り合う語学力

海外進出を図ったり、海外の会社と取引したりする企業のインハウスローヤーになるのなら、ネイティブスピーカーと渡り合えるだけの語学力が求められます。

企業によっては、当たり前のように英語資料を読み込むように言われることもあります。翻訳機能の付いたソフトもありますが、どこまで正確か計り知れません。その業務に割ける時間は限りがあるので、スピード感を持って対応できる力が必要です。

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インハウスローヤーの年収に関するよくある質問

インハウスローヤーの年収については、転職前の段階で気になるポイントが多く出てきます。

 

ここからは、よく寄せられる疑問に対してひとつずつ回答していきます。

インハウス未経験でも高い年収は出ますか?

法律事務所での実務経験があれば、インハウス未経験でも750万〜1,000万円程度のオファーは出ます。

 

企業側が見るのはインハウス経験の有無よりも、契約法務やM&Aなど即戦力になれる領域の経験です。

 

年次よりも「何ができるか」で評価されるため、職務経歴書で担当業務と実績を具体的に示すことが年収交渉の材料になります。

弁護士会費・研修費は会社負担ですか?

日本組織内弁護士協会の調査では、87.4%のインハウスローヤーが弁護士会費を所属先に負担してもらっています。

 

年間50万〜60万円程度の費用が自己負担か会社負担かで手取りに直結するため、オファー比較の際には必ず確認すべき項目です。

 

研修費についても、外部セミナーや弁護士会の研修参加費を会社が負担する企業は多いですが、制度の有無と利用実績は企業ごとに差があります。

 

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」

転職直後に年収が伸びる人と伸びない人の違いはありますか?

伸びる人に共通するのは、企業側が埋めたいポジションの要件に対して経験がピンポイントで合っていることです。

 

M&Aや国際契約、金融規制など希少性の高い領域の経験がある人は、給与テーブルの上限に近いオファーが出やすく入社後の昇給も早い傾向にあります。逆に、汎用的な契約レビューの経験だけだと、企業側の標準的なレンジに収まりやすく、交渉余地も限られます。

 

年収を伸ばすには「替えが利かない経験」を活かして活躍できるかどうかが分かれ目です。

外資系vs日系、年収が高いのはどちらですか?

額面で比較すると外資系のほうが高い傾向があります。

 

グローバルの報酬基準が適用されるため、同じ経験年数でも日系企業より200万〜500万円ほど上振れするケースは珍しくありません。特に外資系金融やテック企業では、ベース給に加えてサインオンボーナスやRSU(譲渡制限付き株式)が付くこともあります。

 

ただし、外資系は業績連動の比率が高く、リストラクチャリングの影響を受けやすい面もあるため、安定性まで含めて比較する視点が必要です。

法務部長・CLOクラスの年収上限はいくらですか?

日本組織内弁護士協会の調査では、役員・ジェネラルカウンセルの回答者のうち年収3,000万〜5,000万円未満が5.1%、5,000万円以上が2.5%でした。

 

日系大手の法務部長で1,500万〜2,500万円程度、外資系のCLO・GCクラスでは3,000万〜5,000万円超も視野に入ります。

 

このクラスになると基本給だけでなく業績連動賞与やストックオプションの比率が大きくなり、年によって総報酬に数百万〜数千万円の振れ幅が出ることもあります。

 

出典:日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」

地方勤務による年収の「地域格差」はありますか?

企業の給与テーブルが全国一律であれば地域差は出にくいですが、地域手当や勤務地限定制度を設けている企業では東京勤務のほうが年収ベースで数十万円高くなることがあります。

 

一方、地方は生活コストが低いため、可処分所得で見ると差が縮まるケースも多いです。

 

インハウスローヤーの求人は東京に集中しているため、地方勤務を希望する場合は選択肢自体が限られる点も考慮に入れる必要があります。

法律事務所へ戻る際、年収は上がりますか?

インハウスから法律事務所に戻る場合、年収が上がるか下がるかは戻り先の事務所規模と本人の専門性次第です。

 

大手事務所にカウンセル弁護士のようなポジションで戻れれば年収は上がることが多い一方、中小規模の事務所では横ばいか下がる可能性もあります。事務所側が評価するのは、インハウス時代に培った業界知識やクライアントリレーションです。

 

特定業界の規制対応やM&A実務に精通していれば、即戦力として高い条件が提示されやすくなります。

LL.M.やMBA保有で年収は上乗せされますか?

学位そのものに対して年収を上乗せする企業は多くありません。

 

ただし、LL.M.取得に伴う英語力や海外法務の知見、MBAで得た経営視点は、結果的に年収の高いポジションへのアクセスを広げます。外資系企業やグローバル案件を多く扱う企業では、LL.M.保有者を優先的に採用する傾向もあります。

 

年収に直接反映されるというよりも、より報酬水準の高いポジションに就ける確率が上がる、という理解が実態に近いです。

インハウス特有の「裁量労働制」と給与は関係ありますか?

裁量労働制が適用されている場合、みなし労働時間に基づく固定の賃金が支払われるため、残業代の変動がなくなります。

 

結果として、残業が多い月でも給与は変わらず、逆に少ない月でも減りません。残業代込みで年収が設計されている点を理解しておく必要があります。

 

求人票に記載された年収が「裁量労働制でみなし残業を含む」のか「所定労働時間+別途残業代支給」なのかで、同じ額面でも実質的な時給は大きく変わります。

「年収交渉」はどのタイミングでするべきですか?

最も効果的なのは、内定後のオファー面談の段階です。選考中に年収の話を持ち出すと印象を損なうリスクがありますが、オファーが出た後であれば企業側も条件調整に応じやすくなります。

 

交渉材料としては、現職の年収水準、希少スキルの有無、他社オファーとの比較が有効です。

 

自分で直接交渉しにくい場合は、転職エージェントに代行してもらうのも手です。

 

まとめ

インハウスローヤーの年収は法律事務所勤務に比べると若干少なることがありますが、1日8時間~10時間ほどの健全な労働環境で、さまざまな会社員としてのメリットを享受できるので魅力的な職業の一つです。総合的に考えると、かなり充実した生活を送れるのではないでしょうか。

今回、この記事でご紹介した年収は参考程度に、一つ一つの求人と向き合ってみてください。あなたにとってベストな選択ができますように。

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