弁護士に英語力は必要なのでしょうか。弁護士はそもそも法律という専門性を持っている人でもあるので、必ずしも英語力は必要ないようにも思えます。

しかし、弁護士の活躍のフィールドは年々広がってきており、法律事務所の採用フォームにおいても、TOEICなど英語能力試験のスコアの記載を求める法律事務所は増えてきています

この記事では、弁護士に英語力は必要か、どんな弁護士に英語力が求められるのかなどを検討してみたいと思います。

 

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弁護士の業務において英語力は必要か?

弁護士の業務においては、営業力が必要な業務とそうでない業務があります。まずはどのような状況で英語が必要になるのかを確認しましょう。

一般民事事件で英語を使うタイミングは少ない

交通事故や離婚、相続などの一般民事事件において英語を使うタイミングは少ないといえるでしょう。

これらの法律の適用対象になるのは、基本的に日本法です。また、関係者も日本人同士であることが多いです。依頼者とのコミュニケーションにおいて英語が必要になる場面もわずかであるといえるでしょう。

渉外案件に関わるなら必須

渉外案件とは、一般に、企業法務などにおいて外国など国際性のあるビジネスに関わる案件を指す言葉です。

海外の会社から買収されたり、逆に海外の子会社を作るために買収したり、海外の企業と契約書を英語で締結したりすることがあります。

このような場合、適用対象となる法律は現地法であり、必ずしも日本法ではないといえます。加えて、英語で書かれた契約書の内容は純粋に日本語に直訳した場合では正確に理解できないことがあります。国が違えば考え方や解釈の仕方も異なるためです。

また、紛争が発生した場合も、日本における裁判所で裁判は行いません。例えばシンガポールにある仲裁機関で紛争を解決することなどが考えられます。

このように、渉外に関わる弁護士であれば、英語能力は必須であるといえるでしょう。

英語は今後は必要とされるシーンも増える

渉外案件でなくとも、今後は英語力が求められていく場面が増えると予想されています。

例えば、国内のドメスティックな業務を中心に行う会社であっても、材料の仕入先などに中国などの海外国が絡んでおり、これらの海外の企業とトラブルになるケースは多いといえるでしょう。

また、外国人労働者の増加によって、クライアントが外国人になることも考えられます。

企業と関わらない一般民事事件であっても、外国人と結婚した際の国際離婚問題や親権の扱いなど、英語力が必要となる様々な案件が必要であるといえるでしょう。

弁護士になる際に最初から英語ができなければいけないわけではありませんが、日々の業務だけを行うのではなく、英語の勉強は継続して行うとよいでしょう。

弁護士の英語力とはどの程度?

弁護士の英語力は、弁護士によって様々であり、一概にいうことはできません。

一般民事事件を主に取り扱う法律事務所であれば、業務において必要な英語力は必ずしも高くないといえるでしょう。

一方、大規模法律事務所と呼ばれる企業法務を主とする法律事務所や、一部の有力な中規模法律事務所においては、確かな英語力が必要です。そこで、新人弁護士が入所して4~5年目を目安に留学に行かせたり米国などのロースクールに1年通わせてニューヨーク州等の弁護士資格を取得させたりします。その後1年間海外の法律事務所で研修させることが多いです。

そのため、海外のロースクールに進学し、アメリカの司法試験に合格可能で、海外で一定の仕事ができるレベルの英語力を身に着けている弁護士も少なくはありません。

ただし、このような弁護士であっても、ネイティブと同様に会話できる英語力を持っていることは難しく、相手もからネイティブと同様の英語力を持っていることが求められる場面は多くないといえるでしょう。

上記のように、新人弁護士は大手法律事務所や渉外法律事務所であれば、留学して経験を積み、英語力を高めるというステップがあります。

もちろん最初から英語力が高いに越したことはありませんが、英語力が高くないからといって大手法律事務所や渉外法律事務所に入れないということはなさそうです。むしろ中途採用であれば、英語力はほぼ必須要素と考えるべきです。

英語スキルのある弁護士は顧問契約も取りやすい

英語スキルがあれば、英語での契約書レビューなども行うことが可能です。多くの企業は日常的に何らかの形で英語に関わっています。

そこで、契約書レビューなど、英語に関わる案件が出てきたのに、「私は英語案件できません」と断る弁護士であっては、日常的に仕事を依頼し続けることは難しくなってしまうといえるでしょう。

顧問契約は、日常的な法律相談も行うことを前提にすることが多いため、使い勝手の悪い法律事務所であれば、顧問契約を継続してもらえず切られてしまう可能性があります。

逆に言えば、英語能力を高めて日常的に法律相談をしやすい使い勝手の良い法律事務所であればあるほど、顧問契約も取りやすいと言えるでしょう。

弁護士の転職・キャリア形成に英語力は役立つのか?

弁護士の転職・キャリア形成に英語力役立つかは、どのような弁護士像を目指し、どのような弁護士像が求められる法律事務所で務めるかによって異なります。

企業法務への転職を考えているなら重要

企業法務への転職を考えているのであれば、英語能力が高いことは重要といえるでしょう。企業法務を主として扱う法律事務所に英語案件がないことは珍しいと考えられます。

高い英語力があれば、即戦力として案件に参加できることが期待できます。

逆に英語力がないと、転職先として選べる企業の選択肢がかなり少なくなってしまいます。グローバル化が進行し続けている現代では日本の企業が外国の企業とやりとりをする機会は大いにあります。自身の価値を高めるという意味でも英語力はほぼ必須と考えたほうがよいでしょう。

渉外法律事務所への転職なら必須

海外案件を主に扱う渉外法律事務所は、英語は業務の上で必須のツールといえるでしょう。

そもそも渉外法律事務所では外国人の弁護士が在籍していることも多く、法律に関することだけでなく、日常会話から英語を用いることもよくあります。

よって英語が嫌いな人は、渉外法律事務所において勤務することは難しいといえます。もちろん、渉外法律事務所であってもすべての案件が英語案件であるとはいえません。

もっとも、あえて英語ができず参加できる案件に限定が加えられる弁護士を中途で採用するためには、その弁護士に英語以外の高い専門性があることを期待されることになるでしょう。

いずれにせよ、国際的なやりとりが業務の中心となっている渉外法律事務所には、英語力に自信がない場合は避けたほうがよさそうです。

ただし、多くの法律事務所では、英語能力よりも法律などの実務能力を求めています。若手弁護士であれば、後に法律事務所の支援によって留学などを行い、そこで英語能力が習得できれば十分といえます。

また、中堅以上の経験弁護士であれば、英語能力の有無よりも、どれだけの顧客を獲得できるか(≒法律事務所の売上にどれほど貢献できるか)が重要視されるため、英語が必ずしも必要条件になるとは限りません。

参考:中途採用 | 専門家採用 | 採用情報 | ベーカー&マッケンジー法律事務所

M&A・IPO案件に携わりたいなら高い方が良い

企業法務において、M&AやIPO案件に関わりたい方であれば、高い英語力を有していたほうが良いでしょう。

M&Aにおいては、買収先の会社が海外の会社であることや、または海外の会社から買収されることもあるため、英語力が必要です。

また、国内の会社同士の合併案件などであっても英語力は必要です。

買収を行う場合には、買収先の会社にリーガルリスクがないかを確認するため、買収先の会社から取引などでの契約書類を提出してもらい、法律上問題がないかをチェックする作業(デューデリジェンス)を行います。

買収先の会社が国内であっても、原材料などの仕入れなどにおいて海外の会社と契約していることがほとんどであるため、結局英語力がなければ案件に対処できないことになります。

英語対応ができる弁護士の年収は高い?

英語対応ができる弁護士の年収は、英語ができない弁護士と比較して年収が高くなる可能性があるといえるでしょう。

パートナー弁護士であれば、自分が営業して獲得できる案件の幅が広がるため、より好条件の案件を獲得できるために大きな武器になるといえるでしょう。パートナー弁護士は経営者という立場です。

英語力がないとクライアントがほぼ日本国内に限定されてしまい、法律事務所の経営が難しくなります。パートナーへの昇進を考えているアソシエイト弁護士は、経験を積むという観点以外でも積極的に海外留学に行ったほうがよいといえます。

アソシエイト弁護士であれば、英語ができれば、英語の必要な案件が自分に集まるようになり、多くの経験を積むことができます。このスキルアップにより、さらに案件が集まるようになるという好循環が生まれます。

法律事務所の給料制度にもよりますが、良い経験を積むことができるだけでなく、ボーナスなどでの待遇面も期待することができるでしょう。もちろんパートナー弁護士への昇進のための良い判断材料にもなることでしょう。

参考として、英語能力と転職市場で示される条件を表で示します。

募集内容 給与 条件
経験弁護士 400~800万程度
※個人受任可
<歓迎要件>
・英語能力
弁護士 500~700万円 <必須要件>
・英語能力(国際案件に関心および向学心があることは必須)
※現時点で英語使用経験のない方は、英語に対しての高い意欲は必須となります
弁護士 400~600万円
※個人受任可
<歓迎要件>
・英文契約書レビュー経験者
弁護士
(アソシエイト)
500~750万円 英語について特になし
弁護士 480万円以上 英語について特になし
弁護士 500万円~
※経験を考慮し応相談
英語について特になし
弁護士 700~1,100万円 英語について特になし

(※ジュリナビキャリア参照)この表からは、英語能力が条件となっているかいないかで、転職市場における給与には有意差がないといえるでしょう。

弁護士は、法律事務所や個人によって働き方や仕事内容が全く異なるため、英語の条件だけで年収を比較することは難しいといえます。

英語力を磨くならまずはTOIEC800点以上を目指そう

弁護士が一般民事事件で英語を使うタイミングは、現在はあまり多くはありませんが、渉外案件に関わるなら必須です。

また、一般民事事件においても、今後は国際結婚や外国人労働者の増加など、必要とされるシーンも増えるといえるでしょう。

弁護士の英語力は、弁護士次第であり、一概にいうことはできません。必ずしも新人弁護士に求められる英語の水準は高くないといえるでしょう

他方、英語スキルのある弁護士は顧問契約も取りやすく、弁護士としての経験を重ねるほど英語の能力が求められる場面が増加していく可能性があります。

弁護士の転職・キャリア形成に英語力は役立つといえるでしょう。

まとめ

企業法務への転職を考えているなら重要ですし、渉外法律事務所への転職なら必須です。特に、M&A、IPO案件に携わりたいなら英語力は高い方が良いといえるでしょう。

また、これらの英語力の高さは、業務の幅広さにもつながり、結果として弁護士としての年収増にもつながるでしょう。

もっとも、これらの英語力は、法律事務所入所後に留学などの経験や海外案件をこなすことによって、弁護士をしながらその成長を見込むことが可能です。まずは、弁護士としてどのような経験を積むかを中心にキャリアを考えていくのが良いといえます

もし、英語力を磨くのであれば、まずは英語が苦手でないことが伝わるTOEIC800点を目指すと良いと思われます。