転職を考え始めるきっかけは人それぞれですが、弁護士としての今後を見据えたとき、本当にこんな理由で転職をしていいのか、不安を覚える人は少なくないのではないでしょうか。

近年はネットやSNSの発達により、情報収集が容易になった影響もあって、他の弁護士の視座が高い言動が目につきやすいのも、不安を増大させる要因かもしれません。

転職を経験した弁護士がどのような理由で、実際に勤めていた事務所や企業を辞めたのか、気になりますよね。

この記事では、弁護士に多い転職理由5つと理由別でみる事務所・企業選びのポイントを解説します。

また転職すべきか判断する際に考慮したほうがよいポイント、履歴書や面接での転職理由の伝え方なども合わせて解説するので参考にしてみてください。

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弁護士に多い転職理由5つ

仕事にやりがいがある一方で、身体的・精神的負担が大きいのが弁護士業の特徴といえます。

そのような就業環境において、弁護士はどういった理由での転職が多いのか確認していきましょう。

職場の人間関係に問題があるから

一般の転職において職場での人間関係が理由に挙げられることは多いですが、弁護士とて例外ではないです。

むしろ、弁護士は環境的に人間関係での問題に直面しやすい傾向にあるかもしれません。

 というのも、法律事務所は大半が小規模です。企業と違って人間関係で問題が起きた際に異動という手段が取れないので、転職か我慢の二択になります。

また、弁護士には特徴的、癖が強い方が少なくないため、人間関係の構築が難しい側面があるのは否めません。

では、インハウスであれば人間関係の問題が起こりづらいかというと、そうとは限らず、法律事務所で優秀な人材に囲まれていた場合、能力的な部分で面食らうこともあるようです。

ワークライフバランスを確保したい

労働集約型のビジネスである弁護士業は、稼ごうとすると、ワークライフバランスを犠牲にしないといけないことがしばしば

若いうちならまだ何とかなると思えるのですが、何十年も同じ働き方を続けるのは考えられないと感じる方は少なくないようです。

年収を上げたい

年収アップを目的に転職を行う方も当然います。

前述したワークライフバランスとも関わりますが、労働の対価に見合った収入が得られていれば、負担の大きい仕事も我慢できるものです。

しかし、仕事の大変さに見合っていないと、労働時間と収入で二重にストレスがかかるため、転職を決断してしまうのも無理はないでしょう。

スキルアップ・異なる分野の経験を積みたい

司法制度改革以降、弁護士数が大幅に増えたことで、資格を持っているだけで安泰であった時代は終わりつつあり、業界内での生き残りをかけた競争は激しくなっています。

弁護士数推移2020年

引用元:弁護士数の推移|弁護士白書2020年

現時点では仕事に不自由がなくとも、10年後、20年後を見据えた際、現状のスキルや経験のままだと、市場から淘汰されてしまうかもしれません。

そうした不安から、より専門性が高められる、市場価値の高いスキルが身につけられる職場へ、売り手市場である現在に動いておこうという方は多いようです。

仕事内容が合わない

就職・転職したものの、仕事内容が合わなかったというのも、よくある転職理由の一つ。

特に弁護士業界では、採用側のほうが力関係で圧倒的に上回る状況が長年続いていたため、採用時の情報公開・共有が不足していることが少なくありません

社会人としての経験が豊富な方であれば、事前に聞き出すことも難しくないでしょうが、修習生や新人弁護士には至難の業です。

結果、マッチング状況が不透明なまま入所することになり、案の定ミスマッチを起こしてしまいます。こうしたミスマッチを理由とした短期離職は意外と多めです。

転職理由別でみる事務所・企業選びのポイント

転職活動の際、条件面に気を取られて、本来の転職理由をつい忘れてしまいがち。

良い条件で働けるに越したことはありませんが、本来の悩みや不安が解決できなければ、転職に成功したとはいえません

新しい職場でも同じ不満を抱えてしまい、再度転職活動をしなければならないということもあり得ます。

時間を無駄にしないためにも、転職理由に合わせた法律事務所や企業選びのポイントを確認しておきましょう。

ワークライフバランスを実現したい場合

インハウスに関して

ワークライフバランスの実現に関しては、基本的にはインハウスで働くほうが達成しやすいといえます。

雇用契約であるのに加え、働き方改革の要請や時代の流れを鑑み、36協定を遵守する企業が増加。

繫忙期や急な人員不足など、特別な事情がない限りは、残業上限の45時間を超えることは少ないでしょう

ただし、コンサルティング業界やM&A業界で働く場合は、この限りではないので注意が必要です。

法律事務所に関して

他方、法律事務所勤務でもワークライフバランスを実現したいと、考える人もいるかもしれません。

その場合、アディーレ法律事務所やベリーベスト法律事務所など、いわゆる新興系と呼ばれる事務所は一つの狙い目

一般的な法律事務所とは異なり、業務を効率的に回せるようシステムが構築されているため、ワークライフバランスを実現しやすいです。

新興系以外の法律事務所でワークライフバランスを実現したい場合、面接時にその旨を伝えた上で採用してもらうか、信用を勝ち取って自由に働くかです。

基本、事務所勤務の場合は働き方にある程度の裁量が与えられていることが多く、業務さえしっかりとこなしていれば、あとは好きにしてと考えるボスも少なくありません。

なので、逆に身を粉にして働ける事務所を探し、信頼を得たうえでワークライフバランスを充実させるのも一つの選択肢といえるでしょう。

年収アップさせたい場合

転職で年収アップを実現させるための鉄則は、自身のスキルや経験を高く評価してくれる環境に移ることです。

ご自身が現在もらっている年収は、その職場内での賃金体系に基づき支払われているだけであって、必ずしもスキルや経験に即している金額とは限りません

事務所や企業からみて特別注目するスキルや経験でなければ評価は上がりませんし、そもそも事業規模によっては、存分に給与を支払うことが難しいことも。

なので、年収をアップさせたい場合は、自身のスキルセットに対して高く評価してくれる、かつ、事業が順調な職場を探すことが大切です。

スキルアップを実現したい場合

まず前提として認識しておきたいのは、スキルアップを目的とした転職(特に未経験分野)が難しいということです。

基本的に中途採用で募集するのは即戦力。新卒採用と違って、手取り足取り教えることは想定していないため、教えてほしいというスタンスの方は避けられがちです

では、どうすべきかというと、自身が職場に貢献できることを示す必要があります。

例えば、法律事務所の場合、既存の案件とは違った分野を開拓することを目的に、中途採用を行うことがあります。

この場合、高く評価されるのは事務所の主要分野と違う経歴の持ち主です。

なので、自身の経験を駆使して事務所に貢献できることを示しつつ、スキルアップのため異なる経験も積みたいなどとアピールすることが考えられます。

もちろん、専門性以外にも事務処理能力や起案能力などでもアピールできるため、とにかく貢献できることを示しましょう

自分に合う職場を見つけたい場合

人間関係に関して

転職前に職場の人間関係を調べる方法は二つ。一つは転職エージェントを利用することです。

転職エージェントは採用責任者とこまめにコミュニケーションを図り、紹介した人が職場の雰囲気にマッチするかどうかの確認を取っています。

ミスマッチは採用側と転職エージェントにとってマイナスにしかならないので、噓をつくメリットはなく、本音ベースの回答がもらえるでしょう。

二つ目は、採用担当以外の人と面談させてもらうことです。

採用は求職者に対する営業活動ともいえ、当然採用担当は人当たりよく対応を行います。

いわばお客様向けの顔の可能性があるため、必ずしも職場の実態をつかめるとは限りません

なので、採用担当以外の人とも面談の機会を設けてもらい、さらに職場の雰囲気について情報収集を図ることが大切です。

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仕事内容に関して

現状、中途採用者向けのインターンシップはほとんど行われていないため、仕事が合うかどうかは実際に働いてみて確かめるしかありません。

なので、転職活動を始める前に自己分析をしっかりと行い、少なくとも自身が向かないと感じる仕事・業務をはっきりさせておきましょう

向かない仕事を避けるだけでも、転職で失敗する可能性を減らせるはずです。

弁護士が転職すべきか判断する際に考慮したほうがよいポイント

仕事をしていて隣の芝生が青く見えてしまうのはよくあることです。

もちろん、本当に他の職場で働くほうが合っているかもしれませんし、現職が最適かもしれません。

状況次第で成功・失敗のどちらにも転ぶ可能性が誰にでも起こり得るため、迷っている場合に安直な判断は危険です。

この項目では、転職すべきか判断する際に考慮したほうがよいポイントを紹介します。

経験年数について

採用側からみると、基本的に短期離職がマイナスの要素であることは間違いありません。

採用にあたってお金や労力をかけている以上、なるべく定着してほしいと考えるのは普通のことです。

短期離職の経験がある場合、何か不満を感じたらすぐ辞めてしまいそうな気がして、採用に一歩踏み出しづらいといえます。

また採用基準として、分野経験2~3年を設ける職場は少なくありません。経験年数が足りない場合、内定が出る可能性はかなり下がります。

そのため、経験年数が少ないなかでの転職は選択肢が狭まることは、認識しておいたほうがいでしょう。

インハウスと法律事務所の違いについて

近年では安定した環境での勤務に憧れて、インハウスを目指す方も少なくないでしょう。ただ事務所勤務と違って融通が利かない部分もあるので注意が必要です。

例えば勤務時間ですが、法律事務所では比較的自由に決められますが、インハウスの場合、定時勤務が通常。

始業時間に合わせるのはもちろんこと、夜間勝手に残業というわけにもいかないので気をつけましょう。

また給与に関しても、企業の場合、基本的に賃金テーブルのなかで、社内でのバランスを考慮して決められるケースが大半です。

法律事務所で働く場合とは年収の伸びが違う点は認識しておく必要があるでしょう。

転職以外の選択肢について

弁護士の場合、職場を辞める手段は転職だけではなく、独立も考えられます。

確かに独立は転職以上に大変ではありますが、自らの判断で動ける分、気楽な側面もあります

もちろん、いきなり独立は大変だと思うので、すでに独立している先輩や同期の弁護士に話を聞いてみるとよいでしょう。

また大規模事務所や企業に勤めている場合は、異動や出向も選択肢として考えられます

おそらく、そうした職場に勤めている場合、待遇に満足されている方も多いと思うので、下手に転職するよりもリスクを抑えられるでしょう。

履歴書や面接での転職理由の伝え方

履歴書や面接での転職理由の伝え方にはいろいろと考えられますが、基本的には本音ベースで伝えることをおすすめします。

というのも、理由はいくつかあって、一つは下手に偽っても誤魔化しきれない可能性があるからです。

採用側が履歴書や面接で確認したいことをおおまかにいうと、

  • 「自事務所(自社)で何をしたいのか」
  • 「自事務所(自社)にどんなことで貢献できるのか」
  • 「ウチの風土や雰囲気に合うか」

の三点です。

さまざまな質問も最終的にはこの三点に行きつくわけですが、変に転職理由を作ってしまうと、内容に一貫性がなくなり、不審がられてしまいます

またマッチングを重視するうえでは、正直に話すのが一番。

どんな優秀な人でも合わない職場では力を発揮できないので、本音を話したうえで採用してくれるところを探しましょう。

ただし、正直に話すといっても、悪口や不平不満とならないよう注意が必要です。あくまで淡々と事実だけを伝えましょう。

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まとめ

弁護士に多い転職理由は主に以下の5つ。

  • 職場の人間関係に問題があるから
  • ワークライフバランスを確保したい
  • 年収を上げたい
  • スキルアップ・異なる分野の経験を積みたい
  • 仕事内容が合わない

必ずしもスキルや経験を積みたいなどのポジティブな転職理由ばかりではなく、弁護士といえども職場への不満が理由で転職を考えることは少なくありません。

むしろ、大事なのはポジティブな理由であろうとなかろうと、転職は可能ということです。

実際、当社でご支援した弁護士の方の中にも、人間関係やワークライフバランスなどで悩んでいたケースは少なくありません。

しかし、皆さん納得いく職場を見つけられて、新しい環境で活躍されています。

もし現在、職場や弁護士業そのものに関して悩みや不安を抱えており、転職を考えているのであれば、ぜひ当社にご相談ください。

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