こんにちは、弁護士特化の転職エージェント『NO-LIMIT』です。

若手弁護士を中心に、弁護士業界でも注目を浴びている企業内弁護士(インハウスローヤー/以下インハウス)。

法律事務所で培った法務に関する知識を発揮して、企業内で予防法務・戦略法務キャリアを築きたいと考えている弁護士の方には、ぜひチャレンジをおすすめするポジションです。

インハウスへの転職は、報酬面や待遇にも期待できるというだけでなく、企業のグローバル化やコンプライアンスに関する世間の関心が高まっていることもあり、将来性があると見込まれています。

本記事は、弁護士専門の転職支援を行うNO-LIMITの編集部が、インハウスと法律事務所で違う働き方、インハウスへの転向を見据えた転職活動の方法を解説。

また、NO-LIMITは『日本組織内弁護士協会』の公式スポンサーです。昨今のインハウス事情や転職市場において弁護士が活躍できるスキルや経験などを詳しくご紹介します。

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目次

企業内弁護士・インハウスローヤーの推移

これまでの弁護士の一般的な勤務場所といえば、弁護士事務所であることがほとんどでした。

しかし、企業のグローバル化やコンプライアンスに対する世間の関心が高まった現在、社員や役員として働くインハウスを採用したい企業が増加しています。

弁護士側としても、法律事務所からインハウスへと転職をする弁護士が増加しています。

組織内弁護士の推移

出典:日本弁護士連合会|企業内弁護士数の推移(2001年~2021年)

こちらは、企業内弁護士数の推移を現したグラフです。2008年からインハウスとして活躍する弁護士の数は徐々に増加し、2018年には2,000人を突破。2021年の全国登録弁護士数43,152人中、企業内弁護士は2,820人という数字が出ています。

また、インハウスの男女内訳にも注目です。

日本組織内弁護士協会が2021年に公表している、企業内弁護士の男女別人数を見ると、2020年6月時点で42,135人が弁護士として登録されていますが、その中の2,629人がインハウスで、男女内訳は以下の通りです。

  • 男性:1,560人
  • 女性:1,069人

男性色が強いインハウスですが、女性のインハウスの活躍も非常に目覚ましく、2009年以降は爆発的に増加しています。

  女性 男性 合計
2001年 9月 13 19.7% 53 80.3% 66
2002年 5月 18 22.5% 62 77.5% 80
2003年 3月 23 25.8% 66 74.2% 89
2004年 3月 29 26.4% 81 73.6% 110
2005年 5月 30 24.4% 93 75.6% 123
2006年 6月 47 32.2% 99 67.8% 146
2007年 6月 71 37.8% 117 62.2% 188
2008年 6月 97 36.5% 169 63.5% 266
2009年 6月 122 34.5% 232 65.5% 354
2010年 6月 157 36.7% 271 63.3% 428
2011年 6月 229 39.0% 358 61.0% 587
2012年 6月 311 40.3% 460 59.7% 771
2013年 6月 390 40.9% 563 59.1% 953
2014年 6月 482 40.9% 697 59.1% 1,179
2015年 6月 583 40.4% 859 59.6% 1,442
2016年 6月 689 40.4% 1,018 59.6% 1,707
2017年 6月 764 39.6% 1,167 60.4% 1,931
2018年 6月 869 40.3% 1,290 59.7% 2,159
2019年 6月 982 40.6% 1,436 59.4% 2,418
2020年 6月 1069 40.7% 1,560 59.3% 2,629
※2020年6月に弁護士登録されている全弁護士42,135名のうち、女性弁護士は7,739名(19.1%)

この様に、弁護士の中にもキャリアアップのために一度弁護士事務所勤務を経験してからインハウスへ志願する、というケースも増加傾向にあります。

 

インハウスローヤーの仕事とは|法律事務所と一般企業で働く際の業務の違い

インハウスと法律事務所での働き方には、大きく分けて業務内容と報酬待遇において2つの違いがあります。

業務内容の違い

インハウスと法律事務所での勤務には、業務内容に大きな違いがあります。インハウスと法律事務所での業務の違いをそれぞれご紹介します。

法律事務所での主な業務

法律事務所での業務内容は、主に下記の内容です。

  1. 企業法務、刑事事件、一般民事事件、家事事件
  2. 訴訟対応、顧問弁護士先対応 など

上記のように法律事務所での業務は、クライアント側の問題を解決する臨床法務と呼ばれる働き方が一般的で、案件処理能力が期待されています。

個人受任が、基本的に認められているところが特徴です。また、仕事で使用する言語も日本語で問題ない場合が多いのも、法律事務所の顧問弁護士の特徴です。

インハウスの主な業務

一方インハウスは、企業に採用される弁護士のため、業務内容は下記のように変化します。

  1. 一般企業法務
  2. 契約書の作成、審査、交渉
  3. サービスの利用規約の作成、審査
  4. サービスの企画、運営に対する法的支援
  5. 子会社管理(取締役会、株主総会の運営含む)
  6. 株主総会対応
  7. M&Aの法務対応(DD対応、PMI時の買収先出向など)
  8. グループの登記実務
  9. 業法(資金決済法など)対応
  10. 社内規程の作成、管理
  11. 訴訟管理
  12. その他予防法務全般 など

インハウスは、採用された企業の企業法務に従事していくのが最大の特徴でもあります。そのため、求められる法務レベルは多岐に渡ります。法律事務所の弁護士と異なり、さらに案件の入り口から出口までの管理も期待されているのがインハウスなのです。

また、外資系企業やグローバル化が進んでいる企業のインハウスの場合、上級レベルの英語力が求められれ、少なくともTOEIC800点以上のスコアがあると企業からも重宝されます。

TOEIC800

この様な企業は、インハウスを募集するにあたってもTOEIC800以上を必要な業務経験に条件として定めている傾向が強く、海外出張や英語を使っての単独交渉業務を任せるといった責任あるポジションを任されることがあるからです。

インハウスと顧問弁護士との違い

インハウスローヤーに近い業務として、顧問弁護士が思い浮かぶことでしょう。

顧問弁護士は、あくまでも会社の第三者としての助言や、限られた部分での法律問題の対応を行うに過ぎません。その一方でインハウスローヤーは主体的にプロジェクトに関わることが可能です。

例えば、企業があるプロジェクトを立ち上げた際、どんな法的課題があるか、契約周りの正確性は問題ないのかなどをプロジェクト発足初期から関わり、法的に問題が生じれば解決することが求められます。

企業の当事者という位置付けが、インハウスローヤーと顧問弁護士の最大の違いと言えます。

ベンチャー企業と大企業のインハウスの違い

ベンチャー 企業の場合|新規事業開発における法的問題の検討

一般的にベンチャー企業は、大手企業ではなかなかできないような革新的で創造的なアイデアをもとに事業展開を行っている会社のことを言います。

企業規模は小規模から中規模であることが多く、上層部との密接な関わりの中で、新しい事業を次々に展開していくような業務を担っているという特徴を持っています。

社長との距離が近いので、会議などで自分のアイデアが採用される可能性も高く、自分がやりたいと思っていることをいいやすい、やりがいを感じるといった点がベンチャー企業の大きな魅力の一つといえるのではないでしょうか。

大企業の場合|機関法務やコンプライアンス・法律相談

ベンチャー企業ではやる気と実力しだいで早期の出世を実現することが可能な点に対し、大企業は(ポジションによりますが)経営層に近い業務を求められる傾向が強く、求人の傾向をみても差異はありません。

  1. 1:機関法務:株主総会や取締役会といった会社運営業務
  2. 2:コンプライアンス・社内規定:社内向けの研修や内部通報窓口の整備 など

法務相談は特殊かもしれませんが、個人から法律相談が入った際に弁護士が対応する業務もあります。

特に多いのは不動産業界で、不動産賃貸・売買トラブル、立ち退きや建物明け渡しなどの相談が入った際、弁護士資格を持たない法務部員は回答が弁護士法で禁止されているため、インハウスの弁護士が相談の窓口に立って、直接回答するケースは多数あります。

例えば、リクルートが運営する「suumo事業部」などでは、そう言った業務が深夜まで続くこともあるそうです。

弁護士がインハウス(企業内弁護士)へ転職する3つのメリット

全体から見てもインハウスとして活躍する弁護士が増加傾向にある中、インハウスへの転職のメリットとデメリットは、気になるところです。インハウスへの転職メリットは、以下の3つ。

  1. 現場に近いところで仕事ができる
  2. ワークライフバランス
  3. 収入が安定する

現場に近いところで仕事ができる

インハウスへの転職のメリットとして非常に多く挙がるのが、現場に近いところで仕事ができることです。

所属する企業によって業務内容は変化が生じますが、共通するのは法律知識以外の場面で、会社経営に関わる業務を行うことができます

そのため、弁護士としての法律知識を現場で活用できるだけでなく、所属する企業に必要とされる専門知識や経営のノウハウを知ることで、法律のジェネラリストとしてより現場に近い場所で仕事ができるのです。

ワークライフバランス

インハウスへの転職メリットとして次に挙げられるのが、ワークライフバランスです。

法律事務所で勤務する弁護士は、案件によって労働時間にばらつきが生じます。労働時間が長期化し、残業が多いことで悩む弁護士や、休日返上で業務に当たらなければならない弁護士も多いのが現状です。

インハウスの場合、企業における就労規則の元、勤務時間が決まっています。就労環境が整っていることが多いため、休日もしっかり確保でき、業務状況次第では残業も少なく済みます。

収入が安定する

インハウスへの転職のメリット3つ目は収入が安定することです。企業に採用されることで、基本給という安定した収入を確保することができるため、年収も安定します。

法律事務所では通常業務に加えて雑務をこなさなければならないことが多いのに対し、インハウスは自分の担当範囲がしっかりと決められています。雑務をこなさなくても良いという効率の面から考えても、収入対比が良いのもメリットです。

弊社NO-LIMITでは、そんなインハウスローヤーへの転職を志す方々を支援しております。「インハウスローヤーに転職したいけど、適性があるかわからない』『企業法務が未経験・キャリア経験は少ないけど、転職できるか知りたい」「一般企業の選考を通過できるのかわからない」などのお悩みをお持ちの方は、是非NO-LIMITにご相談ください。

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インハウスへ転職した場合の弁護士の年収はいくらになるか?

法律事務所の弁護士とインハウスでは、報酬・待遇における違いも発生します。まずは、それぞれの平均年収および報酬を比較していきましょう。

インハウス弁護士の平均年収は750万円〜1000万円の間

法律事務所とインハウスそれぞれで働く弁護士の平均年収は、下記の通りです。

  • 法律事務所勤務者:1200万円(代表・パートナー弁護士は除く)
  • インハウス:750万円

法律事務所勤務の弁護士とインハウスの年収で比較するとは、インハウスのほうが下がる傾向にあります

法律事務所の場合、パートナー弁護士になれるかどうかで年収に大きな差が出てきます。また、法人ごとに異なる給与体系が敷かれているため、法律事務所勤務の弁護士の中でも報酬にばらつきが生じます。

報酬が高めと言われているのは、企業内法務を扱う中堅・大手法律事務所勤務者です。一般民事を扱うことが多い法律事務所となると、弁護士自身の名前で個人的に事件を請け負う個人受任案件が発生するか否かが、年収を左右するようです。

対してインハウスの場合は、固定給という安定した収入はあるものの、個人受任の制限が多く、企業ならではの昇給・昇格制度に依存するため、転職を考える際は年収UPは条件から外して考えることをおすすめします。

[出典]https://jila.jp/

経験年数による年収の違い

[出典]https://jila.jp/

また、こちらの表は、インハウスへ転職をした弁護士たちの弁護士経験年数を表しています。

インハウスへ転職をした弁護士の中では、弁護士歴5年未満の若手も多いだけでなく、5年以上10年未満の割合が44%、さらに弁護士歴10年の人たちも合計27%と多いのが特徴です。

[出典]https://jila.jp/

以上を踏まえて、回答別に年収の割合を見ていきましょう。

弁護士経験5年未満と回答した96人中、半分以上の50人が500万~750万円未満と答えていますが、中には750万円以上の年収を獲得している人も少なからず存在します。

[出典]https://jila.jp/

また、もっとも多かった弁護士経験5年以上の弁護士の人たちの半分以上は、年収750万円以上を獲得。それだけでなく、年収1,000万円を超える人の数が増えていることにも注目です。このように、弁護士経験年数が上がれば上がるほど、年収アップが見込まれるのがインハウスなのです。

弁護士がインハウスローヤーに転職する際に求められる7つのスキル

企業に採用され、会社員と同じように働きながら法務に携わっていくインハウスでの仕事は法律事務所とちがい、自分の所属する部門以外の部署、他の弁護士とも連携しながら法務を進めていく必要があります。

インハウスに求められるスキルの大前提として、以下の5つが求められます。

  • 状況判断能力
  • リスクに対しての適切な判断・処理能力
  • 法的思考力
  • 法律知識
  • 信頼感

さらに、他部署や他の弁護士との連携であるコミュニケーション能力やビジネスセンスがインハウスには求められます。

コミュニケーション力

インハウスは、社内の他部署の人たちや外部の弁護士などと交渉や調整をしていく業務があります。また、世界に向けてビジネスを展開する企業や外資系企業では、上級レベルの英語力や文書作成能力も必須です。具体的に見ていきましょう。

英語力

特に外資系企業や海外との取引がある企業のインハウスの場合は、英文契約書の作成業務やチェック業務もありますので、上級レベルの英語力が求められる場合があります。

前述でも触れましたが、可能であればTOEIC800点以上を取っておくことが望ましいです。

文書作成力

インハウスには、文書作成力も求められます。社内外における紛争があった場合、企業の組織内改正や、社内研修を行うことや、マニュアルの整備を行うこともあります。

前述の通り、外資系企業や海外取引の多い企業の場合は、英文での文書作成も一任される場合があります。

交渉力

インハウスでは、交渉力も必要なスキルです。インハウスとして企業で経験を積んでくると、実際に取引先に出向いて契約交渉などに参加することがあります。その際に提示した契約内容の説明や対応をするのも、インハウスの業務です。

また、企業同士の裁判が発生したときに、外部弁護士と訴訟や交渉に対応や、海外での事業に際しての国際交渉も担当することがあります。

このように、国内外における交渉力もインハウスに求められるスキルなのです。

ビジネスを推進する能力

インハウスは、ただ法務に携わって法の解釈ができるだけでは務まりません。企業の一員として、解釈した法律を適切に企業運営に落とし込みながら、ビジネスを推進する高い能力も問われてきます。

実務経験

インハウスは企業法務だけでなく、会社の発展にも貢献する実務経験が必要です。例えば、会社同士の合併絵であるM&Aをはじめ、IT・通信分野における知識、知的財産の分野に関する業務経験などです。また、企業によっては法律事務所以外の会社での勤務経験を持っていたほうが良いとされる場合があります。

マネジメント経験

若手インハウスに求められることが多いのは、これまでにマネジメント経験があるかどうかです。マネジメント経験のある弁護士は非常に少なく、インハウス転職市場では非常に珍しい人材とされています。企業では、年代が上がると後輩をマネジメントするスキルが問われてきます。

弁護士がインハウスローヤー(組織内弁護士)に転職する方法

企業側がインハウスを求める傾向が強いため、インハウスへの転職チャンスは十分にあります。しかし、インハウスの求人数が多いわけではありません。では、インハウスへ転職するためにはどうしたらよいのでしょうか。

インハウスへ転職をした弁護士からの紹介

すでにインハウスへ転職をした弁護士からの紹介で転職をするという方法です。

特に大企業の場合、インハウス人材を増やそうとしている傾向にあります。そのため、すでに自社インハウスの弁護士に対して、良い人材がいないかを打診する場合があります。

また、紹介という方法は、紹介してもらった側も一生懸命働きますし、紹介する側も中途半端な人を紹介することはありません。

希望条件がマッチし、仕事を任せても問題ないだろうと判断されると、勤め先の企業で募集が開始されたタイミングで声をかけてもらえる可能性があるのです。

弁護士に特化した転職エージェントを利用する

インハウスへ転職を行うための最良の方法は、転職エージェントの力を借りるのが近道です。

転職エージェントを利用すると、忙しいあなたに代わって希望するインハウスの労働条件や職場環境、さらには年収を見たうえで、あなたに合った企業をピックアップします。

また、アドバイザーが弁護士やインハウスについてどれだけ専門性を持っているかも、より良い転職エージェントの選び方においても重要です。

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転職活動のタイミング

インハウスへの転職のタイミングは、時期よりも年齢が重要です。インハウス転職におけるベストタイミングは、弁護士事務所である程度経験を積んだ30代前半です。もちろん弁護士での経験をインハウスで積みたいと考えるのはOKですし、最近では若手インハウスを雇う企業もあります。

しかし、30代前半は弁護士としての経験もある程度ついてきているだけでなく、企業のほとんどが率先力を求めていることから、30代前半の弁護士が選ばれる傾向にあるのです。

NO-LIMITなら企業法務ほぼ未経験でもインハウスへの内定実績がある

企業法務事務所での経験がなくても、インハウスローヤーへ転職するのは可能なのか?

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私たち『NO-LIMIT』は、弁護士専門の転職支援サービスを提供しております。支援してきた求職者の中には、事務所での企業法務経験がほぼない(正確には半年程度)方でも、企業の法務部に内定が出た方がいらっしゃいます。

3ヶ月前にベンチャー企業へNO-LIMITから転職された方は、約3ヶ月ほどしか企業法務系事務所にいなかったものの、人柄やコミュニケーション能力を買われて転職に成功しました。他にも、企業法務経験がほぼないながらも、インハウスローヤーとして内定を勝ち取った方についてご紹介します。

企業法務事務所での経験 採用ポジション 企業規模 面接で重視されたポイント
約3ヶ月 法務部初の弁護士採用 ベンチャー企業 ・コミュニケーション能力
・ポテンシャル採用
なし 法務部の社員 上場企業 ・業務への関心
新卒 法務部の社員 上場企業 ・ポテンシャル採用
・コミュニケーション能力
約半年 法務部リーダークラス 上場を控えたベンチャー ・経験(M&A、契約書レビュー経験)
約2年 法務部課長クラス 上場企業 ・訴訟・法務マネジメントの経験
・コミュニケーション能力
・経営思想

企業法務事務所での長期間の経験は必ずしも必須ではない

ご覧のように、法務の経験が浅い方でも、『コミュニケーション能力』『意欲』『業務への興味関心』がある方に、内定実績があります。

経験弁護士はより高いポジションでの採用をされている傾向にあるものの、やはり大事なのな相手の対話であるとと言えます。

インハウスローヤーになるために必ずしも企業法務系事務所での長期経験や、高いスキルなどは無くても転職可能です。

弁護士がインハウスローやーへの転職を成功させるポイントはスキルや経験よりも人柄

ここまで、インハウスローヤへの転職に必ずしも企業法務経験やスキルは必要ない、内定実績はあることを解説しました。

ただ、採用・面接過程において、未経験であることが不利にならないとは言い切れません

では、法務未経験を何で補い、不安を感じている人がどう自信を持って応募すれば良いか、弁護士業界のアドバイザーが教える「特に意識するべきポイント」を解説していきます。

法務経験や足りないスキルは「人間力」で埋められる

弁護士としての経験、年齢などがほぼ同じ求職者がいたとします。大きく異なるのは「企業法務の経験」だけ。1人は5年以上企業法務事務所でレピュテーションリスクや法務マネジメントを経験、もう一人は一般民事事件はやってきたものの、企業法務は未経験です。

この条件だけで見た場合、1人を採用するなら、5年以上企業法務の経験がある弁護士を採用するでしょう。

では、法務未経験の弁護士が採用されるにはどうしたらよいでしょうか?

結論から言うと、コミュニケーション力や会社業務内容の理解度を高める、企業理解を高め、これから組織の中で高いパフォーマンスを発揮できる「人間力」を高めて差をつけることです。

企業研究もかなり大事な内定ポイント

いっけんすると難しいことを言っているように聞こえるかもしれませんが、「入社時の能力に差があったとしてもそれは努力で埋められる」と私たちは考えています。例えば面接のスタートラインで能力・経験に差があったとしても、対人コミュニケーションに癖のある人とは仕事の効率化は図れません

そしてもうひとつ大事な要素は『企業研究』です。

「企業の法務部」といっても、求められることやその実態は企業ごとに違います。これは、企業のフェーズ(上場前、上場直後、一部上場企業・・・etc)や、業態、カルチャーによって、事業の推し進め方が違い、法務部に求められる役割も異なってきます。

また、単純に選考が通過しやすくもなります

企業研究は採用側からしても興味を持って面接に臨んできているという評価になりますし、企業への理解が得られ単純に興味が持てるようなところがあれば、その分ミスマッチもしづらくなります。

ですので、手間もかかって大変ではありますが、企業研究は必ず行ってください。

企業は事務所以上に「人」を重視している

法律事務所よりも企業の方がスキルよりも「人柄」を重要視する傾向にあります(もちろん法律事務所が「人柄」を見ていないということではありません)。特に弁護士を採用するフェーズの企業、すでにインハウスローヤーを抱えてらっしゃる企業は、「人材マネジメント制度」「人事評価システム」「人事考査」などがしっかりしています。

採用に関わる人事の方も、『この人は法務部で他の方とうまくできるか』『実際に入社した際に活躍できるか』など、面談の時点でかなりはっきりイメージしています。

「人」「人間力」とはコミュニケーション能力はもちろん、機転、想像力、調和力といったさまざまな要素を総合したものです。そのため、ただスキルが高いだけではなく、人柄が良いと思われる人、なにより誠実な人であれば、未経験でもインハウス への道は開けると、断言できます。

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インハウスへ転職した理由や法律事務所勤務時と比べた変化及び注意点

実際にインハウスの転職に弁護士が、インハウスへ転職したことで実生活にどのような変化が生じたのかも、気になります。ここでは、法律事務所から企業法務への道を選択した先輩方の例を挙げていきます。

インハウスを目指した理由

インハウスへ転職した弁護士に多く見られる、インハウスを目指した理由は下記のです。

  • ワークライフバランスを確保したいから
  • 現場に近いところでしごとをしたかったから
  • 転職した企業・業界で働きたかったから

弁護士にとって、ワークライフバランスが整っている企業でのインハウスは非常に魅力的に映るようです。特に女性弁護士の場合、働きながら法律事務所の激務もあり、家庭と仕事を両立できない といった声が上がっています。

また、より現場に近いところで働くことで、法務スキルを上げたいという声もあります。

収入面や生活面での変化

インハウスへ転職すると、以下の点変化が生じます。

  • 収入面が多少下がっても問題はない
  • 土日出勤や超過勤務が激減
  • 家族との時間も取れるようになる

インハウスへ転職した弁護士のほとんどは、収入面を気にしている人が少ない傾向にあります。

インハウスへ転職した弁護士は、自分の年収が法律事務所勤務の時より多少下がっても「弁護士として自分が何をできるのか」「社会のために何ができるか」などを考えている人が多い傾向です。

実際、生活面での劇的変化に言及している弁護士が多くいますが、特にママさん弁護士や家庭を持つパパさん弁護士に多いのが、生活面での劇的変化に対する意見が多いことに注目です。

法律事務所では、残業超過や土日勤務があったものの、インハウスに転職したことで残業も減っただけでなく土日の休みをとれることから、家庭と仕事の両立がうまくできるようになったという意見が多いのです。

福利厚生にも違いがある

インハウスと法律事務所には、福利厚生による違いもあります。福利厚生については、弁護士事務所よりもインハウスのほうが充実している傾向にあります。

弁護士事務所の場合、基本的に個人事業主であるため社会保険や雇用保険への加入義務がなく、年金・税金等は個人で負担しなければなりません

それに対し、インハウスの場合は企業が設定する社会保険や雇用保険などの福利厚生をそのまま受けることが可能です。

インハウスの場合、報酬面でも触れましたが、勤続年数や経験値によって昇給や昇格といった人事制度も整っているところにも注目です。

労働時間の変化

インハウスは企業に属する会社員でもあるため、企業の定める労働時間があります。決められた労働時間内に業務をこなす必要があるため、自分の好きな時に業務を行うことができなくなりますが、ワークライフバランスの観点からみればむしろプラスになると言って良いでしょう。

年収はやや落ちる

法律事務所では、報酬設定を自分で設定することで高額年収を期待できます。一方のインハウスは、企業が定めた基本給に昇給や待遇が上乗せという形で支給されます。年収は下がる傾向にあるものの、40代以降のインハウスの年収は高くなる傾向がありますので、そこまでリスクを感じる必要もないでしょう。

今後の独立・開業は難しくなるケースもある

インハウスに転職をすると、その後の独立が困難になるケースがあります。インハウスは、企業に属して法務に携わるため、個人でクライアントを取ることができません。また、弁護士界では毎年数多くの人材が誕生し、そのほぼ9割が法律事務所をキャリアのスタート地点としています。

そのため、一度法律事務所を出てしまうと、再度法律事務所に戻ることは困難になってしまうのです。

しかし、インハウスの企業側と転職者側のニーズが高まっているという市場傾向から、インハウスとしての経験を買ってくれる弁護士事務所も増えてきているのも、また事実です。

インハウスでも弁護士会会務や国選弁護事件の受任があるケースもある

インハウスローヤーになったから社内の業務だけになるとは限らず、所属弁護士会によっては弁護士会会務や国選弁護事件の受任など、公益活動が業務の一部に盛り込まれることがあります。

国選弁護等の公益活動
弁護士会員は、国選弁護等の公益活動(図A)として、国選弁護事件、国選付添人事件、国選医療観察付添人事件、国選被害者参加弁護事件、当番弁護事件(少年当番付添人事件を含む)、法律扶助事件を毎年度少なくとも1件受任しなければなりません(完全義務化)。なお、受任とは、当番弁護では、接見のうえ被疑者弁護事件を受任した場合をいいます。
引用元:第二東京弁護士会|「公益活動」の制度内容

具体的には企業の就業規則によりますが、弁護士の能力向上や社会貢献の観点から、インハウスローヤーがこのような公益活動に積極的に参加するような取り組みをしている会社も少なくありません。

個人受任が難しくなる

法律事務所の弁護士は、自分の名前を使い個人的に依頼を受ける個人受任ができます。しかし、インハウスはあくまで企業に雇われていますので、企業の就業規則や契約内容に準じなければなりません。

そのため、個人受任をすることが弁護士事務所にいたときよりも難しくなります。

副業や個人事件受任をするインハウスローヤーもいる

日本組織内弁護士協会によると、インハウスローヤーが所属する会社の4割程度が個人案件の受任を認めているようです。ただ、実際に受任したことがある人は1割しかおらず、業務との並行は難しいようです。

個人受任

大々的に広告を打ち出して集客するようなことはせずに、身近なところで法律問題が発生した際に案件を受け付けるといったスタンスが多いと考えられます。

13、企業内弁護士は、所属企業の業務とは別に、弁護士として個人的に事件を受任することができるのですか?

企業内弁護士の場合、所属する組織の就業規則や就職時の契約等によることになります。一般的な傾向としては、個人的な事件の受任が認められている企業内弁護士はあまり多くはありません。また、個人的な事件の受任が認められている場合であっても、所属企業との間でコンフリクトが生じる案件はもちろんのこと、社会的な関心を集めている事件のように、特定の企業の従業員がそうした案件の代理人を勤めていることが、当該企業に対して悪影響を与える可能性のある場合も有ります。そうした案件の受任の可否については、企業との信頼関係の観点からもなんらかの取り決めを事前にしておくべきです。
引用元:日本弁護士連合会|企業内弁護士に関するQ&A

インハウスローヤーの多い国内の企業

インハウスに強い企業は、海外進出を果たす製造業や卸・小売業、不動産業などの企業をはじめ、最先端技術を利用するIT・情報関係など多岐にわたります。

特に、働き方改革と称してのインハウスが増えており、特にIT企業がインハウスを多く抱えています。日本国内でインハウスが多い企業の多くは、大手企業をはじめITなど最先端技術を取り扱う企業に多く見られます。

この表は、日本組織内弁護士協会が作成した企業内弁護士を多く抱える企業20社の推移の、2019年6月時点を抜粋したものです。

上位20位に食い込む企業は、IT大手であるヤフーをトップに、老舗証券会社の野村證券、銀行大手の三井住友銀行と連なっています。

ヤフーを例に挙げると、インハウスを採用し始めたのは2001年です。ヤフーの法務部では、主に企業の契約やM&A、ガバナンスの監修を請け負い、そのほかにも

  1. 政策企画室と呼ばれる行政や国会に対して立法政策を働きかける部署
  2. コンプライアンスを含めた企業のリスクマネジメント全体を設計・サポートするリスクマネジメント部
  3. インターネット環境を整備するためのネットセーフティー企画室
  4. 知的財産関係を管理する知的財産部

と、それぞれ分野を分けながらインハウスが活躍しています。

参考:自由と正義

インハウスローヤーへの転職理由や志望動機をしっかり準備しよう

履歴書や職務経歴書といった書類はもちろんですが、インハウスへの転職準備において一番大切なことは、転職動機をしっかり定めることです。

将来を見据えた年収の伸びや、キャリアアップを考慮しながら、「なぜインハウスの転職を決意したのか」という軸をしっかり定め、あなた自身の市場価値も加味しながら転職先を探す準備が必要です。

法律事務所からインハウスへの転職を考えている弁護士にとって一番問題になるのが、年収面だといわれています。法律事務所である程度の勤務経験がある弁護士の場合、いざインハウスの求人を探しても、企業が設定する年収水準の低さにがっかりしてしまう、というケースが多くあるのが実情です。

年収にこだわりすぎて、本来の転職志望動機を見失ってしまう弁護士もいるからこそ、転職動機は大切なのです。

まとめ

インハウスは、弁護士の転職において非常に有益であることがわかりました。インハウスに転向する弁護士は、法律家としてのキャリアアップやワークライフバランスを求めインハウスに転向する傾向にあります。

企業もまた、多様化するグローバル化や急成長する情報社会において、法的リスクをできるだけ回避したいと考えていることから、インハウスを採用したいという機運が高まっています

このような流れから、法律事務所からインハウスへ転向するならば、今がチャンスといってよいでしょう。

法律家として多岐にわたる法務に携わりたい弁護士や、ワークライフバランスを見直して、キャリアも私生活においても充実な生活を送りたいと考えている弁護士にとって、インハウスへの転職は最適といえます。

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