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【香川総合法律事務所】過酷な修業時代から生まれた"Justice & Business"~法律事務所がシンクタンクになる日を目指して

更新日: 公開日:

設立から13年、現在9名体制に成長した香川総合法律事務所。

企業法務・不動産関係(特にマンション管理)・カスタマーハラスメント対策を主な専門とし、近年は国の検討会委員、コンサルタント就任や政策提言活動、メディアを通じた啓蒙活動など、法律事務所の枠を大きく超えた活動でも注目を集めている。

「新卒で入った事務所での過酷な修行が、今の自分を形作りました」と語る、香川希理代表弁護士。

「Justice & Business」という理念を掲げ、社会に良い影響を与えながら利益を上げることを目指す香川総合法律事務所の実像と、香川弁護士が描く「弁護士×シンクタンク」という新しいモデルについて、じっくりと語ってもらった。

点滴とニンニク注射で乗り切った3年間の修業時代

幼少時代からずっとサッカー選手になりたいと考えて努力していましたが、サッカー選手になれないとわかってからは、何か社会に影響を与える仕事をしたいと考えるようになりました。(香川弁護士)

大学在学中に読んだ書籍や先輩経営者らから影響を受けて、「将来は社会に影響を与える経営者になる」と考えていた香川弁護士にとって、弁護士という職業はあくまでも社会に影響を与える経営者になるための手段だった。

とにかく社会に影響を与える仕事がしたかった。社会に影響を与える経営者になる道の一つとして、弁護士を選びました。だから、元々独立前提でした。(香川弁護士)

香川弁護士が新卒で入所したのは、企業法務を扱うひとり事務所。その3年間が、現在の香川総合法律事務所の礎を作ることになる。

ボス弁は、銀座の高級鮨職人のように、一ミリの妥協も許さない徹底したプロでした。毎時間のように怒号が飛び交い、怒られない日が一日もありませんでした。

ボスが求めるクオリティを達成するために、睡眠時間は3時間程度で、点滴やニンニク注射を打ちながら無理やり働いていました(笑)修業時代の3年間、独立後の3年間は、月間労働時間が500時間を下回ったことはないと思います(笑)

司法試験受験時代は何回やり直してもいいですが、イソ弁時代をもう一回やり直したら死んでしまうかもしれない(笑)そのくらい過酷でした。(香川弁護士)

過酷な環境に身を置きながら、香川弁護士は3つのことを学んでいった。

一つ目は「組織化の必要性」。前職の代表は60代まで30年以上、真面目に全力で仕事に向き合い続けた。しかし、一人の人間が影響を与えられる範囲には限界があった。

どんなに優秀で真面目な弁護士でも、一人でできることの天井がありました。だから自分がやりたいことを実現するためには、組織化が必要だと確信しました。(香川弁護士)

二つ目は「ワークライフバランスの重要性」。睡眠3時間で作る書類は、普段なら2時間で終わる仕事が5〜6時間かかったと言う。

健康的なバランスを保ちながら仕事をする方が、絶対に効率がいい。身をもって経験しました。(香川弁護士)

三つ目は「持続可能な職場環境の構築」。過酷な労働環境には持続可能性がない。

自主的に動ける環境こそが、長期的に最も効率的だという結論に至りました。

前職の元ボスのことは、今でも心から尊敬しています。先生は昔ながらの弁護士として究極の完成形だったと思います。

先生が一生懸命築いた良い部分は引き継ぎ、経営的視点や現代的観点を取り入れ、アップデートする。そういう事務所を作ろうと思いました。(香川弁護士)

「Justice & Business」をテーマに、社会に良い影響を与えるために法人化・組織化を選んだ

香川総合法律事務所が掲げる理念は「Justice & Business」。利益と正義を両立することだ。

単にお金を稼ぐだけでなく、社会に役立つことをして利益を上げたい。(香川弁護士)

自分一人でミニマムにやれば収入面では高くなるかもしれない。それでも、組織化を選んだのには理由がある。

社会に与えられる影響力に限界があるからです。社会をより良くしていきたいという思いが本音にある。だからこそ、苦しくても法人化・規模化を選んでいます。(香川弁護士)

例えば、区分所有法(マンション法)の法改正を提言する、カスタマーハラスメント対策のルールを社会に広める。こうした社会的な活動は、一個人の弁護士が単独でやっても限界がある。

みんなが一つのベクトルを向いて動ける組織があってこそ、社会規模で実現できることがあります。(香川弁護士)

国の政策立案の現場で、シンクタンクとして機能することを目指す

近年、香川総合法律事務所は「法律事務所の枠を超えた仕事」を本業の一つとして展開している。

一つは、国の外郭団体のコンサルタントとしての活動だ。区分所有法制の基礎調査プロジェクトに参画し、法務省でマンション法の草案に携わった研究者や大学教授と共にワーキンググループを組んでいる。

いわゆるシンクタンク的な仕事です。こういう仕事をしたかったから、組織化してきたと言っても過言ではありません。(香川弁護士)

もう一つは、2026年4月に設立した一般社団法人「カスタマーハラスメント対策協議会」の活動。

弁護士会館にて消費者庁・厚生労働省・商工会議所の担当者を招き、300名規模のシンポジウムを開催。香川弁護士がコーディネーターを務めた。

カスタマーハラスメント対策の法改正(措置義務化)に向けては、自民党PTの国会議員と意見交換を行い、政策提言活動にも携わってきた。

こうした活動がブランドとなり、自然と新たな依頼につながっているという。

やるべきことをちゃんとやっていれば、自然と依頼が来ます。シンポジウムや委員会活動を知った企業から相談が来るケースも増えています。これが法律事務所における新しい営業モデルだと思っています。(香川弁護士)

設立13年、9名体制で広がった仕事の可能性

成長の実感がある、と香川弁護士は言う。設立してから13年で、9名体制になった。

一番変わったのは、クライアントの規模と業種の幅です。昔はなかなか難しかったプライム上場企業や、日本を代表するような企業からのご依頼をいただけるようになりました。独立したばかりの頃には考えられなかったことです。(香川弁護士)

業務の幅も広がっている。不動産・マンション管理系だけでなく、様々な企業の案件も増えてきた。

カスタマーハラスメント対策については、法改正で措置義務化されたことを受け、企業からの相談が急増。ただし、ハラスメント対応を直接行うのではなく、企業に対してコーディネートのやり方をアドバイスするコンサルタント的な関わり方だ。

「公務員に向いている人が、うちに向いている」求める人材像と事務所文化

今いるメンバーに共通しているのは「真面目さ」と「責任感」だ。

真面目な人を採用し続けているから、それが事務所文化に反映されています。あとは協調性ですね、事務所の成長を自分ごとに捉えられる方が合っています。(香川弁護士)

逆に、向いていないのは「自分でガンガン営業して稼ぎたい」タイプだ。

自由に営業してとにかく稼ぎたいタイプの方は、うちには合わないと思います。うちは、良い意味で公務員的な組織に近い。安定した環境の中で真面目に仕事をしていきたい方には、居心地の良い場所だと思います。(香川弁護士)

営業ノルマも存在しない。個人に目標を課さず、事務所としてのブランディングと口コミ・紹介で案件が来る仕組みになっている。

厚生年金も完備している。業務委託から入っても、一定期間後に雇用契約へ切り替えることができる。

採用は新卒(79期以降は3名程度を予定)に加えて中途を1名程度、年間最大4名ほどのペースを考えている。

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「香川総合法律事務所」がブランドになる日を目指して

将来的には、法律事務所をシンクタンク・コンサルティング会社と対等な存在にしたいと香川弁護士は語る。

大手コンサルが一件5,000万円で受ける仕事を、法律事務所は数十万〜数百万円で引き受けているような現実があります。でも、それはおかしい。法律に関する専門性という意味では、司法試験という難関を突破した弁護士の集団が劣るはずがない。(香川弁護士)

個人のパートナーに知識と経験が集中している状態では、組織への信頼は生まれない。野村総研のような大手シンクタンクと同じ土俵で、「法律の専門家集団」として信頼される組織を作ること。それが次の目標だ。

組織に実績・知識を集約し、香川総合法律事務所というブランドで仕事が来るようにしたい。(香川弁護士)

AI時代における弁護士の役割についても、明確なビジョンがある。聞かれたことに答えるだけでは不十分。

クライアントが気づいていない問題を発見し、解決策を提案・創造できる弁護士が求められると思っています。(香川弁護士)

法律事務所を超えた活動をしたいがために組織化し、少しずつ育ててきた。「香川総合法律事務所」の名がブランドになる日は、着実に近づいている。

 

プロフィール
香川 希理
代表弁護士
明治大学法学部を卒業後、立教大学大学院法務研究科を修了。2009年に司法試験に合格し、2010年に東京弁護士会にて弁護士登録。2013年に香川総合法律事務所を設立し、代表弁護士に就任。マンション管理士・管理業務主任者の資格も保有する。現在は、企業法務、特に不動産関係・カスタマーハラスメント対策を重点取扱分野とするほか、国土交通省検討会委員、一般社団法人カスタマーハラスメント対策協議会代表理事、小学館「正直不動産」協力弁護士、株式会社フジマック社外取締役なども務める。

 

事務所・企業情報
香川総合法律事務所
〒104-0061 東京都中央区銀座一丁目14番10号 銀座松楠ビル2階
03-6280-4056
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