2018年、東京都千代田区に設立された弁護士法人直法律事務所。相続法務・不動産法務・IPO法務の3分野をブランドの柱に据え、ウェブマーケティングとAIを積極活用する事務所だ。
代表弁護士の澤田直彦先生は、前職の赤坂シティ法律事務所でアソシエイトとして入所しパートナーを経た約9年間の経験から、「チームで弁護士業務を行う」組織づくりの重要性を痛感し、一から設計した事務所を立ち上げた。
事務所の理念やサービスの柱のほか、採用・育成の方針まで聞いた。
目次
「澤田」でなく「直(なお)」にした理由 ─ 独立の経緯と事務所の理念

独立のきっかけを教えてください。
前職の赤坂シティ法律事務所は、パートナーが共通経費を頭数で割って負担する「経費共同型」の事務所でした。そこでの経験を通じて、「一人でやるよりチームで仕事をした方が、風邪でも旅行でも家族サービスでも互いにカバーし合える。クライアントにとっても安心できる」と強く感じるようになりました。当時すでに、チームで弁護士業務を行う事務所が台頭してきていて、そこと肩を並べていきたいという思いもありました。
経費共同型ではなく、永続的な複数人体制をどう作るか。それを考えた結果、自分が一から設計して立ち上げる方がいいという結論に至りました。
事務所名を「澤田」ではなく「直(なお)」にしたのはなぜですか?
「澤田」にすると個人の色が強すぎる、というのがまず一つです。事業承継していきたいという思いがあって、弁護士法人にもしました。
そして、生み出すサービスの永続性を考えたとき、「社会よし・お客さまよし・事務所メンバーよし」の三方よしでなければ続かないと考えました。クライアントにも、ともに働く事務所メンバーにも、実直に・誠実に向き合う事務所でありたい。その思いを込めて「直(なお)」と名付けました。
業界トップを狙う3つの柱 ─ 相続・不動産・IPO法務
注力分野について教えてください。
相続法務・不動産法務・IPO法務の3分野でシェアを取り、ナンバーワンを目指すというのが現在の方針です。相談件数は2025年比1.5倍ペースで伸びており、2027年には3倍ぐらいにする自信があります。
| 相続法務 | 若い頃から付き合ってきたスタートアップの社長が50代になり、事業承継対策をしないまま相続が発生するケースに直面。少子高齢化でニーズは益々あるとして、一般個人からの相談も増えてきている。 |
|---|---|
| 不動産法務 | 前職の事務所が不動産法務に特化しており、澤田先生自身の強みでもある。賃料増額は直法律事務所がファーストペンギンで広告を打ち出した分野。借地借家・不動産開発・立退き・建築問題まで対応し、不動産会社の顧問先も非常に多くなっている。 |
| IPO法務 | スタートアップのお客さんのIPOが増えてきたことから注力。兵庫県知事やフジテレビの内部通報揉み消し問題や、2026年12月1日に施行される改正公益通報者保護法への対応等を背景として、内部通報制度の構築支援・外部窓口運営の相談が多い。 |
他事務所との差別化 ─「先を読む助言」と予防法務
ベンチャー・スタートアップ支援において、他事務所と違う点はどこですか?
スタートアップ支援ではスピードが重視されますが、私はスピードだけでなく内容にこだわっています。
たとえば契約書レビューであれば、修正コメントだけでなく「相手方へのコメント文」まで作ってしまう。お客さんはそれをそのまま取引先に送ればいい状態にする。労務トラブルなら、背景事情を先読みしてメールの叩き原稿まで作る。
クライアントがすぐ動ける状態まで消化させてアドバイスすることが大事だと思っています。
具体的なエピソードを教えてください。
あるITサービス会社で、利用規約違反の使い方をするユーザーが出た事例があります。
違約金の設定には金額の合理性や違反事由の相当性がセットでないと、裁判上無効にされたり限定解釈されたりしてしまうことがあります。利用規約の設計から関わらせていただいて、ちょうどいい塩梅に違約金を設定した上で、実際に違反が起きた際の交渉まで担当しました。
例えば、規約に違反するサービス利用1回につき違約金が100万円、違反回数が20~30回あったとします。裁判に持っていったとき、裁判例上は単純な掛け算で2,000~3,000万円を全額請求できるわけではない。それを分かった上で、最初はMAXの数字を提示して交渉のすえ、落としどころとして1,000万円で解決する、ここまで設計時点で想定します。裁判例の旬なものを押さえながら、利用規約の設定から交渉まで担うところは、しっかりした考え方を持っていないとできないことだと思っています。
ウェブマーケティングやAIを武器に ─ 時代に合わせた業務スタイル
業務スタイルで変化したことはありますか?
ここ数年で業務は劇的に変わりました。調査・メール作文・通知書・書面作成、AIが今はほぼ全部やってくれる。弊所ではAI利用手当を支給して積極的に利用するようにしています。スピードもクオリティも段違いに上がっています。
私がアソシエイト時代、飲み屋での営業や徹夜の飲みといったことをやっていましたが、そういうことをしている暇があったらサービスのクオリティを上げるための勉強やウェブマーケティングでの集客に時間を使った方が合理的だと思うタイプでした。そういう発想でこの事務所を作りたいと思っていました。
こんな弁護士と働きたい ─ 採用と育成の方針

どのような弁護士と一緒に働きたいですか?
それぞれの弁護士の「本当になりたい像」にうちがマッチしたらいいなと思っています。一人はマネジメントがうまい弁護士がいたらいいですし、一人は不動産法務だけを極めたい職人みたいな人がいてもいい。そういういろんな考え方の受け皿として事務所があって、全体としては相談者を法律の力を使ってしっかり助けられるメンバーの集まりにしたいというのが私のミッションです。
具体的には、マネジメント志向の方にはチームリーダーとして案件を率いていただく道、職人志向の方には特定分野で第一人者になっていただく道、それぞれを応援できる体制があります。AI利用手当のほか、リモートワークや研修費用の補助など、それぞれが最大のパフォーマンスで臨むための環境への投資も惜しみません。
うちがお約束できることとしては、自分がやりたいであろう案件にしっかり触れられるという点は強みだと思っています。案件に対する見通しについては私がしっかりとディレクションできるので、チャレンジしやすいのかなというところはありますね。
育成の方針について教えてください。
私が全部修正してしまうと学びがない、というのがこの数年でわかったことです。依頼者に損害が生じない範囲では、あえて口を出さず、任せてみる。自分で気づいた失敗は次から絶対にしなくなります。その繰り返しで成長するんです。
控訴期限のような取り返しのつかないことは口酸っぱく言いますが、そうじゃないところはもう任せます。そこで自分で考えて動ける人ほど、弁護士としての今後の未来が見えてくると思っています。
入所することで得られるもの ─ 澤田先生からのメッセージ
転職を検討している弁護士へ、メッセージをお願いします。
一言でいえば、「うちに来たら一人前の弁護士にしてあげられる」という自信があります。一人前の弁護士というのは、処理能力だけでなく、最初のお客さんへの対面相談から受任、処理が終わった後のフィードバック、そしてまた循環でLTVを上げていくような、一連の流れができる弁護士のことです。そこまでできるようになることをお約束します。
もちろん独立志望の方も歓迎しますし、独立後も良い関係を続けていきたい。ただ私自身は、長くともに事務所を育てていける仲間との出会いを一番楽しみにしています。時代に合わせ、永続性のある事務所をともに作っていきましょう。
澤田 直彦(さわだ なおひこ)弁護士法人直法律事務所 代表弁護士(第62期)
司法試験合格後、赤坂シティ法律事務所にアソシエイトとして入所。6年目にパートナーに就任し、約9年間の勤務を経て、2018年9月に弁護士法人直法律事務所を設立し、代表弁護士に就任。
〒102-0093東京都千代田区平河町2-7-4 砂防会館別館 B棟5階
03-6256-8925
受付時間:平日9:00~18:00(事前にご連絡があれば、土日・時間外の相談も可能です)
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