自分の理想とやりがいを求めて大企業からベンチャー企業へ転職を希望している人は少なくありません。その中には、「本当に大丈夫だろうか」、「転職して後悔することはないだろうか」と不安を感じている人もいるのでは?

ベンチャー企業への転職を考えている人が知っておきたいポイントを理解して、後悔のない転職を目指しましょう。

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ベンチャー企業の性質や弁護士が転職した際の魅力とは

ベンチャー企業がどんな企業なのか、一般転職をされる方にとってはなんとなくわかるかと思いますが、弁護士が一般企業、しかもベンチャー企業に転職する場合、どんな企業体質なのかご存じない方もいるかと思いますので、ベンチャー企業について簡単にご紹介します。

ベンチャー企業の成り立ち

1970年代に中小企業投資育英会社の設立や、日本証券業協会が企業から発行される株式情報を公開するという制度を設けたことによって、多くのベンチャー企業が生まれました。

その後、1980年代になるとテクノロジーの発展に伴って、大手レンタルショップや通信機器販売業者などのベンチャー企業も拡大して行くことになります。1990年代に入ってからは、政府がベンチャー企業を支援するといった制度が設けられ、さらに多くのベンチャー企業が誕生することになったのです。

大手企業が手を出さない領域で勝負する企業

一般的にベンチャー企業は、大手企業ではなかなかできないような革新的で創造的なアイデアをもとに事業展開を行っている会社のことを言います。

企業規模は小規模から中規模であることが多く、上層部との密接な関わりの中で、新しい事業を次々に展開していくような業務を担っているという特徴を持っています。

社長との距離が近いので、会議などで自分のアイデアが採用される可能性も高く、自分がやりたいと思っていることをいいやすい、やりがいを感じるといった点がベンチャー企業の大きな魅力の一つといえるのではないでしょうか。

弁護士を採用したいベンチャー企業とはどういう企業か?

最も企業内弁護士を欲している企業は、リーガルテックビジネス関連の企業でしょう。

リーガルテック企業

リーガルテックとは、法律サービスの利便性をITの力で向上させた製品やサービスのことで、2020年はリーガルテックの草創期と言っても過言ではありません。

国内のリーガルテック市場を調査した株式会社矢野経済研究所のデータによれば、2018年時点でリーガルテック国内市場規模は228億円。

リーガルテック市場
引用元:リーガルテック市場に関する調査を実施(2019年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

契約書の電子化に代表される『クラウドサイン』。AIが契約書のレビューを行う『AI-CON』『LAWGUE』など、昨今のデジタル化やRPAなど、働き方改革の流れを受けつつ、その必要性は高まっています。

AI-CON公式サイト:https://ai-con.lawyer/

LAWGUE

公式サイト:https://lawgue.com/

同サービスを利用する企業自体も増えており、日々改善の必要に迫られる企業にとって、事業にコミットしてくれる弁護士のニーズは今後も高まっていくことが予想されます。

弁護士の集客サイトを運営する事業会社

最も有名なのは『弁護士ドットコム』でしょうか。そのサイトに代表されるように弁護士向けの集客サイト。一般相談者が弁護士を探して相談できるサイトの運営会社が弁護士を採用するケース。

株式会社弁護士ドットコム

公式サイト:https://corporate.bengo4.com/

交通事故弁護士ナビや離婚弁護士ナビなどを運営する株式会社アシロにも、社外取締役として弁護士の存在が確認できます。

株式会社アシロ

公式サイト:https://asiro.co.jp/

IPO取得を検討している企業

たとえば、内部統制の整備や、会社法・労働基準法の法的整備やリスク管理は上場を目指す企業であれば必ず取り組まなくては行けない項目です。コンプライアンスを実践するために、会社は会社法や労働基準法といった法律を遵守しなければなりません。そのため、法的整備は上場する上で欠かせません。

顧問弁護士に相談しながら、スポットで依頼するケースも多いですが、企業内の弁護士にアドバイスをもらいながら取り組んでいると言った方が、監査法人などに説明しやすく印象も良いという場合もありますので、上場準備ステージに入ったベンチャー企業は弁護士を欲している傾向にあります。

ベンチャー企業に向いている弁護士と・そうでない弁護士の特徴

高い成長意欲を持っている

ベンチャー企業への転職が向いている人のタイプとして、「高い成長意欲を持っている」ことがあげられます。成長意欲を持った人とは、「将来は自分で起業したい」と思っている人や、与えられた仕事以外でも積極的に取り組んでいく姿勢を持った人が該当するのではないでしょうか。

ベンチャー企業は、従業員の人数に対し、仕事量が多いという特徴を持っています。そのため業務を兼任することも多く、自ら進んで動く意欲を持った人でなければ長く勤務することは難しいと思われます。

逆にいえば、育成研修などが充実した大企業に比べて、ベンチャー企業は必然的にキャリアアップされていく環境にあるといえるでしょう。

やる気しだいで、仕事の幅を広げ、キャリアを積みながら実践スキルをどんどん吸収していくことができるのです。

また、ベンチャー企業では役職や高い年収を得ることも夢ではありません。実績しだいでは、20代で役員になったり、年収1000万を超えることも。

当然それなりの努力が必要となるので、プライベートよりも会社を重視して自分を磨きたい!という強い意志を持った人がベンチャー企業に向いている人といえるのではないでしょうか。

受け身タイプは向いていない

一方、あまりベンチャー企業への転職をおすすめできない人のタイプとしては、「受身タイプ」の人がそれに該当するのではないでしょうか。

何事もマニュアルどおりでなければならないという人や、決まったルールに基づいて仕事をしたい人、残業は絶対にしたくないという人などもベンチャー企業への転職は避けた方が良いでしょう。

ベンチャー企業は、「新しい事業を展開する企業である」ため、柔軟な姿勢と斬新なアイデア、そして楽しんで仕事をするという気持ちが何よりも重要となるのです。

ベンチャーの法務として弁護士に求められることは?

積極性や受け身タイプという言葉をあえて出しましたが、法務として企業に加わる以上、あまりにセンターフォワードな取り組みをされると面食らう部分もあるでしょう。

とは言っても、成長性と革新的なチャレンジが強みのベンチャー企業ですので、守りのイメージがある弁護士から事業アイディアが出てくること自体は歓迎されます。特にリーガルテック領域の企業であれば、『法律×IT』のマーケットには可能性を感じています。裁判のIT化にもビジネスの匂いを感じるはずです。

実際に裁判手続きなどを行い、法廷に立って証言してきた弁護士だからこそ、できることも多いはずです。

ベンチャー企業へ転職した時のメリット

内部統制の経験が積める

先述したとおり、ベンチャー企業ではやる気と実力しだいで早期の出世を実現することが可能です。同じ世代の人たちよりも早く出世したい、高い給料をもらうことも可能といえるのがベンチャー企業へ転職したときの大きなメリットのひとつとなるでしょう。

また、ベンチャー企業では人材が不足している傾向が強いため、あらゆる業務をこなすことができます。そのため、単一的な分業体制をとっている大企業に比べ、早いキャリアアップやスキルアップが期待できます。

経営視点が身に付く

さらに、ベンチャー企業では経営陣との距離がとても近いので、会議やミーティングなどでは積極的な意見を求められます。良いアイデアを提案し、自分が一からたずさわっていくこともできます。

実力主義、少数精鋭のベンチャー企業なら、なおのこと自分の実力を認めてもらえる機会も増えることでしょう。自分の気持ちしだいで、大きな「やりがい」を感じられるという点も大きな魅力といえそうです。

ベンチャー企業へ転職した時のデメリット

ベンチャー企業へ転職したときのデメリットとしては、企業によっては安定性に不安を感じることがあることが大きいポイントといえそうです。社会的信用性の高さという点では、大企業に比べるとはるかに劣ってしまうという不安定さがあります。

福利厚生は期待できない

また、ベンチャー企業では、家族手当や家賃負担の補助など、福利厚生が整っていないところが多い傾向にあります。育児休暇や有給なども場合によってはとりづらいと感じてしまうこともあるでしょう。

人材が少ないため、代わりがいないという点では、大企業のようにいかないのが実情です。もし不安を感じるようなら、転職を希望しているベンチャー企業が、どんな制度を設けているか、企業情報サイトなどでしっかり確認しておくことをおすすめします。

財政的に厳しい企業もある

さらに、大企業と比べると財政的に厳しい面があります。普通に出していた領収書も、ベンチャー企業では同じように処理してもらえるとは限りません。不必要な経費はできるだけ抑えること、自分が欲しいと思ったものは自己負担でなどのケースも決して珍しくはないのです。

営業面から見ても知名度が低い場合では、大きな企業と競合することは不利になってしまうこともあるでしょう。いかに信用性をあげていくか、自社をうまく売り込んでいくかなどの高い知識と営業力が必要不可欠になります。

弁護士がベンチャー企業へ転職する際に押さえてくべき会社の選び方

自分に合った、優良ベンチャー企業を選ぶためには、いくつかのポイントを抑えて見極めることが大切です。転職で失敗しないためにも細かい情報収集をしっかりと行っておきましょう。

資本金の額

転職を希望するベンチャー企業の選び方の中で、もっとも重要視したい選び方のポイントが「資本金」です。財政的に厳しい状況であるベンチャー企業では、常に革新的なアイデアや、高い技術力を必要としています。

実力だけが先走ってしまい無理な事業拡大などをしてしまうと、運用資金が不足し、経営難に陥ってしまうことも珍しくありません。しっかりと資金調達がされているベンチャー企業なら、それだけ運用資金面でも安定しているといえるでしょう。

設立してからの経営状況

売り上げや経常利益が安定していることも、優良ベンチャー企業を見分けるためのポイントとなります。設立してからの経営状況を把握するためにも、ぜひ詳しく調べておくようにしましょう。転職サイトや企業情報サイトなどをみれば、ある程度の企業情報は見ることができます。

とくに従業員の声などは実際に働いていた人たちの貴重な意見。さまざまな意見を参考にしてみるのもよいでしょう。

高すぎる年収や労働契約の内容

注意したいポイントとしては、高すぎる年収やみなし労働を採用しているところ。あまりにも高い年収では、すぐに人が辞めてしまうため、年収で人を集めようといった企業が多いようです。

みなし労働を採用しているところでは、できるだけ長時間働いてもらいたいという意思が見えてきます。すべてのベンチャー企業がそうであるとはいえませんが、ひとつの目安として覚えておくの良いでしょう。

最後に

日本で起業率は先進国の中でも圧倒的に低く、政府がその起業を支援するほどとなっています。ベンチャー企業に期待する声は多く、日本国内でも常に新しい産業展開が求められています。

将来、独立して自分で起業したいと考えている人は、ぜひベンチャー企業で経験を積んでみるのが良いでしょう。大企業ではまねのできない新しい事業を展開し、さまざまなことへチャレンジする機会も多く得ることができます。

本当に自分がやりたいと感じているのなら、ここで紹介した記事を参考に後悔しないベンチャー企業への転職を成功させましょう。