司法試験予備試験は合格率3~4%の超難関試験です。そのため「予備試験に合格するには独学は厳しく」、資格の予備校を利用する方が多いでしょう。
とはいえ大手・老舗から新興オンライン予備校までさまざまなタイプがあり、何を基準に選べばよいのか分からないものです。
法律系資格のオンライン予備校として急成長中なのが「資格スクエア」です。予備試験の受験生の中では知名度がかなり高いため、気になっていた方は多いのではないでしょうか。
この記事では資格スクエアの予備試験講座の特徴や注意点、評判・口コミなどを紹介します。
公式サイト:https://www.shikaku-square.com/
目次
資格スクエアの運営会社について
資格スクエアを運営するのは株式会社 サイトビジットです。法律系難関資格のオンライン学習サービスである「資格スクエア」のほかに、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」、法務知財特化型人材サービス「Legal Engine」を運営しています。
サイトビジットは創業当初から順調な道を歩んできたわけではありませんが、2015年にアメリカの情報系サイトに掲載されたことをきっかけに知名度が上がり、現在にいたるまで業績を伸ばしています。
- 会社名:株式会社 サイトビジット
- 設立:2013年4月24日
- 【本社】〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-1 オームビル2階
- 【北陸カスタマーセンター】〒951-8055 新潟県新潟市中央区礎町通一ノ町1945-1 新潟礎町西万代橋ビルディング 2F
- 代表取締役:鬼頭 政人
資格スクエアが提供する予備試験講座の主な特徴6つ
資格スクエア予備試験講座は次のような特徴があります。
- 予備試験講座の実績が急伸中
- 独自の学習メソッド「合格からの逆算思考」
- 業界トップクラスの低価格
- 大手予備校と匹敵するレベルの優秀な講師陣
- AIを活用した最先端の学習方法
- 利便性の高い学習システム
以下、それぞれの特徴について詳しく解説します。
【特徴①】予備試験講座の実績が急伸中
資格スクエアは2013年創業の新しい資格予備校なので、大手や老舗と比べて実績に不安ある方も多いでしょう。しかし資格スクエアは優れた実績を残しています。
合格者の3.2人に1人が資格スクエア利用者
講座開始からわずか4年で累計200名以上の予備試験合格者を輩出しています。2018年度は70名以上、2019年は予備試験合格者476人のうち資格スクエアの受講生が147人でした。合格者の3.2人に1人が利用している計算となります。
また2019年度には資格スクエアの受講生が論文式試験を1位で合格。なお、資格スクエアの予備試験講座の資料請求をすると、論文式試験1位で突破した方の合格体験記がもらえます。学習方法や講座利用のコツなどが知りたい方はチェックしてみてもよいでしょう。
合格率が公表されていない理由とは?
資格スクエアを利用した方の合格率は公表されていません。合格率をだすには資格スクエアの利用者の中から受験者よび合格者を正確に把握する必要がありますが、オンラインに特化した学習サービスなので、これらの数を把握しにくいことが理由として考えられます。
他社でも合格率は公表していないケースが多いため、資格スクエアが合格率を公表していない点を気にする必要はないでしょう。ただ、実績の面でいえばやはり歴史のある大手・老舗予備校のほうが高いため、実績が気になる方はそのあたりも検討材料にしてみてください。
【特徴②】独自の学習メソッド「合格からの逆算思考」
資格スクエアの方針は講義を聴くだけの受け身型の学習スタイルではなく、自学自習を最大限支援するというものです。そこで編み出されたのが「合格からの逆算思考」です。
合格からの逆算思考とは
従来の予備校は知識を積み上げていくものでしたが、それではいつゴールにたどりつくのかが見えず、「今の学習方法で大丈夫なのか?」との不安がついてまわります。
一方、資格スクエアでは合格から逆算して今何をするべきかを把握するというスタイル(合格からの逆算思考)をとっています。受験生・合格者・試験から逆算して必要な能力を定義し、その能力を身に付けるために講座を構成するというものです。
具体的には以下の3つのツールをもとに逆算思考で学習を進めていくことになります。
どの科目をどの順番で学習すればよいのかを示したロードマップです。自分が今どの段階にいるのかを視覚化できるため学習中の「迷子」を防いでくれます。
2.【7科目75段階レベル別学習シート】
法律基本7科目ごとに使うべき教材と必要な学習時間を75段階にわけて示したシートです。合格から逆算して今何をするべきかが明確に分かるため、受験生は現時点の課題をクリアすることに注力すれば合格に近づく仕組みになっています。
3.【合格読本】
資格スクエアのオリジナル学習法が記載された合格読本で、受講生からはかなり好評を得ています。各科目の進捗状況に応じた使うべき教材や学習の密度などが分かります。
アウトプット重視の学習方針
講義の視聴を中心としたインプット重視型の予備校が多い中、資格スクエアはアウトプットを重視しています。予備試験のような難関資格は講義を聴いただけで合格レベルに達するわけではないのですが、インプット重視型の予備校では講義を聴いて満足してしまう受験生が少なくありません。
それではいつになっても合格にたどりつけないでしょう。効率よくインプットをおこない、アウトプットにこそ時間をかけることで確実に合格に近づくことができるのです。
250時間では必要な知識を吸収
資格スクエアのインプット講義にあたる基礎講座は、250時間という短時間で2周します。1周目の基礎講座Iは最重要論点のみに絞り、全体像の理解に費やします。時間は150時間です。
2周目の100時間は1周目で解説した部分を飛ばし、その分細かい論点にも踏み込む講座となっています。250時間といわれてもピンとこないかもしれませんが、たとえば予備試験大手の伊藤塾では基礎マスターだけで500時間以上あるので、いかに資格スクエアのインプット講義が短いのかが分かります。
「250時間では必要な知識を吸収できないのでは?」と不安になるかもしれませんが、そうではありません。あまり試験にでない論点には手を広げず、合格に必要な知識だけに集中してインプットをおこない、知識の定着率が高いアウトプットへ素早く移行することで最短での合格を狙っているのです。
一方で、アウトプットの答案添削は130回と他社を圧倒しています。数十回程度の答案添削しか受けられない予備校も多い中で多数の添削が受けられるようになっているためアウトプットにかなり力を入れていることが見てとれます。
【特徴③】業界トップクラスの低価格
予備試験・司法試験は難易度の高さや出題範囲の広さなどもあり、講座の価格がほかの法律系資格と比較して受講料が高いのが通常です。しかしそもそも予備試験経由で司法試験を受ける方は経済的な理由で法科大学院ルートを選ばなかったという方も多いため、価格は非常に気になる点ではないでしょうか。
ほかの予備校との比較
講義の内容や時間数、サービスなどに違いがあるため単純な比較は難しいのですが、参考までに他社と価格を比較してみましょう。
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- 伊藤塾 司法試験入門講座 司法試験(予備試験1年合格)コース:113万9,900円~
- LEC東京リーガルマインド 予備試験 1年合格専用コース:110万2,870円~
- 資格の学校TAC ハイブリッド予備合格フルパック:64万9000円~
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- 資格スクエア 逆算プラン:87万7800円
- アガルート 予備試験最短合格カリキュラム:93万2800円
- スタディング 予備試験合格コース(総合):14万2780円
大手・老舗の場合は100万円以上するものが多く、また100万を切るコースは通学コースをビデオやDVDで受講するだけといったケースも少なくありません。
一方、新興の予備校は教室運営にかかる賃料や人件費などをカットしているため大手・老舗と比べて価格が低くなっています。資格スクエアは予備試験講座の中ではかなり低価格の部類に入ることが分かります。費用面だけを重視するのならスタディングが破格ですが、講義時間数や答練数など費用以外も含めて検討してください。
合格すると司法試験講座を無料で受講できる
予備試験合格者は司法試験の合格に近い実力者ですが、予備試験と司法試験は試験の特性が異なるため、司法試験対策は別途受ける必要があります。
さらに費用がかかるのは痛いと考える方も多いでしょうが、資格スクエアの「逆算プレミアム」「逆算プラン」「独学プラン」のいずれかを利用して予備試験を合格すると、所定の司法試験講座を無料で利用できます。
【特徴④】大手予備校と匹敵するレベルの優秀な講師陣
講義を担当するのは大手予備校と遜色ないレベルの講義をしてくれる優秀な講師陣です。代表である鬼頭政人講師が法律実務基礎科目を担当し、講師歴20年以上の高野泰衡講師と講師歴10年以上の吉野勲講師が主要講座を担当しています。
高野講師は伊藤塾やLECのトップ講師だった方で、カメラマンの助手や企画会社のディレクターから慶応義塾大学法学部通信教育部に在学中に旧司法試験に合格したという異色の経歴の持ち主です。基礎講座と過去問演習を担当しており、図表を用いた的確な説明、初学者でもわかりやすい解説をしてくれるのが特徴です。
吉野講師も伊藤塾やLECでの指導経験があるカリスマ講師です。慶応義塾大学法科大学院既習コースに首席で合格するなど優れた経歴があり、資格スクエアでは基礎問演習を担当しています。テンポがよく、経験談などを織り交ぜて受講生のモチベーションを上げる講義が魅力です。
【特徴⑤】AIを活用した最先端の学習
資格スクエアは通学型予備校や従来の通信講座とはひと味違う、新しいかたちの学習サービスを提供しています。AIを活用した最先端の学習システムは効率のよい学習を可能とする、資格スクエアならではメリットといえるでしょう。
合格ラインまでの道のりを「見える化」
資格スクエアでは合格ラインまでの道のりを「見える化」することで現在の立ち位置を把握し、今何をするべきかが分かるようになっています。講義視聴の進行度や問題演習の成績などがオンライン上の円グラフで確認できます。
脳科学にもとづく問題演習機能が好評
受験生からとくに好評なのが、AIがその人に適した問題を提示してくれる問題演習機能(アプリ)です。
問題演習をするにあたり、自信をもって正解できた問題は知識が身についているため、同じ問題を繰り返したところで点数が伸びるわけではありません。一方で「たしかこうだったかな……?」という程度でもたまたま正解してしまった問題は知識がしっかり身についていないので、繰り返し問題を解いて完全に知識を定着させる必要があります。
しかし、一般的な問題集を使っていると「自信をもって正解した問題」と「たまたま正解した問題」を区別せずに進めてしまう方は多いのではないでしょうか。
資格スクエアの短答式問題集アプリは「もちろん○」「たぶん○」「たぶん×」「もちろん×」の四肢から答えるようになっています。「もちろん○」や「もちろん×」で正解だった問題はでてこない一方で、「たぶん○」や「たぶん×」だった問題は、AIが「再度解く必要がある」と認識するため完全に知識が定着するまででてくるという仕組みです。
【特徴⑥】利便性の高い学習システム
資格スクエアの予備試験講座は他社と比べて学習システムの利便性が高いという特徴があります。
自由に編集可能なオンラインレジュメ
資格スクエアはスマホひとつで学習が完結するのが他社と大きく異なります。講義画面にはオンラインレジュメが同時表示されるため、講義を見て紙のテキストに戻るという動作の無駄がありません。またレジュメは紙のテキストのようにマーカーを引いたり付箋を貼ったりとカスタマイズできます。
ワンクリックの条文参照機能
Webテキストに表示される条文番号をクリックするとすぐに条文を確認できて便利です。六法全書を持ち歩く必要がありません。
講義中に質問できる投稿機能
オンライン講義は通学講義のように質問がしにくいのではとの声があります。しかし資格スクエアでは講義中に生じた疑問は質問投稿機能からすぐに質問でき、後日メールで合格者が回答してくれます。
ちなみに「通学講義=質問がしやすい」とのイメージがありますが、講義を進行させる必要があるため講義時間中に自由に質問できるわけではありません。したがって「オンラインは質問しにくい」との不安は、質問投稿機能でほぼカバーできているといってよいでしょう。
21段階の倍速機能
復習時やもう少しはやく聴きたいと感じた場合に使えるのが講義の倍速機能です。それも1.1倍速から3.0倍速までの21段階に細かく設定されています。もともと講義時間が長くないのが資格スクエアですが、さらに短縮できるため上手に活用しましょう。
公式サイト:https://www.shikaku-square.com/
資格スクエアで受講できる予備試験講座のプラン
公式サイト:https://www.shikaku-square.com/
資格スクエアの予備試験講座には3つのプランがあります。
逆算プレミアム
テキスト・講義と論文添削答練・フォローアップに、直接質問可能なサービスがついたセットです。質問回数は月2回、各15分でテレビ電話での回答となります。講義中の質問機能はいずれのプランにもついている基本機能なので、それとは別の質問機能が逆算プレミアムにだけついているということです。価格は税込みで98万7,800円です。
逆算プラン
テキスト・講義、添削答練・フォローアップがすべて詰まったセットプランです。予備試験合格のために必要なものがすべて詰まっているもっともオーソドックスなプランといえるでしょう。予備試験について一貫して学べるため、通常の質問機能だけで問題なければこの逆算プランがおすすめです。価格は税込みで87万7,800円です。
独学プラン
テキストと講義のみのプランです。こちらは論文添削答練習やフォローアップが受けられないため、ほぼ独学に近いかたちで学習していきます。価格は税込みで54万7,800円とかなり安いですが、知識レベルが高い方はともかくとして、初学者の方にはあまりおすすめできません。
なお2022年の予備試験から一般教養科目が廃止、選択科目が導入されるのにともない、2021年に選択科目対策講座をリリース予定とのことです。上記いずれかのプランを購入すると無料で案内してもらえるようなのでその点は安心です。
資格スクエアを利用する際の注意点(デメリット)
資格スクエアは自学自習を最大限支援するサービスなので、自己管理がまったくできない方には不向きです。
通学型の予備校の場合は時間が決まっていますし、受験生仲間もいるため、多少やる気がわかない日でも学習を続けられるという利点があります。しかし資格スクエアは時間や場所を選ばず利用できるオンライン予備校なので、その分高い自己管理能力が求められるでしょう。
また自習室などもないため、自宅での学習が難しい方にもあまりおすすめできません。家族の協力を得られないなど学習環境を確保できない方は、自習室がある通学型の予備校のほうが向いているかもしれません。
資格スクエア予備試験講座の評判・口コミ
ここで、実際に資格スクエアの予備試験講座を利用した方の評判・口コミを確認してみましょう。
良い評判と口コミ
資格スクエアは1つの講義時間が約30分と短く、スマホで手軽に問題演習機能を利用できることもあり、スキマ時間に利用しやすいとの声は多く聞かれました。また講師陣やアウトプット量に対する評価が高いのも特徴的でした。
「1つの講義が30分とコンパクトだったので、スキマ時間にも勉強がしやすかったですね。そして、これはとにかく強調したいですが、吉野先生の講義が楽しかったです!かみ砕いて説明してくれてわかりやすく、飽きることがありませんでした。気づいたら外が暗くなっていたくらいでしたね(笑)。」
※参考:資格スクエア|合格者の声
「最初に高野先生の講義を聴いたのですが、高野先生の講義は非常に簡潔にまとまっていて、今後の講義でどんな目線で進めればよいかという目線で非常に役だちました。
また、吉野先生の講義は独特の語り口が受講生を飽きさせないです。「早く次が聴きたい」と思わせられる講義で、一人で学習を進めていくなかでもモチベーションの維持にとても役立ちました。」
※参考:資格スクエア|合格者の声
「資格スクエアの逆算プランを選んだ場合は、添削は130通ついてきます。これは他の予備校のプランと比べても充実していますね。」
※参考:難関資格マニア
悪い評判と口コミ
資格スクエアはITを駆使した学習機能が大きな売りのひとつですが、人によってはそれがメリットにならない場合があります。紙媒体での学習に慣れている方も多いので、その場合はアガルートのように紙のテキストを利用している予備校も視野に入ってくるでしょう。
「また、そもそもスマホやタブレットで勉強するのも基本的に嫌で、ぼくは紙媒体で勉強する派です。講義をPCで視聴するのは全然ありですが、その他の勉強をPCやスマホでやるのはつらいです。そのため、オンライン機能が充実している資格スクエアですが、それらの機能を使用する気がないぼくには最先端の機能であっても余計です。」
公式サイト:https://www.shikaku-square.com/
他社の予備試験講座と比較した場合に資格スクエアが突出するポイント
資格スクエアの予備試験講座はおすすめですが、他社でも質のよい講座があるため、迷っている方も多いでしょう。他社と比較した場合に突出するポイントをまとめます。
- 十分な講義時間と質を確保しつつ、非常に低価格であること(コスパがよい)
- 看板講師による講義のレベルが高い
- アウトプットの量と丁寧な添削指導で他社を圧倒している
- 学習システムの利便性の高さが抜群
まとめ
資格スクエアの予備試験講座は司法試験・予備試験の受験生の中で急速に利用者が増えているおすすめの講座です。合計30時間分の講義を無料で体験できるサービスもありますので、上手に活用し、予備校選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。