東京スタートアップ法律事務所は、2018年9月に設立された法律事務所です。
2020年4月から法人化し、「弁護士法人東京スタートアップ法律事務所」となりました。開所4年目で成長率は145%(2020年7月時点)という、急上昇中の法律事務所である同事務所について、事務所の理念・ビジョンから、取扱業務、年収、採用情報等に至るまでまとめました。
目次
東京スタートアップ法律事務所(TSL)とは|理念や特色など
弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の事務所概要は、次の通りです。
事務所名 | 弁護士法人東京スタートアップ法律事務所 |
---|---|
代表者 | 弁護士 中川浩秀先生(東京弁護士会) |
事業内容 | 【法人向け】 新規事業法務 人事労務領域 国際案件への対応 【個人向け】 離婚・男女問題 不貞慰謝料 犯罪・刑事事件 借金・債務整理 遺産相続・遺言書 その他 |
本店所在地※1 | 四ツ谷本店東京都千代田区麹町6-6-9東急四谷ビル5F |
支店※2 | 横浜支店、渋谷支店、大阪支店※2021年10月時点 ・2021年11月1日に名古屋支店、福岡支店開設 ・2021年12月1日に札幌支店開設予定 |
所属人数 | 弁護士16名+3名入所予定(74期を除く) その他スタッフ17名 |
公式HP | https://tokyo-startup-law.or.jp/ |
事務所の理念
TSLの理念である「UPDATE JAPAN」は、「新しい時代の弁護士像を確立し、日本のアップデートに貢献する。」というものです。コロナ禍を経験した当事務所は大変化の真っ只中にいます。そうした中、法律家の役割とは何かを自問し続けています。
一つは、ビジョンを持った起業家に「寄り添う」こと。TSLは起業家のビジョンに共感し、法の知識とロジックを駆使して起業家の事業を後押しする存在でありたいと考えています。また、様々なトラブルに巻き込まれてしまった一般の方々にも、知識や経験に引っ張られすぎず、相談者目線で柔軟な対応を心がけ、どんな些細なことでも相談してもらえるパートナーを目指しています。
オフィス
オフィス、リモートを問わず働きやすい環境を追求しています。TSLのオフィスはWeWorkをはじめとするおしゃれなシェアオフィスになっており、コーヒーや紅茶のほか、夕方からはビールが飲めるなど、設備が非常に充実。
また、コロナ禍を経てリモート勤務も推奨しており、紙とハンコの多い業界ながら、可能な部分からクラウドやWebサービスを利用、DX推進に注力しています。
所内の雰囲気
チームミーティングや1on1など、所員同士のコミュニケーションを活発にする積極的な環境づくり、取り組みがなされています。それには、メンバーの大半が20代から30代で若々しい雰囲気であることも影響しているといえるでしょう。
さらに、服装は、かっちりとした弁護士のイメージとは異なり、所内では自由な服装が許されています。もっとも、TPOを意識した服装をすることは、徹底されています。
チーム制
TSLはチーム制を採用している点も一つの特徴です。案件処理の中で判断に困ったり、迷うことがあったら、いつでもチーム内の先輩弁護士に質問したり、アドバイスを受けられる体制が整っています。
また、所内にインサイドセールスの部署があり、新規相談者の電話対応から弁護士に面談をつなげるフローが確立しています。
一般的な法律事務所でもパラリーガルや弁護士秘書の方が似た対応をされていますが、コール業務等を体系化して他支店へのフォローも行っている点では、比較的珍しい体制と言えます。
そのため、弁護士は面談に来ていただいた相談者の話しやその後のサポートに集中できる体制が整っています。
人事評価制度(TSL VALUE)
TSLには詳細な弁護士報酬規程があり、半期ごとの売上とValueの体現度で評価。TSL Valueは以下の4つで構成されています。
- Speed
- Sales
- Ownership
- Consideration
Speed ~速さは正義~
TSLでは、「仕事で大切なものは信頼である」という意識のもと、一緒に働く仲間だけではなくクライアントとの信頼関係を築く上で最も重要な要素は「スピード」だと考えています。
スピード感を持った仕事は『学習速度の向上』『結果の出る仕事』につながり、それが『信頼』を得る結果になる。そんな考えが『Speed』です。
Sales ~人生は営業だ~
TSLの採用に置いて他事務所と意識の差別化が図れているのがこの『営業』という考え方です。『弁護士はただ法律の知識や経験を持つだけではなく営業スキルも必要』というのが、代表である中川先生の考えです。
法的なアドバイスをするだけが弁護士としてのあり方ではなく、『相談者はリーガルサービスを買って頂いている』という意識を強く、そして真剣に考えられる方はTSLに向いていると言えます。
Ownership ~自分の仕事は自分で見つける~
オーナーシップとは「当事者意識」のことです。
誰かから指示された仕事を「他人ごと」で片付けるのではなく、自身が責任を持って遂行する「自分ごと」として捉えてほしい。「他に困っている人がいないか」「自分がやらなければいけない仕事はないか」といった、組織のために自発的に行動できる人が好まれます。
Consideration ~思いやりは大切~
「自分の仕事の先には、必ず誰かがいる」といった視点を大切に、チームで仕事をしていることを忘れず、メンバーの中に困っている人はいないか、チームで欠けているところはないかといった「仲間を思いやる気持ち」を大切にしています。
選べる働き方
現拠点を含めて全国に7拠点の開設が決まっているTSLでは、今後も国内の主要都市に拠点を構えていく予定です。
各種ITツールを導入し、働きたい場所だけでなく在宅・リモートワークができる環境も構築しており、人生プランに沿って働き方を選べます。
DX推進
紙とハンコの文化が根強い業界ですが、TSLでは自社開発システムを含むクラウド・WebサービスといったITツールを活用し、事務所のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
弁護士業務のあり方を根本的に変え、クライアントが本当に満足できる世界を目指しています。
所内の交流
役割や年次を問わずフラットなコミュニケーションを促進するため、TSLではチームランチに一人1500円の補助が出ます。こういった制度もうまく活用し、先輩弁護士にキャリアプランや日々の業務に関する悩みを相談することができるでしょう。
全体的にベンチャー企業のようなスピードと活気に満ち溢れ、成長意欲が高い事務所です。
東京スタートアップ法律事務所の取扱業務
次に、TSLの取扱業務についてみてきます。
個人向けの取扱業務に関して
民事案件では離婚・不貞慰謝料請求、借金・債務整理に関するものを挙げています。離婚は1000件以上、債務整理は4000件以上という相談実績があることから、離婚等の男女間問題、借金問題にも明るい事務所です。
なお、刑事事件も取り扱っています。あまり知られていないのは『国選』は一切やらず、全て私選の案件であることです。そのほか、身柄事件や在宅事件、痴漢冤罪といった事件も多数扱っています。
他には、遺産・相続の案件を取り扱っています。
法人向け取り扱い案件
法人向け案件のものは、知財を中心に一般的な法律相談のほか、契約書の作成・レビュー、契約交渉のサポート、事業の適法性チェック、利用規約などの作成、人事労務、訴訟・紛争解決、M&Aなどに取り組んでいます。
創業当初から掲げているルールメイキングやグレーゾーン解消などの戦略法務はもちろん、TSLでは、個人案件も法人案件も、幅広いものを取り扱うことができ、多くの経験を積むことができます。
取扱案件の比率
上記の取り扱い案件の比率は、次のようになります。
引用元:数字で見るTSL
ご覧のように、主要な取扱業務は「一般民事」「刑事事件」「債務整理」の構成が82%を占めています。
TSLの名前を聞いたことがある方は、事務所の名前から『スタートアップ企業の法務案件が多い』と思われがちですが、実は企業法務は全体の11%程度の取り扱いになっています。
東京スタートアップ法律事務所の年収
弁護士の提示年収
- 経験弁護士:700万円~
- 新人弁護士:600万円~
とされています。
なお、あくまで採用情報サイトによるもので、もちろん現に所属されている弁護士の方の年収ではありません。しかし、所属されている弁護士の方々が60~70期代の人しかいないことを考えると、およその年収は上記のような区分になるでしょう。
ちなみに、半期ごとに報酬改訂があることと、個人受任が「可」とされていますので、経験弁護士の平均年収はこの表記より多い可能性は高いです。
パラリーガル・バックオフィスの年収
- パラリーガル:350万円〜500万円※
- インサイドセールス:350万円〜500万円※
- バックオフィス:400万円〜650万円
※ご経験・能力を考慮のうえ決定
パラリーガルはいいとして、『インサイドセールス』『バックオフィス』の募集概要を載せているのも他事務所にはない特徴です。
インサイドセールスとは
相手先を訪問しない内勤型営業のこと。相手先を訪問する外勤型営業のことをフィールドセールスと呼ぶケースもある。
主な業務は
- お客様からの新規のお問い合わせ対応
- 弁護士との面談のアポイント獲得から受任まで支援業務
になります。他にも希望・適性を見てKPI管理やLP・Web広告などのマーケティング領域まで担うこともあります。
先ほど、
- 『コール業務等を体系化して他支店へのフォローも行っている』
- 『弁護士は面談に来ていただいた相談者の話しやその後のサポートに集中できる体制』
があるとお伝えしましたが、インサイドセールスの方やバックオフィスの方が協力して業務効率にあたっているおかげで、弁護士はリーガルサービスの提供という本業に集中できるというわけです。
東京スタートアップ法律事務所の採用情報
募集対象は、弁護士は、中途と新卒採用いずれもあります。また、パラリーガルおよびコーポレートといったバックオフィス、インサイドセールスの職種の募集もあります。
それぞれ募集条件は、下記の表のようになります。
経験弁護士
年収 | 700万円〜 |
報酬査定 | 評価制度に基づき実施(年2回) |
個人事件 | 受任可(売上の2割を事務所使用料として負担) |
弁護士会費 | 事務所負担 |
応募条件 | 柔軟で責任感のある人(企業法務の経験の有無は問いません) |
契約形態 | 業務委託 |
勤務場所 | 四谷本店 渋谷支店 横浜支店 大阪支店 名古屋支店(2021年11月開設予定) 福岡支店(2021年11月開設予定) 札幌支店(2021年12月開設予定) |
在宅勤務 | 可能 |
弁護士(75期)
年収 | 600万円~ |
報酬査定 | 評価制度に基づき実施(年2回) |
個人事件 | 受任可(売上の2割を事務所使用料として負担) |
弁護士会費 | 事務所負担 |
応募条件 | 柔軟で責任感のある人 |
契約形態 | 業務委託 |
勤務場所 | 四谷本店 渋谷支店 横浜支店 大阪支店 名古屋支店(2021年11月開設予定) 福岡支店(2021年11月開設予定) 札幌支店(2021年12月開設予定) |
パラリーガル
年収 | 350万円〜500万円(ご経験・能力を考慮のうえ決定いたします) ※月給に20時間分のみなし残業代を含み、超過分は別途支給 |
年収実例 | 390万円(月額基本給26万円×12ヶ月+残業代+賞与/入社1年目) 440万円(月額基本給28万円×12ヶ月+残業代+賞与/入社2年目) |
昇給・ボーナス | 年1回 |
雇用形態 | 正社員 |
社会保険 | 完備 |
勤務条件 | 完全週休二日制 シフト勤務(10:00~19:00・11:00~20:00/実働8時間) ※月に数回土日勤務が発生しますが、平日に代休を取得いただきます。 |
勤務場所 | 四谷本店および各支店 |
業務内容 | 法律事務 |
インサイドセールス
年収 | 350万円〜500万円(ご経験・能力を考慮のうえ決定いたします) ※月給に20時間分のみなし残業代を含み、超過分は別途支給 |
年収実例 | 450万円(月額基本給27万円×12ヶ月+残業代+インセンティブ+賞与/入社2年目) |
昇給・ボーナス | 年1回 |
雇用形態 | 正社員 |
社会保険 | 完備 |
勤務条件 | 完全週休二日制 シフト勤務(8:30~17:30・9:00~18:00・11:00~20:00/実働8時間) ※月に数回土日勤務が発生しますが、平日に代休を取得いただきます。 |
勤務場所 | 四谷本店 |
業務内容 | インサイドセールス |
バックオフィス
年収 | 400万円〜650万円 ※みなし残業代30時間分を含む/超過分は別途支給 |
雇用形態 | 正社員 |
社会保険 | 完備 |
勤務条件 | 完全週休二日制(土日祝休み) 10:00~19:00(実働8時間) |
勤務場所 | 四谷本店 |
業務内容 | 総務業務、経理業務、人事業務、その他 |
参考: TSLの採用情報サイト
以上が、各職種の募集に関する内容です。
求める人物像・スキル
特に弁護士採用において、「柔軟で責任感のある人」という点を掲げています。これは、中途および新卒いずれも共通です。求められるスキルは、特筆すべきものはあげられておあらず、理由としては企業法務や刑事事件、一般民事の経験がなくても「出来るようになる」というのが根幹にあるようです。
採用傾向
現に所属されている弁護士の方々は、それぞれユニークなバックグラウンドをお持ちです。大企業でインハウスを経験された方、起業して自分でビジネスを動かしていた人、飲食店経営をしていた人のほか、元CAなどが所属されています。
こういった点からすると、何かその人にしかない個性というものを重視しているのではないかと考えられます。
東京スタートアップ法律事務所に転職するには
応募経路しては様々あり、「Wantedly」や「求人サイト」「採用サイト」、エージェントからの応募が可能です。
しかし、すでに述べているように、TSLは開設4年目の新興系の法律事務所です。公開されている情報はまだまだ少ないと考えられます。そのため、TSLの上記採用情報サイト、今回ご紹介した記事のほかは、通常の転職サイトでは最新の情報を得ることは、少々難しいかもしれません。
東京スタートアップ法律事務所に関する口コミ・評判
ここではいくつかTSLに関する評判をご紹介します。
和気あいあいとしている職場で、事務所もWeWorkに入っているので、人間関係、仕事環境についてとても良い。掃除も、業者の方が入ってくださるので、自分自身仕事に集中することができる。とても良い環境で働くことができる。
引用元:https://en-hyouban.com/company/10200220613/17/
弁護士の先生を含め、とにかく人がいいです。代表との距離も近く、風通しの良い職場だと思います。急成長中なので、ある程度の忙しさはありますが、ホスピタリティーの高い人が多いので楽しく仕事ができるように感じています。
引用元:https://en-hyouban.com/company/10200220613/19/
まだ事務所の規模自体は大きくは無いが、事件の受任件数もとても多く、代表のマーケティング力もすごく、今後大きな成長ができる職場だと思う。事務仕事に加え、他の仕事もいろいろ任せてくれるので、自分自身の成長にもつながると思う。
引用元:https://en-hyouban.com/company/10200220613/23/
まとめ
TSLは、急成長、拡大中の法律事務所です。四谷に本店を構え明るくきれいなシェアオフィスに入居し、若々しさあふれる雰囲気があります。
また、一般民事などの通常の法律業務などのほか、企業法務の中でも、ベンチャー支援を中心に、近時注目を集めているルールメイキングにもフォーカスしており、幅広い取り扱い分野があります。
街弁的な弁護士としての王道の1つに取り組みたい人のほか、最先端の企業法務にも今後チャレンジしてみたい方には、ピッタリといえるでしょう。
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