企業法務の案件に触れる機会がある弁護士の中には、コンサルタントへの転職を考えている人もいるのではないでしょうか。

弁護士として企業法務案件を多く扱ううちに、リーガル面だけでなく、より幅広くビジネスに関われるコンサルの仕事に興味が湧くのも自然なことです。

とはいえ、法務の知識に自信はあっても、経営に詳しいわけではなく、英語もできないといった場合に、採用してくれるコンサルティングファームがあるか不安になりますよね。

結論からいえば、弁護士からコンサルタントへの転職は可能です。

弁護士が持つスキルや経験を活かし、貢献してほしいと考えているコンサルティングファームは少なくありません。

この記事の前半では、コンサルティングファームの主な種類や、コンサル業務に活かしやすい弁護士のスキルを解説します。

また後半では、弁護士からコンサルタントへの転職成功に必要な事前準備や、おすすめ転職エージェントを紹介します。

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弁護士のキャリアに選択肢を。 まだ知らない、活躍できる事務所・企業をご紹介します。

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弁護士からコンサルタントに転職することは可能?

冒頭でもお伝えした通り、弁護士からコンサルタントへの転職は十分に可能。

というのも、コンサルの役割は企業が抱える課題をさまざまなアプローチにより解消し、発展の手助けをすることです。

中には、弁護士の専門分野である法務面で課題を抱えているクライアントもいるため、専門家としての知見が役立つ機会は多いといえます。

また、コンサルティングファームの業務はリスク管理も重要であることから、法務部門のマネージャー・スタッフに、弁護士を採用しているケースも少なくありません。

業務的には法律事務所で働いていたときと大きくは変わらないかもしれませんが、コンサルのほうがクライアントに貢献できたことを実感しやすいといえます。

主なコンサルティングファームの種類

コンサルティングファームでも弁護士業界と同様に競争が激しくなっており、他社との差別化を図るために、業務・業界に特化してのサービス提供が行われています

大まかなコンサルティングファームの分類は以下の通り。

【コンサルティングファームの種類】

総合系コンサルティングファーム 【企業例】 アクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティング
戦略系コンサルティングファーム 【企業例】 マッキンゼー・アンド・カンパニー 、A.T. カーニー
IT系コンサルティングファーム 【企業例】 IBM、日本オラクル
シンクタンク系コンサルティングファーム 【企業例】 野村総合研究所、NTTデータ経営研究所
人事系コンサルティングファーム 【企業例】 リンクアンドモチベーション、リクルートマネジメントソリューションズ
国内独立系コンサルティングファーム 【企業例】 船井総研、ジェムコ日本経営

ファームの種類によって業務が大きく異なることはありませんが、クライアントとのかかわり方・提供するサービスには違いがあります。

そのため、それぞれのファームによって、弁護士経験以外で求められるスキルや知識が変わってくるので注意してください。

コンサルティング業務に活かしやすい弁護士のスキル5つ

弁護士とコンサルの業務には近しい部分もあり、未経験の転職ながら早い段階で活躍することも不可能ではありません。

コンサルティング業務に活かしやすい弁護士のスキルを確認しておきましょう。

情報収集・文章作成能力

弁護士がコンサルタントに転職する際に役立つスキルの一つが、文書作成能力です。

未経験からコンサルタントに転職する場合、アナリスト(アソシエイト)と呼ばれるポジションからスタートすることが多いといえます。

アナリストの主な業務は情報収集や資料作成など。弁護士にとっては、今までに散々行ってきた作業ですよね。

もちろん、コンサルとしての情報収集・資料作成と、弁護士業務として行うものでは勝手が違うでしょうが、要領さえ掴んでしまえば、上手くこなせるはずです。

論理的思考力

コンサルタントとして働く上で必須ともいえる論理的思考力ですが、多少方向性は異なるにしても、すでに身についている弁護士は多いはず。

というのも、コンサルティング業務で求められる論理的思考は、弁護士業務の中でも自然に行われているからです。

  1. 問題の本質を見極める
  2. 適切な解決策の提案
  3. 相手を納得させる説明

論理的思考力が必要なコンサルの業務として、主に上記3つが挙げられます。おそらく法律相談の中で、どれも実践していますよね。

弁護士業務の中で、コンサルとして必要な論理的思考力に近い考え方が身についている点で有利といえます。

法律の知識

当然、法律の知識もコンサルティング業務に活かせます。コンサルティングファームでもM&Aや組織再編などの案件も扱いますし、社外弁護士との交渉が必要なケースも少なくありません。

また、仕事にスピードが求められるコンサルの業務において、法務面のリスク管理ができる弁護士がチーム内にいるというのは非常に心強いといえます。

M&Aの経験

売り手側の場合、M&A初期の売却スキーム、募集方法、スケジューリング、チーム編成などについての経験があれば、引く手あまたと言えます。弁護士資格を持っていれば、秘密保持契約、基本合意書(LOI)、譲渡契約書など各種書面の作成にも強みを発揮できます。

一方買い手側のデューデリジェンスでは、譲受のスキーム、チーム編成相談に加え、法的リスクを洗い出した経験はそのままコンサル業界でもプレイヤーやチームの要として機能します。

また、譲渡契約書をはじめとした各種書面において、デューデリジェンスで判明した課題をもとにリスクヘッジプランの考案を求められるケースも多く、クロージング後のPMIにおいても活躍できるでしょう。

新規事業計画・戦略法務の経験

会社制度の自由化や金融スキームの変化によって、CVC、オープンイノベーション、社内創業など、さまざまな新規事業の創出手法があります。新規技術を持った多くのスタートアップ企業が生まれる昨今、既存事業の構造に大きな影響を与えているといっても過言ではありません。

ここで問題になるのが、サービスの普及と当時にルールも普及させることです。経済産業省ではこれをルールメイキングと「標準化」と呼んでいます。

引用元:経済産業省|なぜ今ルールメイキングが重要か~標準化の戦略的な活用~

ルールメイキングの必要性は大きく分けると、以下の3つの場面に分けられます。

  • 事業の障害となる規制があるとき
  • 事業に対する規制がないとき・不明なとき
  • 既存の事業に関して規制が開始・強化されようとするとき

また、企業がこの標準化に取り組む意義として

  1. 新市場の創造(認知度向上、新たな技術の客観的な証明)
  2. 競争優位性の確立(分類化による差別化)
  3. 市場獲得への環境整備(規制への引用、認証の取得)

この3つがあります。弁護士として何のコンサルに関わるか次第ですが、新規事業の創造、事業成長戦略としての法務は重要な役割ですので、こういった経験は必ず活きると言えます。

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弁護士がコンサル転職を成功させるためにしておきたい事前準備

コンサルティングファームへの転職を成功させたいのであれば、念入りな事前準備が必要不可欠です。

コンサル特有の選考方法について、対策なしで挑むのは無謀といえます。転職活動を行うにあたり、事前にやっておきたいことを確認しておきましょう。

自己分析

本格的な転職活動を始める前に、まずは自己分析をしておくことをおすすめします。

自己分析の目的は大きくわけて2つ。

  • 転職の目的をはっきりさせる
  • スキルや経験の棚卸し

特に転職活動で重要なのが「転職の目的をはっきりさせる」こと。転職活動で失敗する原因の多くは、自分の中に明確な軸(判断基準)がないことによるものです。

軸がしっかり定まっていないと、待遇の良さや知名度など、見かけの情報に左右されやすく、本来の転職目的とかけ離れた選択をしてしまいます。

明確な判断軸を持つためには、転職によって何を変えたいのか、目的をはっきりさせることです。そうすれば、余計な情報に惑わされずに済むため、納得いく転職結果が得られやすいといえます。

コンサル業界の情報収集

コンサル業界とひと言にいっても、前述したように事業領域はさまざまです。領域が違えば、当然求められるスキルや経験は異なるため、しっかりと情報収集をしておく必要があります。

また、コンサルティングファームも不況がくればあおりを受けます。

現時点での業績だけでなく、扱う領域の将来的な成長性も含めて検討したほうがよいでしょう。

ビジネス・経済の話題をキャッチアップしておく

ビジネスや経済の動向を日頃からキャッチアップする癖も付けておいたほうがよいでしょう。弁護士の場合でも同様かと思いますが、優秀な人は常日頃から新しい情報をキャッチアップし、知識のアップデートを心がけています

転職後から習慣づけるのでも問題ありませんが、積み重ねの成果が出るのは数ヶ月後です。より早くコンサルの業務に慣れたいのであれば、転職前からやっておいて損はありません。

ケース面接対策

ケース面接はコンサルならではの選考方法です。通常の面接と異なりぶっつけ本番で臨むのはリスクが高いため、きちんと対策しておきたいところです。

書籍等により知識を身につけるのも良いですが、できれば実戦に近い形で練習しておいたほうがよいでしょう。コンサル転職に特化した転職エージェントを利用すれば、実戦形式でのケース面接対策が受けられます

また、本命でないコンサルティングファームの選考を通じて、経験を積むのも作戦の一つです。

Excel操作に慣れておく

新人に対して使い方の研修を行うほど、コンサルではExcelを頻繁に使います。そのため、できればExcel操作に慣れておいたほうが、入社後の苦労は少ないかもしれません。

無理にExcelを使ったデータ分析等を行う必要はなく、Excelにはこんな機能があるという程度でよいので勉強してみてください。

コンサル業界に転職したい弁護士におすすめの転職エージェント4社

コンサルタントへの転職を目指す場合、転職エージェントの活用も選択肢の一つ。

もし転職エージェントに登録するのであれば、コンサル求人を多く扱うサービスを利用するのがおすすめです。

この項目では、コンサル転職におすすめの転職エージェントを4社紹介します。

NO-LIMIT|弁護士・法務人材専門の転職

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NO-LIMITは、弁護士資格者専門の転職支援サイトで、M&A案件・企業法務専門の法律事務所だけでなく、企業コンサルタント求人も扱っています。

無料の会員登録をすることで、業界出身のアドバイザーから、コンサルタント求人の紹介を受けることができます。求職者は完全無料で利用でき、一般企業への転職経験がない経験弁護士でも、内定を獲得するまで伴奏するのが強み

紹介求人先の企業例としては『ヤフー』『野村証券』『日本M&Aセンター』『デロイトトーマツコンサルティング』『リーガルフォース』、法律事務所なら『弁護士法人グレイス』『法律事務所Zelo』などがあります。

いわゆる転職サイトではなく、内定を得る所までのサポート体制はもちろんのこと、社外役員としての紹介も可能です。

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ビズリーチ|ハイクラス人材・年収600万円以上の転職

ビズリーチ

ビズリーチはハイクラス層向けの会員制転職サイトで、1万件以上のコンサルタント求人を扱っています

会員登録することで、様々なヘッドハンターや企業から直接スカウトを受けることができるようになります。

有料と無料の2つの会員プランが用意されており、機能を余すことなく利用するためには有料会員への登録は必須です。

なお、あくまでも転職サイトですので、ビズリーチ自体は求人紹介や面接対策などは行わないので注意してください。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/

リクルートダイレクトスカウト|年収1,000万円以上ハイキャリアを目指す

リクルートダイレクトスカウト

人材紹介業界最大手のリクルートグループが運営するハイクラス層向けの転職エージェントです。抜群の知名度を誇り、さまざまなコンサルティングファームの求人を幅広く扱っています。

ハイクラス層向けということもあり、扱う求人の多くは年収800万円〜2,000万円

現職の事務所で年収が比較的高めという方でも、年収を大幅に下げることなく転職することができるかもしれません。

公式サイト:https://directscout.recruit.co.jp/

ムービンストラテジックキャリア

ムービンストラテジックキャリア

ムービンストラテジックキャリアは、コンサルティング業界への転職支援に特化した転職エージェントです。質の高いサポートに定評があり、これまでに数々の賞を受賞しています。

ムービンストラテジックキャリアが質の高いサポートが提供できる理由の一つは、コンサル業界出身のキャリアアドバイザーが多いことです。

BCGやローランドベルガー、PwCなど有名コンサル出身者が在籍しており、実情を踏まえたアドバイスやサポートが受けられます。

公式サイト:https://www.movin.co.jp/

弁護士からコンサルへの転職成功事例

弁護士からコンサルに転職した事例で有名なのは、freee株式会社の桑名直樹さんが挙げられます。

法律事務所で数年勤務したのちBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に転職。その後2017年からはfreee株式会社に参画しています。

またアクセンチュア株式会社では、2021年6月時点で13人の弁護士が所属しています

順位 企業名 人数
1 ヤフー 42
2 三井住友信託銀行 26
3 野村證券 25
4 三菱商事 24
4 アマゾンジャパン 24
4 LINE 24
7 三井住友銀行 23
8 双日 22
8 三菱UFJ銀行 22
8 三井物産 22
8 三菱UFJ信託銀行 22
12 丸紅 21
13 住友電気工業 19
13 パナソニック 19
15 第一生命保険 16
15 KDDI 16
17 みずほ証券 15
18 豊田通商 14
19 住友商事 13
19 NTTドコモほか2社 13

引用元:企業内弁護士を多く抱える企業上位20社|日本組織内弁護士協会

所属弁護士全員が必ずしも、コンサル業務を行っているわけではありませんが、プロジェクトの素早い進行に欠かせない存在というのは間違いないです。

まとめ

弁護士からコンサルタントには似ている部分も多いことから、転職を実現することも不可能ではありません。

とはいえ、いくら弁護士であっても転職を成功させるためには、きちんと準備をする必要があります

特にコンサルタント特有のケース面接対策は必要不可欠です。可能であれば、本を読むだけでなく実践形式の練習も転職エージェントなどを活用して、やっておくとよいでしょう。

また、コンサルタントではなく、ファームの法務部門で働くというのも選択肢の一つ。

自分がどういうキャリアを築きたいのか、スキルや経験をどう活かしたいのか、よく考えてみるとよいでしょう。

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