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パートナー弁護士になれない理由とは?パートナー以外の魅力的なキャリアも紹介

更新日: 公開日:

法律事務所の共同経営者であるパートナーは、法律事務所で弁護士が目指す最高峰のキャリアです。特にシニアパートナーは上位のパートナーに位置づけられる最高ランクのパートナーなので、いつかはなりたいと考える弁護士も多いことでしょう。

しかしパートナーになる道のりは厳しいため、キャリアの転換を考える弁護士は少なくありません。

パートナーになれないと悩んでいる方は、パートナーになれない弁護士の共通点とパートナーになるために必要な要素を知っておきましょう。また、パートナーになれなかった場合のキャリアプランも改めて考える必要があります。

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目次

パートナー弁護士になる3つのメリット

法律事務所でパートナーになると、収入や影響力の増大などさまざまなメリットを得られます。パートナー弁護士になるメリットを把握していることで、キャリアアップを目指して業務や勉強に打ち込めるようになるでしょう。

パートナー弁護士になるメリットのうち、代表的な3つをご紹介します。

収入を大きく上げられる

パートナー弁護士になると、法律事務所が上げた収益の一部を得られます。

パートナーの年収は法律事務所によって数千万円から数億円と幅があるため年収相場を出すことは困難ですが、少なくとも一般的なアソシエイト弁護士よりもはるかに高い報酬です。

もちろん、パートナーとして高い成果を出す必要がありますが、それだけの努力は十分に報われるでしょう。

自分の裁量で案件を進められる

パートナー弁護士になると、法律事務所が抱える案件について自分の判断で進め方を決められます。自分の専門知識や経験を最大限活かして戦略を立てられるため、やりがいを感じることができるでしょう。

上司から指示を出される立場ではなく、自分でアソシエイト弁護士たちに指示を出す立場になります。案件を超えて、事務所へ大きな影響力を持つことになります。

事務所の経営や人材育成に関与できる

パートナー弁護士の中でもランクが上位のシニアパートナーになると、事務所の経営や人材育成にも積極的に関与します。

事務所の将来や発展に責任を持つ立場として、自分の意見や提案を事務所の運営に反映できます。また、若手弁護士の教育や指導も主導し、優れた人材を育成することができます。

パートナー弁護士になって直面する課題

パートナー弁護士になると、今まで以上に事務所の売上げに貢献しなければなりません。

一般的なアソシエイト弁護士の場合、事務所が受けた案件やパートナーが獲得してきた案件を割り振られます。しかしパートナーは事務所内で独立しているような立場なので、基本的に事務所案件を受け持つことはありません。自ら営業活動をおこなって案件を獲得し、アソシエイト弁護士に割り振りつつ自分でも案件対応をし、事務所の売上げに貢献する必要があります。

そのため、営業力が弱い弁護士は売上げに貢献できず、パートナー弁護士になったメリットを十分に享受できなくなってしまいます。

パートナーになれない弁護士の5つの特徴

パートナー弁護士になれない場合、資質が不足している可能性があります。

なぜなれないのか、どうすればなれるのかを知るためにも、パートナーになれない弁護士に共通している特徴を確認しておきましょう。

コミュニケーション能力が低い

コミュニケーション能力が低いというのは、自分の意見を上手に伝えられないだけでなく、他人の意見を聞くスキルが低いということです。

パートナー弁護士になるには、同僚やクライアントと円滑にコミュニケーションを取ることが必要です。しかし、コミュニケーション能力が低い弁護士は、自分の考えが正しいと思い込んで、他人の話を聞かなかったり反論したりします。

コミュニケーション能力が低い弁護士は信頼関係を築くことができませんし、仕事の効率も悪くなります。パートナーとしての資質が不足していると言わざるをえないでしょう。

対応分野が狭い

パートナーになって事務所の売上げに貢献するには、幅広い分野の案件に対応できることが求められます。しかし、対応できる分野が狭いと自分の得意な分野の案件にしか対応できないため、売上げの源泉が限定されます。またクライアントの多様なニーズに応えることができず、信頼感を勝ち取ることも難しくなるでしょう。

得意分野があるということは弁護士の大きな強みですが、一方で特定の分野に偏ってしまうと仕事の幅が限定されるため、パートナーとしては物足りない印象です。

リーダーシップがない

パートナーになるにはチームやプロジェクトを率いて目標や方針を決めたり、メンバーを指導したりすることが必要です。しかしリーダーシップがない弁護士は、自分から積極的に動かず、他人に任せて従属的な立場に甘んじます。

これでは、自分の能力や価値を示すことができず、仕事の成果も出ません。パートナーとして認められにくいでしょう。

営業が苦手

営業が苦手というのは、自分が所属する法律事務所のリーガルサービスや価値をアピールしたり、新しいクライアントを獲得したりすることに抵抗感や不安感があるということです。

パートナーになるには、自分の仕事に対する情熱や信念を伝えてクライアントの信頼や満足を得ることが必要です。しかし営業が苦手な弁護士は提供するリーガルサービスの価値をアピールしたり、クライアントとの関係を深めたりすることができません。

これでは、パートナーとしての役割を果たすことができないでしょう。

外的要因が影響している場合もある

パートナーになれない理由は、上記のような個人的な資質が原因とは限りません。

司法改革によって弁護士の数が増えた結果、昇格競争が激化し、パートナーになれる弁護士はごく一握りになりました。事務所内のパートナー弁護士の数が充足していると、どれだけ優秀でもパートナーになることができません。

こうした時代的な外的要因が影響してパートナー弁護士になれない場合、いくらコミュニケーションスキルや営業力を磨いてもパートナーになれるチャンスが限定されてしまいます。

自身がパートナーになれない理由が資質的な問題なのか、それとも外的要因が大きいのかは見極める必要があります。

いまの事務所でパートナー弁護士になれなくても、資質があればほかの事務所でパートナーになれる可能性があります。また、パートナー弁護士になる以外のキャリアパスを検討してみてもよいでしょう。

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パートナー弁護士になるために必要な要素

パートナー弁護士になるには、以下のような要素が必要とされます。

経験年数が長く対応分野の幅が広いこと

パートナー弁護士になるには、3~5年以上の実務経験が必要といわれています。長い時間をかけて、さまざまな経験を積んできた弁護士が昇格します(もちろん例外もあります)。

多くの案件に関わることはもちろん、留学や出向といった希少価値の高い経験を積むことも大切です。そうした経験を通じ、法律の知識や交渉スキル、リーダーシップやマネジメントスキルなど多岐にわたるスキルを身につけておきましょう。

また分野を限定せず幅広い分野に関心を持ち、常に最新の情報や動向に目を向けることも大切です。法律は判例は常にアップデートされていくため、柔軟に対応分野を広げていける弁護士はパートナーとして価値があるといえるでしょう。

事務所に売上で貢献していること

パートナー弁護士になるためには、事務所に売上で大きく貢献することも必要です。

たとえば収益性の高い案件で成功を収めたり、新しいクライアントや案件を開拓したりすることが考えられます。後輩弁護士の育成や教育に携わったり、事務所のブランドや評判を高めることも、売上につながる貢献のひとつです。

直接的に売上につながらなくても、事務所の発展や成長につながる動きをしていることが大切です。

価値観が事務所の方針や文化に合致していること

パートナー弁護士は事務所の共同経営者という立場のため、価値観が事務所の方針や文化に合致している弁護士が採用されます。

事務所のビジョンやミッション、理念や目標などに共感し、それらを実現するために努力することが求められるでしょう。

幅広い人脈があること

さまざまな分野や業界の人とつながっておくことも重要です。

幅広い人脈があれば、新たな案件や情報を得やすくなりますし、自分の法律事務所の知名度や信頼度を高めることもできます。結果的に、事務所の売上への貢献につながります。

また人脈を築く過程で自分の知識を広げたり、他者の視点や意見を聞いたりすることでスキルアップにつながります。

人を惹きつけるコミュニケーションスキルがあること

パートナー弁護士になるには、法律的な知識やスキルだけでなく、ほかの弁護士やクライアントと円滑にコミュニケーションスキルが必要です。

コミュニケーションスキルがあれば、自分の考えや提案をわかりやすく伝えたり、相手のニーズや悩みを的確に把握したりすることができます。相手に対して敬意や信頼を示したり感情的にならずに冷静に話したりすることもできるので、事務所のメンバーやクライアントを惹きつけ、事務所の売上げにつながります。

外国の弁護士資格や英語力が必要な場合もある

国際的な案件を扱う事務所では、外国の法律事情や文化に精通していることが求められます。国際感覚や語学力があると、評価が上がります。

外国の弁護士資格がなければ携われない案件が発生する可能性が高いため、パートナー弁護士を目指すのであれば資格取得を目指しましょう。法律知識も語学力も実務レベルが求められるため、業務で使用して経験を積みましょう。

パートナー弁護士になれないときに見直すポイント

パートナー弁護士になれなくて悩んでいる場合には、改めてパートナーの役割や仕事内容を確認するとともに、今の事務所で必要な条件の確認や自己分析をすることが必要です。

パートナー弁護士の役割や仕事内容

改めて、パートナーの役割や仕事内容を確認しましょう。

パートナーは、法律事務所の経営や運営に関わる重要な役割を担います。たとえば事務所の方針や戦略を決めたり、案件やクライアントを管理したり新規で獲得したりすることが求められます。また自分の担当案件だけでなく、ほかの弁護士やスタッフのサポートや指導も必要です。

つまりパートナー弁護士には、法律の専門家としてだけでなく経営者として活動することが求められます。

自分がなりたい姿・やりたいことにパートナー弁護士が合致しているのか、もう一度考え直してみましょう。

事務所のパートナー弁護士の要件

パートナー弁護士の昇格条件や求められている資質は、法律事務所によって異なります。そのため自分が所属する事務所において、パートナー弁護士の要件を満たしているかどうかをチェックする必要があります。

いまの事務所における条件を確認することで、パートナー弁護士になれる具体的な時期や自分に足りない要素を把握することができます。

また要件に従ってパートナー弁護士を目指すと、理想のキャリアプランやなりたい姿にそぐわなかいことがあります。そのときはキャリアプランの見直しが必要となるため、早い段階で要件を把握する必要があるでしょう。

自分にパートナー弁護士の資質があるか

自分にパートナー弁護士としての資質があるかどうかを見つめ直すことも大切です。たとえばビジネスセンスや営業力があるか、組織のリスク管理や問題解決に長けているかなどの視点が考えられます。

いずれかの要素が不足していて努力しても補えない場合には、パートナーを目指すよりもアソシエイト弁護士としてスキルアップに努めたほうが、満足度が高いキャリアが形成できる可能性もあります。

パートナー弁護士になりたい理由

弁護士になった当初は志をもって自己研鑽を続けていたものの、いつのまにか出世だけが目標になってしまうケースがあります。パートナー弁護士になることは多くの弁護士にとって魅力的なキャリアですが、必ずしも自分の幸せや志につながるとは限りません。

たとえば、パートナーになったことで責任やプレッシャーが増え、プライベートの時間が減ることがあります。自分の興味がある分野や案件を選べなかったり、自分の意見や価値観を抑え込まなければいけない場面もあるでしょう。

パートナー弁護士になったときの自分の姿を具体的に捉え、自分が本来目指していた幸せや志はパートナー弁護士になることで達成できるのかどうか、改めて考えてみましょう。

パートナー弁護士以外のキャリアプラン

弁護士のキャリアは多様化しており、パートナー以外にもさまざまな選択肢があります。以下では、パートナー弁護士以外で弁護士におすすめできるキャリアパスを紹介します。

アソシエイト弁護士を継続する

アソシエイト弁護士だからといって、仕事の能力が低いわけでも、弁護士として社会に貢献できないわけでもありません。自分の得意な分野や興味のある分野で専門性を高めたり、困っている人の役に立つことができれば、やりがいや充実感を得られるでしょう。

アソシエイト弁護士が経営に携わることはほとんどありませんが、逆に経営以外の業務であればいくらでも成長が見込めます。専門性を高めたり分野を広げることで、年収を上げることもできるでしょう。

事務所を変えてパートナーを目指す

五大法律事務所などの大手法律事務所では、所属弁護士数が多いためにポジションに空きが出ないといった問題があります。これに対し、準大手法律事務所や中小法律事務所ではポジション争いが比較的緩やかになり、パートナー弁護士になるチャンスが広がる可能性があります。

また事務所の方針やボス弁と相性が悪く、パートナー弁護士になれないといったケースもあります。この場合は、事務所を変えるだけでパートナー要件を満たすことがあります。

そのため、移籍によってパートナー弁護士を目指すのも選択肢のひとつです。

独立開業する

パートナー弁護士にならずに、独立開業するという選択肢があります。独立開業することで自分自身が経営者となり、パートナーに求められるようなスキルを発揮できるでしょう。

自分で案件を選んだり、自分のペースで仕事をしたりすることも可能です。

独立開業にはリスクもともなうため、自信と覚悟が必要です。ただし待っていてもパートナー弁護士になれない環境にいるなら、独立開業したほうが早く理想のキャリアを実現できるかもしれません。

インハウスローヤーとして転職する

企業法務の経験がある場合は、インハウスローヤーとして企業に転職するのも方法です。

インハウスローヤーは所属企業の経営や事業に関わる法的問題を解決することが仕事なので、法律事務所の弁護士よりも経営やビジネスに近い立場で働くことができます。

また企業の法務部では弁護士有資格者が管理職になるケースも多いので、組織内の出世という点でもチャンス広がる可能性があります。管理職を目指す場合は、あらかじめ企業で用意されているキャリアパスを確認するようにしましょう。

社外取締役になる

弁護士としての知見を活かして、社外取締役になる道もあります。社外取締役になることで企業の経営に参画し、その監督や助言を行うことができます。

ビジネスパーソンとしての視野やネットワークが広がり、社会的な貢献や影響力も高まるでしょう。

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パートナーになれないときは転職エージェントにキャリア相談を

パートナーになることを目指していたものの実現できないと判断し、キャリアの転換を検討することがあるでしょう。その際は、弁護士のキャリアに詳しい転職エージェントに相談することをおすすめします。

転職エージェントにキャリア相談すべき理由を紹介します。

多様なキャリアプランを提案してくれる

弁護士としての成功は、パートナーになることだけではありません。弁護士のキャリアは多様化しており、さまざまな場所や方法で弁護士が活躍しています。

しかしパートナー弁護士を目指してきた場合には、ほかのキャリアパスを想像できなくなっているかもしれません。その場合は、転職エージェントに相談するとパートナー以外の多様なキャリアプランを提案してくれます。

とくに弁護士に特化した転職エージェントであれば、弁護士の特性を理解したうえで、求職者の強みや興味関心に適応したキャリアプランを提案してくれます。パートナー以上にやりがいがある環境を見つけて、高い意欲をもって取り組むことができるかもしれません。

応募先の詳細情報を提供してくれる

パートナーになれない場合のひとつの選択肢として、転職が考えられます。

転職においては応募先について詳細に知ることで成功確率を高められますが、自分の力だけで応募先の実態や雰囲気を把握することは難しい面があります。とくにインハウスローヤーとして転職する場合は、法律事務所と企業の組織体制や性質の違いに混乱することがあるでしょう。

転職エージェントを利用すると応募先の業務内容や規模などの基本情報だけでなく、組織構成や風土、用意されているキャリアパスなどを知ることができます。これらの情報をもとに自分に合った応募先を選ぶことができますし、応募先にあわせた適切なアピールができるようになることは大きなメリットです。

非公開求人に応募できる

転職エージェントは、非公開求人を多く保有しています。一般に公開されていない求人なので競争率が低く、条件がよい場合が多いです。</p>

非公開求人は自力でアクセスすることは不可能であり、転職エージェントを経由することで応募できます。転職エージェントにあらかじめ希望の条件や経歴を伝えておくことで、マッチする非公開求人を紹介してくれます。

弁護士に特化した転職エージェントであれば、より弁護士の非公開求人数が多いため、利用をおすすめします。

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まとめ

いまの事務所でパートナー弁護士になれない理由は、コミュニケーションスキルやリーダーシップ、営業力などがないことかもしれません。

一方で司法改革の影響で弁護士数が増えたことから、優れた資質があってもパートナーになれないケースが多数あります。

その場合はパートナー以外のキャリアにも目を向けてみましょう。パートナーでなくとも、弁護士としての成功や社会貢献は実現可能です。

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