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企業法務の魅力とやりがいを解説|業務内容の幅広さや企業規模の違いまで

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企業法務は、大手の事務所へのイメージがありますが、細かな契約書のレビューや顧問相談対応から、数100億円が絡むような大型のM&A案件や資金調達案件、特許や著作権関係の案件など、ダイナミックでスケールが大きいものまで様々です。

その分、専門分野も多岐に渡り、弁護士が活躍できる余地も無限であるといえます。企業法務を得意とし、顧問先企業を抱えていくことは、法律事務所の経営としても、安定化要素となります。

今回は、企業法務の魅力について、業務内容それぞれについて概観しつつ、それぞれ解説していくほか、企業規模やポジションごとの魅力まで深堀りしていきます。

これから企業法務のキャリアを目指す方は、是非ご覧ください。

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企業法務の業務内容10種別にみたそれぞれの魅力とは

企業法務には、業界ごとにある特殊な領域を除いて、大きく次のような内容です。それぞれ項目ごとに、種類や業務の性質、具体的内容まで一覧で整理していきます。

  3つの分類
(予防法務、臨床法務、戦略法務)
業務の性質、特徴 具体的な内容
1:コーポレート 予防法務 定型的 役会運営、総会運営・資料作成、質問対応、債権回収・管理
2:契約書レビュー・ドラフト 予防法務 基本的には定型的 事業部を中心に各部署からの依頼により、契約書をチェック→修正案を稟議にかけるというところまで含む場合もある
3:社内規程やコンプライアンス体制に関するもの 予防法務 基本的には定型的 社内規程の策定、改定社内研修の資料作成、研修の実施内部通報窓口対応コーポレートガバナンス・コードへの対応内部監査対応
4:法務相談対応・訴訟対応 予防法務
臨床法務
臨機応変な対応が求められる ・各部署からの相談対応
・顧問弁護士との窓口、ヒアリング対応、訴訟の進め方などの検討
5:省庁対応・レギュレーション法務 予防法務
戦略法務
経営判断と密接 業法を中心とした各種規制に対する照会、所管省庁に対する書面作成、パブリックアフェアーズなど
6:知財管理 予防法務
戦略法務
事業と密接(特許関係は特に) 特許申請、自社コンテンツの保護に関する業務、侵害の有無のチェック
7:IPO 戦略法務 経営判断と密接 J-SOX、証券会社対応、内部監査(監査法人)対応
8:M&A・資金調達 戦略法務 経営判断と密接 ・M&Aのスキーム検討、法務DDの実施、条件面の交渉、リスクなどの検討
・増資スキームの検討、契約書の検討、相手方との交渉
9:新規事業のスキーム構築 戦略法務 創造的 ビジネスモデルの適法性検討、ルールメイキング(パブリックアフェアーズ、ロビィング)
10:危機管理・不祥事対応 臨床法務 定型性もあるが、社内の事前のオペレーションだけでは足りない メディア対応、当局への報告対応、事実関係の調査業務、事実認定レピュテーション管理

※3つの分類に関する詳細については、こちらの記事をご参照ください。

関連記事:企業法務とは何をする仕事なのか|法務部の役割や重要性・資格についてもわかりやすく解説

会社の規模や社内の業務分担の仕組みによって、どこまで法務がカバーしているかには違いがありますが、ここまで列挙した企業法務の内容について、魅力を解説していきます。

コーポレート

コーポレートは、役会運営を中心に会社の意思決定の中枢に関わることができる魅力があります。

法務は、事務局の立ち位置として、資料や議事録の作成などを行うのが主です。そして、適宜社内の情報についての共有を求められる場合や、役会での議論・検討のための報告書や意見書をまとめたりする場合もあり、一定のコミットメントが求められることもあります。

このような点は、単なる事務局対応ではない側面があり、魅力です。

また、株主総会では、質問対応で代表取締役の回答を顧問弁護士とも相談しながら、事前に準備しつつ説明すべき範囲などを判断して対応することは、専門家としてのスキルや細かな実務経験が求められます。

さらに、債権回収の業務は、そのための手段検討と、メリット・デメリットの洗い出しのほか、社内のオペレーションやコストを考えた上での経済合理性の観点から比較検討を行います。

こうしたビジネスサイドでの債権管理・回収業務は、顧問弁護士では必ずしも関われない点で、魅力があります。

契約書レビュー・ドラフトなど

契約書レビューは、事務作業的な側面が多く、業務の定型性が高い業務です。また、企業規模や事業形態にもよりますが、一般的には、法務の業務の中でも日常業務として大量にある場合がほとんどです。

とはいえ、1つ1つ丁寧にレビュー作業を行い、個々の取引などが事業として自社にとってベストな内容かどうか、事業部のリクエストに答えつつリスクの有無や評価を踏まえて検討することは、様々な法的知識やスキルを駆使する知的な生産作業であるといえます。

この点は、事務作業に見えても、法務としての価値を発揮できる重要なポイントで魅力があります

契約書の文案のドラフトは、過去の取引や文献などにあるようなひな型を使うだけでなく、現場である事業部のリクエストにいかに答えるか、事後の紛争リスクをマネジメントをすることが、法務固有の価値として魅力があります。なお、似たような側面がある業務として、利用規約の作成・改定作業もあります。

社内規程やコンプライアンス体制の構築と運用

社内規程は、定款を含めて、事業を動かすための様々なオペレーションに関わるため、重要性が高いです。社内規程に関する業務は、スタートアップ段階では内容の策定がありますが、そうでない場合は基本的に追加修正です。

労務と関わる内容も多いことから、労務で専門性を発揮したい人にとっては、魅力があるといえます。

コンプライアンス体制の構築と運用は、コーポレートガバナンス・コードの対応が重要です。社内でどのようなコンプライアンス体制をとるのが適合的かを検討したり、その内容を踏まえて体制を構築、運用することで、社内のオペレーション全体に関わる点が魅力です。

法務相談対応・訴訟対応

法務相談対応は、企業法務でも街弁のように相談を受けて様々な案件をさばきたいという人にとっては、とても魅力的だと考えられます。

知見の提供のみで終わるものから、具体的な判断を求められるもの、さらにその次のアクションとして報告書をまとめたり、この後述べるような当局対応ともリンクしたり、様々な種類の法務と関わる点も魅力的といえるでしょう。

特に訴訟対応は、危機管理対応の最たるものともいえますが、レピュテーションリスクをコントロールするために、訴訟になる前の段階で、交渉で収められるかどうかが法務の力量という点もあり、顧問弁護士などとの連携も含めて、やりがいがあります。

省庁対応・レギュレーション法務

省庁対応は、業法規制に対する対応に関わる業務です。

コンプライアンスの観点から、法令の内容を順守していく側面から、所管の省庁や地方自治体に報告をしたり、行政側からの要望を社内のオペレーションの中で実現できるように検討していくことが、魅力を感じるポイントの1つです。

最近では、より事業を拡大・発展させていく側面から、当局対応を行っていく業務領域が増えています。それが、ルールメイキングです。

ベンチャーやスタートアップを中心に、先端事業・イノベーション事業に関わる場合、いわゆるパブリックアフェアーズやロビィングを行い、市場を創出していく業務があります。これは、法務として、会社の事業としても大きく成長に関わることでやりがいが大きく、新しいマーケットを創出し、市場を掌握していく戦略を実現していく点が非常に魅力といえます。

知財管理

知財は、事業内容にもよりますが、今は多くの会社が自社で様々なデジタルコンテンツを有しているため、経営資源として重要な位置づけです。

技術系のものであれば特許の取得や、特許侵害がされていないかなどの判断、パトロールを行うことが求められます。これらは、会社の事業を保護していくやりがいがあり、魅力です。

また、最近はマーケティングに関しても、景表法や特商法、ほかにも医療業界であれば薬機法に関する広告法務が重要性を増しています。自社の集客の仕組みづくりの上で、法務が自社のコンテンツを発信していく際の戦略構築に関わる点で、魅力があります。

IPO

IPOは、会社の一大プロジェクトですよね。IPOの準備において、法務が果たす役割は非常に大きいものがあります。

J-SOX対応、コーポレートガバナンス・コードへの対応を中心に、IPOを実現する上で欠かせない要素を担います。その分、プレッシャーも大きいですが、上場を実現したときの達成感を味わえることは、大きな魅力です。

IPOにおける法務の役割や重要性に関しては、こちらの記事もご参照ください。

関連記事:IPOにおける法務の役割とは|IPO成功のカギとなる法務の役割・位置・重要性

M&Aや資金調達

企業法務の花形的なものが、M&Aや資金調達ですよね。ある程度知名度がある企業であれば、アライアンスやM&Aのプレスリリースを出すと、注目されます。

また、資金調達も、会社のステージや調達額によって、注目度合いが異なりますが、数100億円の調達のようなスケールの大きいものは、もちろん業務の中身としても重要性・貢献度が高いことから、魅力があります。

新規事業のスキーム構築

新規事業を行うにあたっての適法性検討は、事業部との対立も生じやすいですが、リーガルリスクマネジメントの側面から重要性が高いです。

特に、Aという事業モデルでは適法性が維持できない場合や、法務リスク的な観点から妥当でない場合に、Bという代替案を提示したり、そのメリット・デメリットを踏まえた意見提示をしていくことは、非常に高度な専門性やスキルが求められ、法務としての価値が発揮される点で魅力があります。

もっとも、やり方によっては事業を停滞させてしまうので、常に建設的に、かつビジネスとしての最適化を志向することが重要です。

危機管理・不祥事対応

会社の事業の守りとして、危機管理や不祥事への対応は、非常に重要です。会社の事業の存続にも関わりうる場合もあることから、業務としての貢献度が高く魅力があります。もっとも、リスキーですから、法務としてはそのような場面に遭遇しないのが一番です。

企業規模で違う企業法務におけるやりがいの差異

ここまで業務内容ごとに、企業法務の魅力・やりがいを解説してきました。ここからは、企業の規模ごとに、どのような法務業務に魅力があるのかみていきましょう。

スタートアップ・ベンチャーの場合

スタートアップやベンチャー企業で柱となる法務が、資本政策・資金調達です。

資本政策は、中長期的な事業計画の中で、いつどのようなタイミングでどの程度の調達額をどのような方法で行うか、戦略的に策定していくというものです。

その際に、法務は、様々な選択肢を検討しつつ、計画の立て方、事業目標を見据えつつ、時点に応じて最適な調達方法と額を意見提示していくことが求められます。

法務の視点だけでなく、ビジネスセンスも問われる点で、やりがいがあります。

さらにステージによって、法務の魅力は異なります。

シード段階では、まさに設立に関する業務、定款作成を中心に、ビジネスモデルの適法性のチェックもあります。資金調達を重ねていく段階では、上記のような資本政策や資金調達もあります。

アーリーからミドル、レイターに発展していくに従い、契約書審査業務、内部統制の構築、利用規約の策定、省庁対応など幅が広がっていきます。

段階に応じて、法務のポジションとして関われることが異なる点がやりがいです。全体を通じて、企業法務全般に関わることができるのは、スタートアップやベンチャーにおける法務のやりがいといえるでしょう。

IPO準備中企業の場合

IPO準備企業は、まさに上記のIPOがやりがいであり、法務として関わったのであれば、一大プロジェクトであるといえます。

申請の2年前当たりの時期からであればIPOの実現まで関われたのであれば、全体的なIPOの法務を経験することになりますが、達成感とやりがいは大きいと考えられます。

また、IPO準備企業は、基本的に社内のシステムや法務に関するオペレーションも整いつつある段階です。そのため、法務の業務内容も、質が求められる段階になります。その点にやりがいを感じることもあるでしょう。

上場企業の場合

上場企業は、多角的な経営展開をすることになるので、主にM&A、アライアンスの戦略構築のほか、企業集団を形成するための内部統制のシステム構築に携わるというような、規模感の大きいことができることもあります。

また、プラクティスが分かれていくこともあるので、専門性の高い分野で様々な事業部とのコネクションを持ちながら関わることができることも魅力です。

IRなどの開示対応も、上場企業の法務独自の魅力といえます。さらには、レピュテーションリスクのマネジメントも、法務が関わることも多いです。

企業法務に関わる弁護士のポジションごとの魅力

そして、企業法務は、ポジションごとでも異なる魅力があります。顧問、社外役員、インハウスローヤー、CLO・GCについてみていきましょう。

顧問業務

顧問弁護士が典型的です。コミットメントの定め方は様々ありますが、基本的には、月の稼働時間のデフォルトが設定されており、超過時間ごとにアワリーの金額が上乗せになるような料金設定の顧問契約が多いと思います。

そのため、そのコミットメントに応じて、法務として切り出された形で、企業側から持ち寄られた案件に対して対応するのが顧問業務です。法務に関する論点として持ち寄られるため、分野ごとの専門性の高さが求められ、こうした点に強みを持って携わりたい人にとっては魅力が高いです。

また、様々な業態のビジネスとも関わりながら法務をやりたいという人にとっては、多数の企業と関われる可能性が高い顧問業務が魅力です。

社外取締役・非常勤監査役

顧問では足りず、もっと社内にコミットメントをしていきたいという人にとっては、社外役員として法務に関わることが魅力です。定例の役会への出席があったり、経営会議の内容の共有を受けつつ、事業の展開を全般的に見つつ法務に携わることができます。

収入面でも、顧問と比較してコミットメントに対する付加価値があることから、より高いものが期待できる点で、魅力があります。

関連記事:弁護士が社外取締役になるには|就任時のスキルセットや注意点・おすすめの選任サービスまで

インハウスローヤー

ビジネスの外側からの関わりではなく、内側から、日常的に事業に関わりながら法務をやれるのがインハウスローヤーの魅力です。

正社員として雇用されつつ業務にコミットしていくことがほとんどですが、最近では非常勤あるいはフルリモートといった形態での採用もあります。

顧問だと、どうしても法的なアドバイスのみを求められがちですが、ビジネスサイドでビジネスの視点を持って業務にコミットできることは、魅力です。

また、働き方の面でも、インハウスの場合には、福利厚生もあるため、WLBの充実が期待できる点も魅力といえます。さらに、管理職ポジションで法務をマネジメントしたいという人には、法務責任者ポジションでの関わり方までできる可能性があります。

CLO・GC

ビジネスサイドでの法務にとどまらず、もっとビジネスジャッジに関わりたい人は、CLOやGCの法務のトップにあたるポジションが非常に魅力的です。

インハウスローヤーとして相応の経験をしてからというのが一般的ではありますが、経験に応じて、外部からの採用としてCLO・GCポジションで法務全体の統括、そして事業全体の統括をしつつ、戦略構築などにも携わることができるのが魅力です。

これから企業法務弁護士を目指して転職する際のポイント

最後に、これから企業法務弁護士を目指すときのポイントを解説していきます。

企業法務求人は転職エージェント経由で探すのが効率的

求人は、弁護士業界での求人サイトのほか、転職サイト・エージェントで採用情報をリサーチすることができます。

もっとも、媒体によって募集先企業の業種や規模に偏りがあることがあります。また、非公開求人にも優良な採用案件がある場合もあります。

そこには、弁護士業界に精通したエージェントでなければたどり着けない求人であることが、少なくありません。そのため、弁護士業界に精通したエージェントを活用することが、最も効果的です。

未経験でもなれるか?

企業法務未経験であっても、業種によっては採用される可能性があります。労務関係に問題を抱えている企業では、労働事件を多く扱っている弁護士に頼みたいというニーズがあります。

また、事業承継や後継者問題を抱えている企業では、そうした企業の顧問をやった経験がある弁護士に依頼するニーズもあります。

一般民事事務所と比べた際の年収

企業法務系の事務所は、多種多様のものがありますが、業界に特化しているあるいはベンチャー特化なのか、総合型なのか、はたまた大手企業を相手にしているのかなどによって、報酬の範囲に差があります。

また、インハウスであれば、やはり上場企業か未上場企業かによって年収の差はあります。上場企業の方が高収入ではありますが、歩合的にSOなどで幅のある可能性があるのは、成長性の高いベンチャー企業の法務です。

このような点は、大手事務所と比較して、絶対値を求めていくかどうかによって、年収に着目した場合の魅力は異なります。

転職先の選び方|事業成長・自己スキルアップにつながる環境かどうか

企業法務の転職先の選び方は、どのような点に法務の魅力を感じるか、業界、コミットメント、法務として期待される役割の内容、スキルアップ、収入、WLBまで、様々な項目を立てて比較検討する必要があります。

項目が多くなる分、優先順位をつけて吟味していくことが重要です。その際には、やはり弁護士業界に精通したエージェントとの壁打ちを活用することが考えられます。

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まとめ

企業法務は、多種多様のものがあります。それぞれに事業における役割や重要性も異なり、魅力も千差万別です。

さらに、業界や企業の規模によって、関わり方による企業法務の魅力の違いがあります。

そして、コミットメントの度合いは、法務としての関わり方、ポジショニングによって変わってくるため、様々なポジショニングを経験しつつ法務に携わることで、様々な魅力を味わうことができるでしょう。

企業法務の魅力を整理し、挑戦したい方にとって、一助になれば幸いです。

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