法律の専門知識を使い働く法務職に対して、年収相場が高い印象がある方も多いのではないでしょうか。実際に法務職の年収相場は一般的に高いと言われています。また、企業としても優秀な法務職を採用したいと思う気持ちが強く、経験者や法学部出身者はキャリアアップがしやすいのも特徴です。
法務職の仕事は契約書の作成や確認と言った仕事からコンプライアンス、紛争対応、投資家対応など多義に渡り、企業を守るために専門知識を駆使して働きます。
一般的には法学部か法科大学院出身者が法務職を担うので、専門知識が評価されることで年収は高くなると想像します。他の職種とは異なる給与テーブルを利用し、年収水準が高くなる企業もあるようです。
ただし、一概に法務職といっても所属する企業規模や業務内容、所有資格により年収にばらつきはありますし、役職によっても年収は変わるでしょう。
中小企業の法務職の場合、そもそも法務職の人数が少なく経理や総務と並ぶコーポレート部門の一員となることもあります。そうなるとポストは少ないので昇格するのは難しいです。ただし、人数が少ない分さまざまな領域の仕事に挑戦できるなど、専門性が高い仕事が増える大企業の法務に比べるとやりがいを感じられることもあるでしょう。
この記事では、法務職の年代別の年収相場や法務職が年収を上げるための具体的な方法について紹介します。
目次
公開求人ベースの法務職全体の平均年収は566万円〜576万円
まず、法務職の年収相場を年代別で紹介します。
公開求人・求人サイトにおける法務の平均年収は570万円前後
大手転職サイト『転職会議』のデータによれば、法務職全体の年収相場は576万円程度になっています。
求人検索サイト「求人ボックス」のデータでは平均年収は約566万円となっており、そう大差はないことが確認できます。
賃金構造基本統計調査などを行う国のデータ(jobtag)では437.4万円とさらに低いデータとなっていますが、派遣社員、業務委託も含まれているのが要因といえます。
非公開法務求人・エージェント求人での平均年収は600〜800万円
求人サイト・ハローワーク等の公開求人とは違い、転職エージェントやダイレクトリクルーティングの場合、法務職の平均年収は600〜800万円が相場といえます。
これは法務実務経験3年以上がベースになっているのと、即戦力の法務人材を採用したいというニーズが多く、マネジメント経験や法務部の立ち上げなどを経験されている方も含まれるためです。
当サービス『NO-LIMIT』でも、転職支援実績は多くありますが、下記の紹介がベースになっています。
- 法務未経験(弁護士1年)/メンバークラス/年収650万円(法律事務所 → 一般企業)
- 法務経験3年/メンバークラス/年収800万円(一般企業 → 一般企業)
- 法務経験5年/リーダークラス/年収980万円(一般企業 → 一般企業)
- 法務経験10年/マネージャクラス/年収1200万円(一般企業 → 一般企業)
「新卒」法務職の平均年収は400万円程度
法務部のある企業で新卒法務部員を採用する場合、新卒では「総合職採用」という枠になることが一般的です。
最も多いのは関連性の高い総務・労務などを3、4年経験した上で法務に配属されるケースでしょうか。新卒から法務部への配属をやっている企業はホンダやヤフーなどの一部大手企業のみだと思って差し支えないと思います。
採用時の月収提示は『大学卒 210,000円〜230,000円』『修士了 230,000円〜260,000円』、年収換算で約252万円〜312万円。賞与を考慮すれば大体400万円前後になると思われます。
最近は法学部、司法試験合格者、修習終わりを採用するベンチャー企業も一部ありますが、すでに企業内弁護士や法務部があって、育てる環境があることが前提になっています。
一般法務職の平均年収が600万円未満という現実について
法務部が社内で求められる役割は、
- 法律を武器にして戦うアクセル
- 法的トラブルを未然に防ぐためにブレーキ
の役割の2つがあります。特に前者は契約をする際に自社にとって有利に契約を進めるためには法律の知識を使って、担当部署をサポートするという大事なポジションではあります。
しかし、法務部は必ずしも弁護士や弁理士、司法書士などのように、法律に関する専門家としてふるまうことを求められているわけではありません。もし法律の専門知識が必要となり紛争の対処をすることになった場合、そのタイミングで弁護士に相談しすればこと足りるからです。
【設問4】契約などの内容をチェックする担当者[法務担当者等]はいますか。 (複数回答)(N=888)
〇「専任の担当者がいる」が8.3%、 「兼任の担当者がいる」が25.6%、 「設置していない」が67.2%となった。
○専任・兼任いずれも担当者の人数は「1名」が5割以上となった。
何かことが起きれば問題ですが、何もなければ「法務部」は会社にとってコストでしかありません。
もちろん、何も起きないように日頃から「コンプライアンス研修」の実施や「ガバナンス強化」といった名目の準備は大事ですが、営業職のように売り上げや利益を上げる部署ではないため、支払うコスト(=年収)は期待するほど高額にはならないのが現実です。
弁護士有資格者の法務部年収中央値|500万円〜750万円前後
新卒や中途でも法律知識をそこまで求められない法務職において、弁護士有資格者の年収はどうでしょうか。
「日本組織内弁護士協会」の調査によれば、企業内弁護士の年収のボリュームゾーンは750万円〜1,000万円未満で、26.4%の人がこの年収の範囲であると答えています。
表:あなたの年収(支給総額)を教えてください
年収 | 2021年(人) | 2022年(人) | 2023年(人) |
250万円未満 | 0 | 0 | 0 |
250万円~500万円未満 | 15 | 3 | 6 |
500万円~750万円未満 | 92 | 48 | 27 |
750万円~1000万円未満 | 113 | 70 | 50 |
1000万円~1250万円未満 | 76 | 64 | 42 |
1250万円~1500万円未満 | 33 | 29 | 27 |
1500万円~2000万円未満 | 28 | 23 | 20 |
2000万円~3000万円未満 | 22 | 17 | 20 |
3000万円~5000万円未満 | 12 | 8 | 9 |
5000万円以上 | 5 | 3 | 3 |
参考:企業内弁護士に関するアンケート結果(2023年3月実施)
法務職の平均年収が570万円程度ですので、それに比べると高い水準と言えます。
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年代別で見た法務職の平均年収
求人サイト大手dodaの「平均年収ランキング企画/管理系全体」においては、法務の平均年収は20代で439万円、30代で615万円、40代で734万円、50代以上が797万円とのことでした。
20代 | 30代 | 40代 | 50代〜 |
---|---|---|---|
439万円 | 615万円 | 734万円 | 797万円 |
大企業の場合、案件内容も難しいので残業が増えるなど、年収が高くてもワークライフバランスが取りにくいケースもあるでしょう。また、優秀な人材が多ければ出世レースに勝ち抜くのが難しくなります。
そのため、中小企業・大企業のどちらが良いということではなく、求める年収水準と労働条件に合った企業を選べるのが一番良いと言えます。
20代法務職の年収
20代法務職の平均年収400万円前後といえます。
所属する企業や業務内容にもよりますが、20代の内は他の業種と比べても大きな差はありません。20代のうちに法務職としての基本的な知識を身につければ、転職もしやすくなります。
法務職経験者は市場価値が高いので、経験を武器により良い条件の企業にキャリアアップすることも可能です。
特に、総合商社や金融、コンサル、大手メーカーなどに勤務する場合には他の部署と並び1,000万円近く手にするケースもあるようです。法務職の経験にプラスαで英語力などを身につければ転職で大手企業へのキャリアアップ目指すことができるでしょう。
30代法務職の年収
30代法務職の年収は500万円程度です。30代以降は所属する企業もですが、社内の昇格により年収水準に差が出ます。
特に法務職は少数精鋭で構成されていることが多く、ポスト自体少ないケースもあるでしょう。年収を上げたいのであれば、まず自分が所属する企業で昇格を目指しましょう。そうすれば社内の評価があがり、給与水準も上がります。
また、転職においても法務職でマネージメント経験があるのとないのでは大きな差になります。昇格した上で転職活動をした方がより良い条件で転職活動を進めることもできるでしょう。
40~50代法務職の年収
40代~50代の法務職の年収は750万円を超えてきます。この年代に入ると経験を積んで管理職や役員になるケースもあるでしょう。
そうなれば責任も重くなるので年収水準も上がり、特に大企業の場合は年収1,000万円以上手にする人もいます。
ただし、法務職は企業全体で見るとポストは少ないです。そのため、ポストが多い営業などに比べると役員クラスまで昇格するのは難しい場合もあるでしょう。
しかし、最近ではCLO(最高法務責任者)を設置する企業も増えています。CLOを経験すれば、転職で有利になるだけではなく、社外取締役としての活動もすることができるでしょう。
法務職を極めたいのであれば、その先のキャリアも考えてなるべく高いポストへ昇格できるように努力しましょう。法務の求人紹介・転職相談はこちら
法務職で年収1,000万円を目指すことは可能?
ここでは、法務職で年収1,000万円をこえることができるのかについて解説します。
スキルや経験があれば十分可能
法務職で年収1,000万円を目指すことは所属する企業や役職によっては可能です。
たとえば、平均年収が1,000万円に近い企業であれば、給与テーブルの水準自体が高いので職種問わず年収1,000万円を超えることができます。
具体的には総合商社、金融機関、大手メーカーなどはもともとの年収水準が高いので法務職もその他職種に準ずることが多いです。これらの企業で順当に昇格することができれば年収1,000万円を目指すことは可能と言えるでしょう。
JHR 一般社団法人人材サービス産業協議会の『転職賃金相場2021』によれば、年収1000万円を超える人材のステータスとしては下記のような方となっています。
年収(万円) | 決定者・決定求人内容の特徴(定性情報) |
1000~ | 役 職|特許・知的財産、 法務などの責任者、部課長、課長候補。 規模は問わず製造業が多い。 スキル|事業会社での法務経験(特に知的財産) 5~10年程度。 同業界での責任者やマネジメント経験、弁護士資格 を持っているなど。 その他|40代~50代、同職種からの転職がほとんど。 理系大卒や大学院卒が多い。 |
800~999 | 役 職|国内及び海外の法務業務のマネージャー、エキスパート、担当者。規模は問わず製造業が多い。 スキル|事業会社での法務経験5年以上。会計・税務の知見、マネジメント経験、弁護士資格を持っている例もある。 中級~上級レベルの英語力が求められる場合もある。 その他|30代~50代、同職種からの転職が多い。大学院卒が多い。 |
600~799 | 役 職|知的財産、法務、監査室などの管理職、担当者。規模は問わずサービス業がやや多い。 スキル|同業界の法務・知的財産業務経験3年以上、マネジメント経験、英語力が求められる場合もある。 その他|30代~40代、同職種からの転職が多い。大学院卒が多い。 |
400~599 | 役 職|法務、コンプライアンス、知的財産、特許の担当者、リーダー候補。 スキル|半数以上は法務実務経験者で、事業会社での5年以上の経験が多い。英語力が求められる場合もある。 その他|20代~40代で30代が中心。他職種からの転職も多い。 |
300~399 | 役職なし|担当者レベル スキル|法務経験。未経験者も多い。法学部卒・院卒。 その他|20代~30代前半、他職種からの転職が多い。 |
参考:JHR 一般社団法人人材サービス産業協議会|『転職賃金相場2022』
年収1,000万円を超えるかは企業選びも重要
また、大手企業の中には法務機能を海外支店に持つところもあります。このような場合、海外駐在となり英語力を駆使しての活動をするため業務に対する難易度は高くなりますが、年収水準は国内勤務に比べても格段に高くなるでしょう。
英語を使っての法務職経験があれば、さらに市場価値は高まるので、もしこのようなチャンスがあるのであれば積極的に挑戦した方がキャリアアップに繋がります。
このように、年収1,000万円を超えられるかは、企業が年収1,000万円を支払える体力があるかにかかっています。
高収入を目指すのであれば全体の年収水準が高い企業へ就職・転職すべきといえますし、日頃から自分の市場価値を高める努力をするべきと言えるでしょう。
法務の業務内容で年収は変わる
一口に法務職といっても所属する企業の規模や業務内容によって仕事内容は大きく異なります。そのため、難しい業務内容を取り扱うほど年収も高くなると予想できます。
具体的には、国際案件など英文書類を多く取り扱ったり、M&Aのデューデリジェンスを扱ったりする場合には一般的な法務職よりも年収は高くなるでしょう。
このような専門的で難しい業務は大企業に集中しますが、中堅企業でも成長中の企業の場合は挑戦する機会があるのではないでしょうか。
その企業では年収が上がらなかったとしても、このような経験をすることにより転職市場の価値はあがります。キャリアアップのための転職活動をすることも考えて、自分の実績として市場価値を上げられそうな案件には積極的に取り組んだ方が良いと言えるでしょう。法務の求人紹介・転職相談はこちら
一般企業の法務職の重要性は増している
一般企業の法務職の重要性は年々増しています。契約書のチェックなどの業務に留まらず、コーポレートガバナンスによる投資家保護の仕組みづくりや従業員のコンプライアンス意識の向上など法務職に期待されることは多岐に渡ります。
また、中小企業などでも個人情報の取り扱いやハラスメント対策が厳しくなっているので今後も法務職の需要は伸びると予想します。そのため、現在の仕事で実績を作ることができればより良い条件の転職もしやすくなるでしょう。
ただ与えられた仕事を受け身で取り組むのではなく、自分が成長できるように能動的に仕事に取り組み、法務職として必要な知識を吸収していきましょう。
法律事務所から事業会社の法務部への転職も増えている
弁護士やパラリーガルが一般企業の法務職に転職するケースも非常に増えています。法律事務所は残業時間が長く、ワークライフバランスがとりにくいので、特に子育て中の女性弁護士には働きにくい環境です。
中小規模の法律事務所や地方の法律事務所は案件獲得が難しく、年収水準も300万円から500万円という場合もあります。法律事務所よりワークライフバランスが取れて年収も上がるケースもあるので、弁護士が一般企業へ転職するのも難しいことではありません。法務の求人紹介・転職相談はこちら
法務職のキャリアプラン
法務職として入社したら、まずは法務部で一般社員として経験を積みます。各企業の役職により異なりますが、主任→課長→部長と役職を上げていくことがほとんどでしょう。具体的には下記が挙げられます。
特定分野の専門性を高める法務のスペシャリストを目指す
法務職としてキャリアを築く際に、特定分野の専門性を高めることは効果的です。
企業は、特定の法律分野に精通した専門家を求めており、その分野における知識と経験が豊富であればあるほど、希少価値が高まり、企業からの評価が上がります。
例えば、M&Aや知的財産、国際取引など需要が高い分野に特化することで、市場での競争力が向上し、年収アップにもつながるでしょう。
さらに、専門性を高めるためには、関連する資格の取得や、特定分野に特化したセミナーや研修に積極的に参加することが重要です。特定分野に精通した専門家として認知されれば、転職市場でも引く手あまたとなり、年収や待遇面での交渉を有利に進められます。専門性の向上は、法務職としてのキャリアを飛躍的に伸ばすポイントとなるでしょう。
法務部の管理職を目指す
法務職としてキャリアアップを図る上で、管理職への昇進は重要なステップです。管理職となることで、業務の幅が広がり、チーム全体のマネジメントや戦略的な意思決定に関与する機会が増えます。このような役割を担うことで、組織内での影響力が高まり、結果として年収アップにも直結するでしょう。
管理職を目指すためには、リーダーシップスキルの習得が不可欠です。部下を適切に指導し、チーム全体のパフォーマンスを最大化するためのスキルを身につけることが求められます。また、部下の育成や人材管理の経験も、管理職としての評価を高める要素となります。さらに、部門全体を見渡す視点を持ち、組織の目標達成に向けた戦略を立案し実行する能力も必要です。
法務職として管理職を目指す際には、早い段階からキャリアプランを明確にし、自身のスキルや経験を積極的に磨いていくことが大切です。管理職への昇進は、キャリアの飛躍的な進展を促し、より高い報酬を得るための大きな一歩となるでしょう。
最近では、CLO(Chief Legal Officer/最高法務責任者)という役職を用意している企業もあるので、法務職を突き詰めて経営陣になれる可能性もあります
管理部門全体の責任者を目指す
法務職としてのキャリアをさらに広げるためには、管理部門全体の責任者を目指すことも視野に入れましょう。
管理部門全体を統括するポジションに就くことで、法務だけでなく、総務や人事、経理といった他の管理部門との連携が求められ、組織全体の運営に深く関与することになります。このような役割を担うことで、企業の経営陣の一員としての影響力が増し、報酬も飛躍的に向上するでしょう。
管理部門全体の責任者を目指すためには、法務の枠を超えた広範な業務知識と経験を積むことが不可欠です。特に、他の管理部門の業務内容を理解し、それぞれの部門が直面する課題に対して、法的な観点から適切な助言ができる能力が求められます。また、経営陣とのコミュニケーション能力も重要であり、組織全体の方向性を理解し、それをサポートするための戦略を立案・実行できるリーダーシップが必要です。
法務職で年収をアップさせるための方法
法務職で年収をアップさせる具体的な方法を紹介します。
現職で昇格する
法務職で年収アップを目指すには、所属する企業で昇格することが一番現実的です。企業によっては昇格することで大きく年収アップする場合もあるでしょう。社内昇格するためには、上司や経営陣に日々の仕事ぶりを認めてもらうことが一番大切です。
また、「昇格したい」という意思表示も人事面談などでしていきましょう。努力や熱意が認められることで昇格できる可能性も上がります。
大企業へ転職する
例えば、年収400万円の平均年収の会社でどれだけ頑張って仕事をしても、年収1,000万円を目指すことは難しいです。
なぜなら、企業として年収1,000万円を継続的に支払える企業体力がない場合が多いからです。
そのため、高年収を狙うのであれば、企業全体の年収水準が高い上場企業などへ就職・転職した方が良いといえます。全体の年収水準が高い企業の場合、法務職の年収もそれに準じて高くなるからです。
ただし、年収水準が高い企業ほど求められる業務の質は高くなります。大きな仕事を任されれば残業時間が増えたり、勉強に時間を使ったりしてワークライフバランスがとりにくくなる可能性もあるでしょう。その辺りも十分考慮して就職・転職を決めるべきといえます。
外資系企業へ転職
外資系企業も日系企業と比べると年収水準は高めの傾向にあります。ただし、外資系企業は日系企業に比べるとドライな社風でプロフェッショナルを求めます。そのため、実務経験が豊富で知識があると証明できなければ採用されることは難しいでしょう。
また、実力社会なので、実力が伴わなければ降格やリストラになる可能性も十分注意しなくてはいけません。
外資系企業の法務職で採用されたい場合、未経験はほぼ難しいといえます。そのため、まずは日系企業の法務職で経験を積んだ後に挑戦すべきです。
法務業務に役立つ資格を取得する
法務の知識があると証明するために資格取得するのもおすすめです。具体的にはビジネス実務法務試験、ビジネスコンプライアンス検定などがあります。また、ハードルは非常に高いですが司法試験を受けて弁護士資格を取得すると市場価値は一気に上がります。
社会人でも予備試験を受けて受験資格を得て、司法試験を受ける人も多いです。通信講座などを使うことで社会人でも勉強を進めることができます。
さらに、法務知識だけではなくTOEICなど語学の知識を証明できる資格も良いでしょう。特に大企業では国際案件も多く、法務知識があり英語も使える人が重宝されます。
現職の仕事で英語を使わない場合でも英語ができると転職市場で価値が上がるので、転職前にはなるべく高得点を取得できるように勉強しましょう。転職で大きく年収アップさせることもできるかもしれません。
法務部の立ち上げ経験をする
ベンチャー企業などの場合、指導をしてくれる人がいない環境で法務部を立ち上げたり、整備したりする経験をすることもあるでしょう。そのような経験があれば、今後法務部を立ち上げる企業へ管理職待遇で迎えられるなど年収アップできるチャンスがあります。
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法務職希望の方が転職で年収を上げる際におすすめの転職エージェント3選
転職エージェントを利用する場合は、法務転職に精通したサービスを選んだほうが、より適切なサポートを受けることができます。各転職エージェントが保有する求人情報、転職ノウハウには当然違いがあります。なので、転職活動をする際は複数社のサービスを併用すると、偏りなく情報が集められるのでおすすめです
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まとめ
法務職の年収相場は、550万円程度といわれています。ただし、企業規模や業務内容・役職でも異なるので、所属する企業規模が大きかったり、難しい業務内容を担ったりする場合は年収1,000万円以上になることもあります。
また、法務職の需要が拡大していることから弁護士やパラリーガルが法律事務所から一般企業の法務職へ転職する流れも増えています。不正やミスを防ぎたいという企業の想いもあり、法務職の体制は強化されることが予想されるので、法務職の将来性は明るいと言えるでしょう。
年収を上げるためには社内で昇格することも考えられますが、転職が有効的です。国際法務やM&A案件の知識があったり、語学力があると市場価値も高まりやすいです。
転職市場では実務経験が重宝されるので、既に法務職として働いている場合は、積極的に難しい案件にも挑戦して自身の市場価値を高められるようにした方が良いといえます。法務の求人紹介・転職相談はこちら