転職を検討中の30代弁護士の中には、ご自身の年齢を不安視されている方もいるでしょう。
一般的に年齢が上がるほど転職は難しくなると言われているため、自分の年齢で転職が可能なのか心配になるのは無理もありません。しかし結論から言ういうと、弁護士は30代でも十分に転職可能です。
これは、職業の性質や司法試験の合格年齢などが関係しています。ただし、30代で転職するのは難しいケースもあるため安心はできません。
この記事では、30代の弁護士が転職で評価されるポイントや転職が難しいケース、転職先ごとの採用可能性などについて解説します。
目次
30代弁護士の主な転職理由5つ
弁護士の30代は転職が活発に行われる時期です。転職理由としては以下の理由があります。
業務の専門性を高めたい
30代になると弁護士としての専門性を高めたいという理由で転職を希望する方が増えてきます。
総合型・一般民事系の法律事務所では、企業法務・倒産・労働・家事・刑事など幅広い案件を横断的に扱います。30代に入る頃には相応の件数を処理した経験から、自分が深掘りしたい分野や市場価値の高い領域が見えてきます。
一方で、ジェネラリストとして広く浅く案件をこなし続けると、特定分野の専門性が積み上がらず、キャリアの差別化が難しくなるという課題に直面しがちです。M&Aやファイナンス、知的財産、危機管理といった専門領域は、その分野に特化した事務所やチームでなければ十分な経験を積みにくいのが実情です。
そのため、専門性を体系的に高められる環境を求めて、ブティック系事務所や特定分野に強い中堅事務所へ移籍するケースが増えてきます。
弁護士の転職市場では、広く浅い経験よりも明確な専門分野をもつ人材のほうが即戦力として高く評価されるため、30代は専門性を確立するうえで戦略的に重要な転職タイミングだといえるでしょう。
未経験分野・ほかの分野に挑戦したい
弁護士のキャリアは、在籍した事務所の取扱分野に大きく左右されます。30代になって実務の土台が固まると、これまで扱ってこなかった分野へ挑戦したいという志向が強まる方も少なくありません。
たとえば一般民事中心だった方が企業法務へ、訴訟中心だった方が予防法務やトランザクション業務へと軸足を移すといった転換です。ただし、未経験分野への挑戦は年齢が上がるほど難しくなるのが実情です。
また30代後半以降は即戦力性が重視されるため、採用側は教育コストの低い経験者を優先する傾向が強まります。逆にいえば、未経験分野への転身を考えるなら30代前半、遅くとも30代半ばまでに動き出すのが定石です。IT・スタートアップ法務やデータ保護など、対応できる弁護士が限られ需要が高い領域であれば、未経験でもポテンシャルを評価され、チャンスをつかめる可能性があります。
ワークライフバランスを改善したい
30代は結婚・出産・育児・住宅購入など、私生活のステージが大きく変化する時期です。
弁護士はハードワークの代表格とされ、深夜・休日の対応や繁忙期の長時間労働が常態化している職場も少なくありません。20代のうちは体力と勢いで乗り切れても、家庭をもつ年代になると働き方を見直す必要に迫られます。
とくに独立採算的な報酬体系の事務所では、収入と労働時間のバランスに課題を感じる方が多いようです。こうした背景から、固定給で労働時間が読みやすいインハウスや、業務量をコントロールしやすい事務所への転職を検討する弁護士が増えてきます。
大切なのは「激務から逃げる」という発想ではなく、「長く成果を出し続けられる働き方」を主体的に選び直すという視点です。労働環境や報酬体系、案件の繁閑をあらかじめ把握したうえで転職先を選べば、ワークライフバランスとキャリア形成を両立させやすくなります。
企業内弁護士(インハウス)の経験を希望
事業会社が法務体制を強化する流れのなかで、企業内弁護士(インハウスローヤー)の求人は着実に増えています。
※2025年6月時点で3,596名の弁護士が組織内で勤務(参照:JILA|企業内弁護士数の推移(2001年~2025年))
インハウスは自社のビジネスに当事者として関与でき、契約審査やコンプライアンス、ガバナンス、新規事業の法的サポートなど、事務所勤務とは異なる経験を積める点に魅力があります。
一般社員と同じ労働時間・休日で働けるため、ワークライフバランスを重視する方からの人気も高いです。多くの弁護士は「まずは法律事務所で実務を固めるべき」と考えるため、3〜5年程度の経験を積んだ30代でインハウスへ転じる方が多数を占めます。
企業側も育成ノウハウが乏しいことから、一定の実務経験(特に企業法務経験)を求める傾向があります。組織への適応力や事業理解が重視される点を踏まえると、30代はインハウスに挑戦しやすい年代だといえるでしょう。将来的に法務部門の管理職やCLO候補としてのキャリアパスも描きやすくなります。
2025年6月時点の同JILA【企業内弁護士数の推移(2001年~2025年)】をみるに、修習期別で企業内弁護士として最も多く在籍しているのは66期(246名)。また、登録弁護士総数に占める企業内弁護士の「割合」が最も高い修習期は70期(14.6%/在籍数は201名)となっており、法科大学院(既修者コース)をストレートで経由したと想定すると、現70期の弁護士はおよそ32歳〜35歳の世代であると考えられます。
年収・待遇の向上を目指したい
弁護士は年齢ではなく実力と実績で評価される世界であり、30代は専門性や案件処理能力が市場価値として可視化されはじめる時期です。
同じ経験年数でも、事務所の収益構造や報酬体系によって年収には大きな差が生じるため、「自分の市場価値に見合った待遇を得たい」という動機で転職を考える方は多くいます。
とくに固定給の頭打ちを感じている若手アソシエイトや、案件は獲得できるのに分配が見合わないと感じている方にとって、報酬条件の見直しは切実なテーマです。ブティック系事務所やインハウスでは年収1,000万円を超えるハイクラス求人も存在し、専門性や営業力を備えた30代であれば大幅な条件改善が見込めます。
ただし、目先の年収だけで判断すると入所後にミスマッチが生じやすい点には注意が必要です。期待される役割や評価制度、将来のパートナー・管理職登用の可能性まで含めて、総合的に待遇を見極めることが重要だといえるでしょう。

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30代弁護士は転職に不利?弁護士の転職と年齢の関係
転職を検討中の弁護士が抱える不安材料のひとつが「年齢」です。転職市場では「35歳限界説」があるなど、30代での転職は難しいと考えられていますが、弁護士も同様に考えるべきなのでしょうか。
弁護士の転職に年齢は関係ない
弁護士としての力量に年齢は関係ないため、30代だからといって転職が不利になることはほとんどありません。むしろ、若い20代よりも社会人経験がある30代のほうが応募先から好まれるケースがあります。弁護士の価値は年齢ではなく、保有する専門性・案件処理能力・実績によって評価されるためです。
事務所や企業が求めているのは「特定分野で即戦力となる弁護士」であり、一般的な35歳転職限界説を軸に評価が急落するという市場構造にはなっていません。むしろ社会人経験を積んだ30代のほうが、ビジネスマナーや常識を備えている点で20代より好まれるケースもあります。
また、後述するように司法試験の合格年齢が高いため、弁護士業界の年齢感覚そのものが一般職種より約10歳分後ろ倒しになっています。したがって「35歳だからもう遅い」という発想は不要であり、自分の専門性をどう言語化し、応募先のニーズと結びつけられるかが本質的な課題となります。
年齢を不安視するより、経験の棚卸しに注力するほうが建設的だといえるでしょう。
司法試験の合格年齢が高く、30代は実年齢より「若手」扱い
弁護士の年齢評価を理解するうえで欠かせないのが、司法試験の合格年齢です。
一般職種の多くは20代前半で就職するため、30代前半でもすでに10年近い実務経験を積んでいます。一方、弁護士は法科大学院を経て20代後半で司法試験に合格する方が多く、キャリアのスタート地点が一般職種より遅れます。
この結果、30代前半の弁護士は実務経験が数年程度というケースも珍しくなく、業界の感覚では一般職種の20代に相当する「若手」として扱われます。採用側もこの事情を理解しているため、実務経験が長くないからといって極端に不利になることは多くありません。
むしろポテンシャルと社会人としての成熟度を兼ね備えた層として評価されやすい立場です。逆にいえば、この「10年の後ろ倒し」を前提に自分のキャリアを位置づけることが重要です。同年代の一般職種と比較して焦る必要はなく、弁護士業界内での経験年数とスキルの蓄積度合いを基準に、転職戦略を組み立てるのが適切だといえるでしょう。
30代前半は「ポテンシャル+経験」の両面で評価される好機
30代前半の弁護士は、転職市場において非常に恵まれたポジションにあります。
前述のとおり業界では若手の部類に入るため、未経験分野への挑戦やキャリアチェンジに対しても、採用側が一定の育成余地を見込んでくれるからです。同時に、数年の実務経験を通じて基本的な案件処理やクライアント対応のスキルは身についているため、完全な新人とは違い即戦力性も一定程度期待できます。
つまり「成長性」と「即戦力性」の両方を訴求できる稀有な時期だといえます。インハウスへの転身、ブティック系事務所での専門性追求、未経験分野へのチャレンジなど、選択肢の幅が最も広いのもこの年代の特徴です。採用基準は年齢が上がるほど厳しくなるため、キャリアの方向性を大きく変えたいのであれば30代前半のうちに動くのが定石です。
この時期に専門分野の軸を定め、戦略的に経験を積み重ねておくことが、30代後半以降の市場価値を大きく左右することになるでしょう。
30代後半は「即戦力性」が評価軸の中心になる
30代後半に入ると、弁護士の評価軸は徐々に「ポテンシャル」から「即戦力性」へとシフトします。
まだ業界では若手の範疇ですが、採用側はこれまでの経験を活かして入所後すぐに成果を出せる人材を求めるようになります。したがって転職活動では、自分がどの分野でどれだけの案件を処理してきたか、どのような成果を上げてきたかを具体的かつ的確に伝えることが不可欠です。
抽象的に「幅広く対応できます」と述べるのではなく、取扱案件の規模・難易度・役割を数字やエピソードで裏づけるほうが説得力を持ちます。また、この年代では応募先で「どんな貢献ができるか」を明確に示すことが採用の決め手になります。
一方で、未経験分野への完全なキャリアチェンジは難しくなる時期でもあるため、これまでの経験を活かせる隣接分野を狙うのが王道です。需要が高くプレイヤーが限られるIT・データ関連などの領域であれば、30代後半でも未経験から挑戦できる余地が残されています。
30代で弁護士へ転身した人は社会人経験が武器になる
30代で司法試験に合格する方も珍しくありませんが、弁護士経験がないため、年齢に応じた実務経験をアピールすることは困難です。しかし、司法試験合格前に別の職種として働いていた方。30代で司法試験に合格し、社会人経験を経てから弁護士になった方は、司法試験合格前に積んだ社会人経験が評価されます。
一般企業での就業経験や業界知識、ビジネス感覚は、法学部からストレートに弁護士になった人にはない魅力として評価されます。とくに前職の業界知識を活かせる分野では、専門性の高い弁護士として重宝される可能性があります。
たとえば金融機関出身ならファイナンス法務、メーカー出身なら知財や製造物責任といった具合に、バックグラウンドと法律業務を掛け合わせることで明確な差別化が図れます。
加えて、新卒時に一般的な就職活動を経験しているため自己分析ができており、転職活動の進め方への理解も深い傾向があります。難関の司法試験を社会人から突破した「目標達成能力」も高く評価されるポイントであり、実務経験の浅さを補って余りある強みとして打ち出すことができるでしょう。

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30代の弁護士が転職で評価される7つのポイント
採用側が30代弁護士を評価するポイントは主に7つあります。
- 即戦力となる専門分野の深さ — 20代後半合格なら30代で5〜10年の実務経験。広く浅くより特定分野での主任実績が評価される
- 経験と成長性(伸びしろ)の両立 — 即戦力性とポテンシャルを併せ持つ、20代にも40代にもない30代固有の強み
- 顧客からの信頼を得やすい貫禄・安心感 — 重大な利害を委ねる相手として、年齢相応の落ち着きが信頼につながる
- 営業力・案件獲得力 — 営業に課題を抱える中小事務所、パートナー候補採用で重視される。ただし実務力が土台
- マネジメント・後進育成の経験 — 弁護士に希少なスキル。インハウスの管理職候補や規模拡大事務所で強力な武器
- 一般常識・ビジネスマナー・組織適応力 — 社会人経験を経た転身組の強み。インハウス志望で特に重視される
- キャリアの方向性の明確さと自己分析力 — 志望理由に説得力が生まれ、ミスマッチが少なく定着も見込める
即戦力となる専門分野の深さ
30代は弁護士業界ではまだ若手に分類されますが、すでに5〜10年程度の実務経験を積んでいるケースが少なくありません。総合型や一般民事系の事務所で多様な案件をこなすなかで、企業法務、労働、知的財産、倒産・事業再生、相続、刑事といった得意分野が固まってくるのもこの時期です。
採用側にとって最も魅力的なのは「入所後すぐに案件を任せられる」専門性であり、広く浅く経験している弁護士よりも、特定分野で複雑な案件を主任として処理してきた実績を持つ弁護士のほうが高く評価されます。
応募先の事務所が注力する分野と自身の専門領域が一致していれば、即戦力としての採用可能性は大きく高まり、年収・ポジションの交渉でも有利に働きます。
専門性は30代転職の最大の武器であり、自身がどの分野でどのような案件を、どの程度の難易度・規模で扱ってきたかを具体的に言語化しておくことが、書類選考・面接突破の鍵となります。
経験と成長性の両立
30代前半の弁護士は、一定の実務経験を積みながら、まだ成長の余地を大きく残している点に特徴があります。採用側にとっては、すぐに戦力になりつつ将来の伸びも期待できる、投資価値の高い人材に映ります。
新しい分野や事務所の方針にも柔軟に適応しやすく、長く育てていける点も魅力です。とくにパートナー候補を見据えた採用や、組織の中核を担う人材を探している事務所では、この「経験と伸びしろの両立」が20代にも40代にもない30代ならではの強みになります。
応募者の側も、これまでの実績だけでなく、今後どの分野を深めて事務所にどう貢献したいかという展望を併せて示すと、評価が一段と高まります。
顧客からの信頼を得やすい貫禄
弁護士はときに依頼者の人生を左右するような事件を扱います。依頼者の立場から見たとき、20代はフレッシュな見た目や一生懸命さなどが魅力ですが、自分の人生を預けるにはどこか頼りないと感じる場合もあるでしょう。
一方、年齢を重ねると見た目に貫禄が出て信頼感が生まれます。顧客は「経験豊富で頼りがいのありそうな弁護士」という印象を抱きやすいため、採用側としての内定を出しやすくなります。
「見た目と仕事の力量は関係ない」と思う方もいるかもしれません。しかし一般に依頼者が弁護士を頼るのは法律問題で本当に困ったときです。一生に何度もあることではないので、見た目も含めて信頼できる弁護士かどうかを判断するのです。
営業力(顧客開拓能力)
中小規模の法律事務所では、案件の獲得がそのまま売上につながるため、営業面に課題を抱えているところが少なくありません。こうした事務所にとって、自分で顧客を開拓し案件を取ってこられる弁護士は貴重な存在で、30代で営業力や人脈の広さを示せる人は高く評価されます。
前職で新規の顧問先を獲得した経験、紹介につながるネットワーク、セミナー登壇や執筆による集客実績などは、具体的な数字とともに伝えると効果的です。
大手事務所であっても、将来パートナーを目指すうえで案件を持ち込める力は重要な評価軸となり、早い段階から営業力を備えた人はパートナー候補として期待されます。
ただし、営業力はあくまで実務処理能力の上に成り立つ付加価値です。案件をきちんと処理できることを土台として示したうえで営業面の強みを加えると、事務所の収益にも組織にも貢献できる人材として、説得力のあるアピールになります。
マネジメント・後進育成の経験
弁護士はもともと個人で案件を処理する専門職であり、組織をまとめるマネジメント経験を持つ人は多くありません。そのため、チームを率いて案件を進めた経験や、後輩弁護士・パラリーガル・事務スタッフを指導育成した経験がある30代弁護士は希少性が高く、ほかの候補者との差別化につながります。
とくに企業内弁護士として大きな組織で働く場合、入社後に法務部のマネジメントや管理職候補としての活躍を期待されるため、人を動かし組織を運営した経験は強い武器になります。法律事務所でも、規模拡大を目指すところでは中堅層のマネジメント人材が不足しがちで、案件管理や品質管理、若手育成を担える人へのニーズは高まっています。
マネジメント経験は、目立つ肩書きがなくても、何人のチームを率いてどんな成果を出したか、育てた後輩がどう成長したかを具体的に語れれば十分にアピールできます。
専門性に加えてこの観点を備えていると、評価はさらに高くなります。
意外と大事な一般常識やビジネスマナー
弁護士は法律の専門家であると同時に、依頼者や関係者と日々向き合う仕事でもあります。個人でも企業でも、一般常識やビジネスマナーに欠ける弁護士を信頼するのは難しく、採用側もこの点をよく見ています。
30代は社会人としての経験を十分に積み、礼儀や言葉づかい、メールや報連相といった基本的なビジネススキルを自然に身につけている人が多いため、20代より高く評価されやすい年代です。
とくに、社会人経験を経てから司法試験に合格して弁護士になった人は、前職で培った業界知識やビジネス感覚、組織で働く適応力が、法学部からそのまま弁護士になった人にはない強みになります。
企業内弁護士を目指す場合は、こうした組織への適応力やチームで働く協調性が特に重視されます。専門性だけでは測れない「一緒に働きたいと思える人柄」や「組織になじむ柔軟性」は、内定を左右する見えにくい評価軸であり、30代の弁護士が持ちやすい利点です。
キャリアの方向性の明確さ
30代になると、総合型や一般民事系の事務所で幅広い案件を経験するなかで、自分が本当に取り組みたい分野や貢献できる領域がはっきりしてきます。この方向性の明確さは、「なぜこの事務所を志望するのか」「入所後に何を実現したいのか」という問いへの説得力ある答えにつながり、採用のミスマッチを減らします。
漠然と転職を考えている人よりも、自分の強みと志向を理解して計画的にキャリアを描いている人のほうが信頼され、定着も見込めるため好印象です。社会人経験を経て弁護士になった人は、過去の就職活動や転職で自己分析を経験しており、自分を客観的にとらえて的確にアピールできる傾向があります。
転職活動そのものへの理解も深く、面接で一貫した話ができるため、スムーズに内定を得るケースも少なくありません。年収や待遇についても、年齢ではなく自分の経験に見合った現実的な希望を設定できる落ち着きは、交渉の場面でも好材料になります。

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30代弁護士で転職が難しいケース
弁護士は30代だからといって転職が不利になることは少ないですが、中には転職が難しいケースもあります。
社会人経験が少ないまま転職を目指すケース
30代弁護士の魅力のひとつは、社会人経験を通じて身につけた一般常識やビジネスマナー、人との接し方などです。これは、弁護士の実務経験の有無にかかわらず転職でアピールできるポイントです。
しかし社会人経験が少ないまま30代を迎えて転職する場合、一般常識や人との接し方などが懸念されます。具体的には、就職せずに司法試験の勉強に専念して30代で合格して就職したものの、職亜が肌に合わず短期間で転職を考えるようなケースです。
30代という年齢よりも、「社会人として世の中の人と接した経験が少ない」ことがネックになるため、仕事以外でどんなふうに人と関わりを持ってきたのかなどを伝える工夫が必要になります。
五大法律事務所を目指すケース
30代で五大法律事務所を目指すケースも転職難易度が上がります。五大法律事務所は20代の若い人を好む傾向があると言われますが、五大だから30代は採用しないということはありません。
もともとの要求水準が高いことと、30代であれば要求水準がさらに上がるというのが理由です。ほかの応募者も優秀な方が多いので、その方たちとの比較で勝ち抜けるのかという問題もあります。
前職で特筆すべき実績を残しているような方であれば採用される可能性がありますが、そうでなく、さらに30代となると転職は厳しいと考えていいでしょう。
30代後半で未経験分野への転職を目指すケース
30代後半は即戦力を期待されるため、基本的にはこれまでの経験を活かせる分野での転職を目指すのが王道の方法です。未経験分野への転職を目指すのは少し厳しくなるため、新しい分野に挑戦したい場合はできるだけはやく動き出すほうがよいでしょう。
ただし、未経験分野の中でも対応できる弁護士が限られている分野、たとえばIT分野などであればチャンスをつかめるかもしれません。ネット上の誹謗中傷や風評被害トラブルなどが社会問題になっていることから、ITに強い弁護士のニーズは高まっています。
他職種への転職を目指すケース
弁護士が30代でも転職しやすいのは、信頼性が重視されるという職業の性質や司法試験の合格年齢などが関係しています。弁護士から他職種へ転職を目指すケースはこれに当てはまらないため、一般的な転職と同じように年齢によるハードルが上がります。
たとえば30代以降は「教育しにくい」「考え方が確立されているため新しい組織になじみにくい」といった理由で敬遠されるケースがあります。
とくにまったくの未経験職種へ転職したい場合は30代前半のうちには転職を決めたほうがよいでしょう。
30代弁護士の転職先と採用される可能性
ここからは、30代弁護士の転職先候補と、採用される可能性について解説します。
中小規模の一般民事系法律事務所
中小規模の一般民事系事務所は「年齢に関係なくよい人がいればきて欲しい」という考え方の事務所が多いため、30代という年齢が不利にはたらくことは少ないです。弁護士不足の事務所も多いため、経営者弁護士との相性が合えば内定を獲得するのは難しくないでしょう。
一般民事系事務所は多様な案件を受けているケースが多く、大手のように業務が細分化されていないため、1人で案件を最初から最後まで担当する機会も多いでしょう。業務の幅を広げたい方や裁量権をもって働きたい方には適した転職先です。
ただし一般民事事務所の中でも特定の分野を中心に受けている事務所があります。「いろいろな案件をやりたかったけれど、実際には案件の9割が特定分野に集中していた」といった失敗事例もありますので、事前に確認が必要です。
ブティック系法律事務所
ブティック系法律事務所は、規模は大きくなくても高度な専門性を武器に業績を伸ばしている事務所が多くあります。弁護士としての専門性を高められるため、弁護士経験をある程度積んだ30代での転職は悪くないタイミングです。
ブティック系法律事務所への転職は、その事務所が扱う分野での経験が豊富なら採用される可能性が十分にあります。経験者なら年齢はあまり関係ありません。ただし、大手法律事務所への転職難易度が高まる中、ブティック系法律事務所はキャリア志向の優秀な弁護士から注目を集めている転職先です。
ほかの応募者も優秀な方が多いため、分野経験以外の強みをアピールする必要があります。
なお、「分野未経験だけど転職して専門性を磨きたい」といった場合は転職が難しくなります。ブティック系法律事務所は基本的に経験者を採用するため、希望の分野で経験を積んでから転職するほうが望ましいです。
一般事業会社
インハウスは30代弁護士の転職先として人気がありますが、事業会社では弁護士を育てるノウハウはないため、少なくとも3年以上の弁護士経験が求められます。企業法務経験を必要とする求人が多いため、法律事務所で企業法務を扱ってきた経験があると有利にはたらくでしょう。ただし企業法務経験がなくても、これまでの弁護士経験からポテンシャル要素があると判断してもらえる場合もあります。
事業会社では経験弁護士を求める一方で、組織への適応能力という観点からは年齢は若いほうが好まれやすい傾向があります。一度も企業で働いた経験がない方の場合、法務スタッフやその他の部署の人と円滑にコミュニケーションを取れるのかといった問題があるためです。
インハウスへの転職はできれば30代前半のうちに、難しくても40代になる前にチャレンジするとよいでしょう。
五大法律事務所
30代での五大法律事務所への転職は基本的に難しいです。
五大法律事務所の場合、ポテンシャル枠は新卒を採用すれば済む話なので、30代の採用は特筆すべき経験と実績がある方に限定されます。
たとえば元SEでIT系に強く、法律事務所での勤務経験もあるなど他業界での経験+弁護士経験が豊富な方なら可能性はあるでしょう。
30代弁護士が希望の職場へ転職するために必要なこと
30代弁護士の転職を成功に近づけるためのポイントを解説します。
専門分野、得意分野をもつ
弁護士の転職市場では、広く浅い経験がある弁護士よりも専門分野をもつ弁護士のほうが高い評価を得られる傾向があります。専門分野がない場合は経験した中で得意な分野は何かを整理しておくとよいでしょう。
転職活動の際には、専門分野や得意分野と、応募先事務所で扱う分野が一致していることが大切です。分野がマッチすれば経験をダイレクトに活かせるため即戦力として採用される可能性が高まります。
年齢ではなく経験値にあった年収・待遇を望む
年収や待遇については、弁護士としての経験値に合った客観的な水準を把握しておきましょう。とくに弁護士経験が少ない方は、30代という年齢にあった待遇を望んでも、希望を実現できない可能性が高いです。弁護士は年齢ではなく実力が評価される世界だからです。
「30代だからこれくらいはもらえるだろう」と考えるのではなく、自身の弁護士としての経験値や弁護士業務に活かせる過去の社会人経験を客観的に見て、希望年収を設定することが必要です。
営業力や人脈の豊富さをアピールする
営業力に課題を抱えている事務所への応募なら、営業力や人脈の豊富さをアピールすることも戦略のひとつです。案件を獲得してくれる頼もしい弁護士として、よい印象を与えられる可能性があります。ただし、営業力はあくまでも弁護士としてのプラスαのスキルです。業務経験など基本的な点は伝えたうえでアピールすることは忘れないようにしましょう。
英語力やマネジメントスキルを鍛える
グローバル企業の法務や外国が絡む事件などを扱う事務所、またはインハウスへ転職する場合は英語力を鍛えるのが有効です。
またマネジメントスキルのある弁護士は少ないため、鍛えるとほかの弁護士との差別化を図ることができます。パートナー弁護士でなくても、後輩弁護士や事務スタッフへの指導を工夫するなどして鍛えることが可能です。
転職エージェントに相談する
30代弁護士の転職は年齢で不利になることは少ないですが、一般的な就職活動を経験していない方が多く、転職活動の知識やノウハウがないために内定を獲得できないケースが散見されます。転職エージェントに相談し、戦略的に転職活動を進めるのがよいでしょう。
また中小規模の法律事務所は大手のような知名度がないため、求人情報を見つけにくい場合があります。信念を持ったよい経営者弁護士も多いのに求人に出会えなければ勿体ないことです。弁護士に強い転職エージェントであれば弁護士業界に広いネットワークがあるため、大手の求人に埋もれがちな中小事務所の求人も紹介してもらえます。
30代弁護士の転職に強いおすすめ転職エージェント3選
最後に、30代の弁護士が利用するべき転職エージェントを3社紹介します。
No-Limit弁護士

公式サイト:https://no-limit.careers/
手前味噌ですが、私たちも弁護士業界に特化した転職転職エージェントサービス『No-Limit弁護士』を提供しております。
ご紹介する応募先の法律事務所は、案件の獲得経路、事務所の体勢、所属弁護士の人間関係も把握しておりますので、面接対策もしっかりサポートできます。面接日時の設定や給与などの条件交渉はもちろん、あなたの仕事に対するスタンスに合った事務所を選定します。
参考:NO-LIMIT(ノーリミット)のご利用ガイド|ご愛用されている理由
リーガルジョブボード
リーガルジョブボードは、弁護士や司法書士などの専門職を中心とした法律系専門職の転職サイトです。法務職など専門性の高い業界はまだまだ閉鎖的な部分もおおため、『就職の不平等』をなくすという目的で運営されています。
ダイレクトリクルーティング方式を採用しており、求人情報を探して応募できる機能はありながらも、求人案内や企業スカウトまでサポートしています。
公式サイト:https://legal-job-board.com/
弁護士ドットコムキャリア
登録している弁護士が12,000人を超えるのが、「弁護士ドットコムキャリア」という日本最大の法律事務所ネットワークサービスです。最善なキャリアアップも実現可能ですので、今までよりも好待遇な転職先が見つかります。
最終的には入社日までサポートしてくれるので、初めての転職をする弁護士でも安心して利用できるサービスといえます。
公式サイト:https://career.bengo4.com/
まとめ
弁護士の30代はまだまだ若手として扱われるため、年齢が高いという理由で不利になることは多くありません。むしろ社会人経験があることが有利にはたらくケースが多いため、自信をもって転職活動に取り組みましょう。転職活動のノウハウがない方は転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
