大切な誰かが亡くなったとき、必ず出てくる法律問題は、相続に関する紛争です。

遺産分割、遺言、相続放棄・承認、遺留分などなど、多種多様のトラブルがあります。相続は、法律問題の宝庫です。また、昨年、相続法は大改正がされました。民法の債権法改正も含めて、今後、実務上大きな影響が出てくることも考えられます。

そんな遺産相続に関する専門家は、どのような業務があるのでしょうか。

相続に関する案件を普段取り扱わない弁護士の方々にとっては、意外と知らないことも多いかと思います。

今回は、相続実務にこれから取り組もうと考えている弁護士の方向けに、遺産相続に関する法律問題の専門家が取り扱う業務内容から、最近のトレンド、相続を専門にする弁護士になるメリットなどを解説します。

 

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相続弁護士が行う業務内容と遺産相続の典型的な法的トラブルの種類

相続人調査

まず、依頼者から相談を受けた際に、法定相続人が依頼者以外に何人いるのか、どこにいるのか、連絡先などを聞きます。

その後の遺産分割などの際に、必須の情報になるからです。そのとき、依頼者から共同相続人全員を把握できているか不安であるといった声であったり、居場所がわからないといったことがあれば、その調査を行う必要があります。

相続財産調査

被相続人の財産についても調査する必要があります。被相続人と生前に同居していたり、特に財産が限られていたりする場合、相続人である依頼者も把握しきれていることもあります。

しかし、実際には、生前に同居していたりしても、知りえなかった被相続人の財産が判明することも往々にしてあります。

その際には財産目録の作成をします。そして、その中から、遺産分割の対象となる遺産とそうでないものを区別するなどの準備をします。

遺産分割の手続、相続の承認に関する手続の際に必要になる場合があるからです。

遺産分割の代理交渉

遺産分割は、当事者間による協議、調停があります。それぞれの段階で、弁護士が関与して、交渉や話し合いを進めたりします。

どんなに仲睦まじいような家族でも、遺産分割の場面では、対立して意見がまとまらず、話が二転三転してしまうこともあります。

令和元年の日本国内において遺産分割トラブルで調停まで発展したケース7224件のうち、遺産額5,000万円以下の家庭が約80%に上ります。

財産・お金がかかわる問題であることはもちろんですが、遺産額が高くない家庭ほどよくトラブルに発展するといえます。

遺  産  の  価  額 総数 割合
総    数 7224 100%
1000  万  円  以  下 2448 34%
5000  万  円  以  下 3097 43%
1   億   円   以   下 780 11%
5   億   円   以   下 490 7%
5 億 円 を 超 え る 42 1%
算 定 不 能 ・ 不 詳 367 5%

参考:裁判所司法統計|令和元年|遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く)遺産の内容別遺産の価額別

少ないからこそ、相続人間の人生における利害が衝突することになると言えます。

感情的な対立では解決できないため、第三者的に弁護士が関わることになるのです。

特に、調停では、裁判所での手続となるため、書面の作成などにおいて弁護士が必要になります。

遺留分侵害額請求の対応

遺留分は法律上、一定の属性の法定相続人に限定して、最低限被相続人から承継できる財産を確保する制度です。遺言で、他の共同相続人に多大な遺産分割の方法の指定がされたり、あるいは遺贈により第三者に遺産が逸出したりしてしまう場合に、遺留分権利者は、遺留分侵害額請求権を行使することになります。

これにも、手続を含めて専門的な知識を有する弁護士が必要になる弁護士業務です。

遺言作成

遺言作成は、方式主義であることから、専門家である弁護士が必要になる案件の典型ですよね。書面作成能力という点でも、弁護士が言葉丁寧に作成することにより、未然に紛争を防ぐことにもつながります。

また、後述のように、平成31年の相続法改正(令和2年施行)に伴い、遺言に関する規律も大きく変わりました

法律に詳しい一般の人でも、改正点を理解しきれている人はほとんどいないと考えられます。そのため、様式に従い、弁護士が遺言作成の業務に関わるところは多いです。

遺言執行

個人の顧問弁護士をしているような場合、被相続人の遺言作成に関連して、遺言執行者になることがあります。

また、遺言執行者がない場合に、利害関係人の請求により、家庭裁判所から遺言執行者に選任されることがあります。

遺言執行者となった場合、遺言の内容を実現するため必要な財産の管理処分に関する業務をすることになります。

例えば、受遺者に対する所有権移転登記手続や、対象財産に関する訴訟追行があります。

相続放棄・承認

相続の放棄は、家庭裁判所への申述が必要になります。期間制限や必要書類の提出があるため、そういった手続を弁護士が代理して行うことがあります。

相続放棄しない場合、限定承認でないならば特に手続は必要ないため、必ずしも弁護士の出る幕ではありません。

相続財産管理

相続人がいない場合、裁判所により相続財産管理人が専任されます。裁判所管轄内にいる弁護士が選任されることがあります。

財産管理に関する業務、相続人の調査、財産の換価ないし債権者への弁済などに関する業務を行います。

最近の相続トレンド|相続問題も揉める前に予防する取り組みに注目

どんなに仲がいい家族であっても、相続の際には、何より財産・お金が絡む問題であること、相続人それぞれが今後の人生を見つめなおすきっかけになることから、様々な利害対立が生じます。

その中で、どうしても折り合いがつかず、争いとなり、いわば“争続”となってしまうのが実情です。だからこそ、弁護士の仕事は絶えません

他方で、最近は、そのような事後の相続紛争を未然に防ごうという意識が高まっています。

特に、認知症に備えて、子が老齢になった親の財産管理をしようというニーズがあるなど、予防法務の観点から、様々なリーガルサービスに注目が高まっています。

成年後見・任意後見

認知機能の衰えに伴う財産管理の合理化の1つとして、まず成年後見があります。

弁護士は、依頼者である被後見人の家族などから依頼を受け、家庭裁判所との間で手続をとります。そして、審判を受ける際に代理人となるなどして、サポートをすることも考えられます。

任意後見は、後見開始の原因となるべき事由がない場合であっても、被後見人となるべき人が自分の意思で後見人を選任することを認める制度です。

任意後見の際、弁護士は、任意後見契約を行う上での公正証書作成の手続をサポートしたり、身寄りのない方からの依頼を受け直接任意後見人となる場合もあります。

後見事務自体は、被後見人の実際に判断能力が低下した後に始まります。

家族信託

自分が何かあったときのため、むしろ判断能力があり元気なうちに、信頼できる人に財産の管理等を委託したいというニーズもあります。

そういったニーズに対し、弁護士が提供できる案としては、家族信託です。

弁護士としては、信託契約の契約書作成などに携わることが考えられます。特長は、死亡前の財産管理のみならず、死亡後の財産管理を含めてシミュレーションした上、合理的にソリューションを提供できることです。

これにより、弁護士としては、相続開始後の紛争を未然に防ぐ予防法務の価値を提供することができます。

節税対策・生前贈与など

税務の観点から、様々なアドバイスをすることも考えられます。相続税を中心に税務に関する専門知識があれば、節税対策として、生前にすべき財産管理に関するアドバイスをすることもできるでしょう。

資産売却など

そもそも、自分が死んだ後に、残された人たちの中で争ってほしくないという気持ちから、財産を残さないようにしたいというニーズもあります。

弁護士としては、依頼者のために生前の資産売却に関するアドバイスをすることも考えられます。

遺産相続に関する弁護士業務のポイント

典型的な相続紛争の解決

まずは、いつ相続が開始したのか、被相続人の死亡時点を正確に把握します。

次に1つの軸は、相続人と相続財産の調査把握があります。もう1つは、遺言書の有無です。遺言書がある場合は、公正証書遺言の場合を除いて、検認手続を経て遺言執行手続に移行していくことになります。

そのうえで、依頼者が法定相続人の場合には、意向を聞きつつ、単純承認もしくは限定承認または相続放棄のいずれがよいのかをアドバイスしていきます。

また、被相続人の所得税の申告や納付も検討することがポイントです。

相続財産について、その中で特に遺産になるものの範囲を把握できた場合には、遺産分割協議の際に助言をすることも考えられます。遺産の範囲が確定困難であるときは、遺産確認の訴えなどにより、訴訟で確定することも検討すべきです。

遺産分割が成立すれば、その協議書の作成交渉に関わることも考えられます。合意内容が正確に反映されているか否か、契約書と同様に、個別の条項にある文言を丁寧に精査して確認することが重要です。他方で、遺産分割協議が成立しなければ、調停ないし審判手続の代理人となることもあります。

生前の財産管理・相続対策に関するもの

遺言の作成は、依頼人が生前に作成することになりますが、法定の方式に従ってできるように文面のチェックを細かく行うことになります。

法定後見もしくは任意後見または家族信託は、それぞれ制度の違いを正確に理解します。

そして、依頼者の意向をくみ取った上で、事後の相続紛争のリスクを説明するなどした上で、適切な手段を説明することが重要であるといえるでしょう。

隣接資格者との協働

相続に際しては、相続税対策など、税務に関する知識が必要になります。

税務分野に関しては必ずしも弁護士は精通していません。いわゆるダブルライセンサーとして、弁護士でありながら税理士の資格を持っているような場合は別として、税務に関する高度な知識をもった税理士と顧客を争うことは得策ではありません。

そこで、弁護士は、税理士のほか、登記などを含めた業務に通暁した司法書士や行政書士と連携・協働して業務をすることが考えられます。業務に関する役割分担のほか、弁護士自身が税務に関する知識を身に着けることにもつながります。

遺産相続の解決・相続問題に精通した弁護士になるには?

相続問題に限らず、一定の分野に「精通した」弁護士であるためには、あらゆるケースでも、依頼者の意向を最大限くみ取った最適なリーガルソリューションを提供できることが必要です。具体的には、次のようなスキルがポイントになるでしょう。

相続人や相続財産の調査・追跡方法の手段を様々用意しておく

手続をスムーズに行うには、必ず時系列で、揃えるべき書類のチェックリストを作成することが重要です。また、共同相続人が多く想定される場合は、しっかりと法定相続人と推定相続人をすみわけ、遺留分権利者がいるかどうかなどもチェック項目として把握

税務に関する知識をつける

相続問題においては、財産関係の処理の中で、やはりどうしても税務問題を度外視することができません。もちろん、税法に関する知識がない状態でも、税理士などの隣接法律資格者との協働関係を構築することで、十分に活躍する余地があります。

しかし、相続を専門にする弁護士として、ビジネスを主体的に展開していくには、自分自身で税務の知識をつけていくべきであるといえます。

様々な立場で相続にかかる案件に取り組む

相続案件は、上記のように様々な種類の案件があります。相続人が依頼人となる場合だけでなく、債権者のほか、相続人以外の受遺者など相続人以外の人による依頼も当然ありますよね。様々な属性のクライアントの事件を受任することで、より多角的に相続案件の処理の視点を得ることができます。

そして、多角的な案件処理のスキルを身に着けることに関連して、財産調査や債務整理など周辺的な部分も高い知識とスキルがあることも重要であると考えられます。

被相続人に多額の負債があれば、より消極財産を少なくするためのアドバイスなども求められる場合が想定されるからです。

他にも、被相続人が会社など事業を営んでいる場合には、その事業承継といったリーガルサービスも必要になります。むしろ、相続以外の法分野で培った知識と経験は、十分に活用可能です。

相続案件を扱う法律事務所に弁護士として就職・転職するには

遺産案件に注力する法律事務所の説明会や個別エントリー

新卒の方であれば、積極的に説明会や個別訪問の情報を入手の上、エントリーしていきましょう。また、日弁連の公式の求人サイトとして、ひまわり求人サイトから探すことも考えられます。公式な情報が得られます。

遺産相続に精通した事務所選びのポイント1:実績

まずは実績です。その指標としては、案件数が挙げられます。ここにいう案件数は、特に受任した件数のことです。

遺産相続に「精通している」ことをどのような視点で判断するかという点の問題もありますが、基本的には、様々な種類の案件のうち主たる取り扱い業務として遺産相続に関する案件を扱っている事務所であるかどうかという点が視点になります。

どのくらいの案件数かといえば、事務所所属の弁護士の員数にもよりますが、10人前後の事務所であれば、常時数百件を超えるようなものであれば、遺産相続案件を中心的に扱うといえる可能性が高いです。

なぜなら、弁護士はおよそ1人あたり30件程度の案件を扱うといわれますが、数種類の案件のうち、単純計算でいえば取扱い案件のポートフォリオ的に3分の1程度の割合を占めるからです。

その他、より細かい視点は、後述します。

遺産相続に精通した事務所選びのポイント2:セミナーへの登壇

また、セミナーや講演での登壇回数も、信頼と実績に裏付けられる活動といえます。特に、弁護士の所属事務所主催ではなく、各種団体から招聘される形でのセミナー等の数は、考慮に値する数値項目といえるでしょう。さらには、より法律の知識的な面では、関連する専門書や著書の執筆実績があります。

そして、先に述べたように、税務に関する知識あるいは税理士等の隣接資格者との連携を取るような事務所であれば、ワンストップで多角的な視点からのサービスを提供していると考えられます。なお、予防法務的な観点からのサービスを盛り込んでいるところであれば、より包括的な業務分野に取り組むことができるでしょう。

遺産相続に精通した事務所選びのポイント3:事務所実績の確認方法

事務所の実績は、開所年数(20年以上とか)などがあります。HPなどで解決実績を提示している事務所であるかどうか、その内容、件数などを確認することで実績を把握できます。

また、弁護士紹介の欄には、セミナーや講演開催、著書・論文の執筆実績を掲げていることも多いです。

弁護士専門のエージェントを利用

弁護士専門の転職エージェントも存在します。このような転職エージェントでは、転職希望者のスキルなどを鑑みて転職先を紹介してくれますし、面接練習やアドバイスもしてくれます。面接の日程調整などもしてくれるので、現職が忙しくて転職活動に時間がかけられない場合などに便利です。

弁護士専門の就職/転職支援を行うNO-LIMITを活用する

NO-LIMITは、弁護士の転職に特化したエージェントサービスです。すでにご紹介したような相続法務を取り扱う法律事務所とも提携関係があります。まずは無料会員にご登録の上、転職成功実績豊富なエージェントにお気軽にご相談ください。

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相続問題に特化/注力している法律事務所の例

横浜りんどう法律事務所

横浜りんどう法律事務所・同司法書士事務所は、相続弁護士専門サイトを開設し、特に相続法務を主として取り扱っている事務所です。特に、登記にかかる書類を作成する司法書士のみならず、税理士のほか、土地家屋調査士や宅建士との協働が強みです。

いわゆるワンストップで、相続に関するリーガルサービスを提供できるような体制を整えています。

具体的な取り扱い業務は、遺産分割などをはじめとした典型的な遺産相続紛争はもとより、遺産整理、遺留分請求、遺言無効確認訴訟などがあります。また、成年後見、遺言作成、家族信託などすでに述べた生前対策まで幅広く取り扱っている事務所です。

なお、他には、離婚等の男女関係問題、不動産賃貸関係、借金・債務整理、労働問題全般、交通事故などの民亊法務も取り扱っています。

弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所

同事務所は、個人向け顧客へのサービスの筆頭として、相続ないし生前の財産管理に関する業務を掲げています。そして、税理士、司法書士、そして行政書士とタイアップしながら、典型的な相続紛争のほか、相続人や相続財産の調査手続、税務、各種登記手続などを取り扱っている事務所です。

弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所HP

相続業務に関する特設ページ

KAI法律事務所

KAI法律事務所は、個人向け業務が遺産・遺言に特化している点が特徴的です。もっとも、具体的な取り扱い業務は、生前対策などの予防法務は遺言作成を除いて取り上げておらず、遺産分割、遺留分侵害、相続放棄・限定承認が中心です。

KAI法律事務所HP

樋口国際法律事務所(主に国際相続)

樋口国際法律事務所は、すでにご紹介した3つの事務所とは異なり、クロスボーダーの相続案件を得意とする事務所です。渉外法務×相続法務という領域ですが、近年国際結婚や定住ないし永住外国人の増加が著しいことから、特に今後ニーズが高まる分野であると考えられます。

樋口国際法律事務所HP

相続案件を扱う弁護士の年収はいくらか?報酬から概算

巷では、遺産相続案件は儲かるという噂は耳にしたことがあると思います。実際のところ、相続を専門に取り扱う弁護士は、どのくらいの収入があるのでしょうか。

ここでは、弁護士が業務として請負った際に発生する報酬と、案件数を元に概算してみました。

相談料|無料から1時間1万円

まず、相談料に関しては無料にしている事務所も増えつつあります。

弁護士が増加している現在、受任を確保するためにまずは敷居を大きく下げることが浸透しつつあります。そのため、ほとんど相談業務での収益はないと考えて良いかと思いますが、有料相談を行った場合は1案件につき1万円が相場かと思います。

着手金の相場

着手金は、相続財産の多寡ないし額により幅があります。およそ数十万円程度から数百万円を下らない場合まで様々ですが、相場的には30万円〜40万円でしょうか。

報酬金の算定

報酬金の算定の仕方は、基本的に、クライアントが得ることができた『経済的利益×一定の報酬金割合』です。

ここで、相続を専門にする事務所の場合、例えば上記でご紹介したベンチャーサポート法律事務所では次のような価格帯となっています。

得られた経済的利益 報酬金の額
300万円以下 20%
300万円~3000万円 10%+30万円
3000万円~3億円 6%+150万円
3億円以上 4%+750万円

出典:弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所|サービス料金表

案件数から推察する弁護士の年収

遺産相続に特化した事務所の弁護士の場合、年収はどの程度あるのでしょうか?

具体的に算出してみます。

仮に、事務所への遺産相続事件相談が100件/月あったと仮定し

  • ・受任率:30%
  • ・着手:30万円
  • ・報酬:20%
  • ・依頼者の経済的利益の平均100万円

とします。

そうすると、

  • 着手金=100(相談数) × 受任率(30%) × 着手金(30万円)= 900万円
  • 報酬金=30(受任数) × 経済的利益(100万円) × 報酬(20%) = 600万円
  • 合計:1,500万円

務所の年間売り上げが1.8億円になり、人件費が40%と仮定すると約7200万円。

弁護士5名体制であった場合、弁護士1人あたりの単純案分年収は1440万円になります。

ここから経験年数に応じた『色』がつくと思いますので、

弁護士経験1年目:約600万円〜800万円

弁護士経験2年目:約700万円〜900万円

弁護士経験3年目:約900万円〜1000万円 となるかと思います。

かなり単純化した計算であって、実際には相続財産の多寡も一様でないことから一律にはいえませんが、イメージ年収としては上記のようになります。

 

弁護士がこれから相続案件を扱う4つのメリットと将来性

少子高齢化であるため市場は拡大傾向

日本は、今後も少子高齢化が加速していくといわれています。そのため、高齢者の人口は今後も増加曲線をたどるとされています。

出典:総務省統計局|高齢者の人口

そうすると、相続紛争は、リーガルマーケットの一角として、拡大していくことになると予測されます。そういった意味で、相続問題を強みとするリーガルサービスに対するニーズは、さらに高まっていくことになるでしょう。

予防法務は開拓の余地が多い~相続法改正による影響~

任意後見契約制度や家族信託というリーガルソリューションは、比較的最近になって注目されてきました。

そういった例にみられるように、既存の法制度を利用した新たなリーガルサービスを開拓する余地は、今後の社会の動向に伴い、流動的に生じてくることも考えられます。

そして、相続法改正により、今後遺言作成におけるアドバイスの仕方は、方式の変更点のほか、遺言に盛り込む内容、遺産分割における預貯金の取り扱いなど、大きく変わってきます。

例えば、

  1. 特定財産承継遺言という概念ができたことのほか
  2. 配偶者居住権および同短期居住権などの創設

により、遺産分割とも連動して考慮すべきポイントが出てきました。そういった点で、専門家としてより新しい視点でのアドバイスが求められてきます。

空き家対策問題など行政との連携

さらには、単に民事紛争としての視点だけでなく、よりマクロな視点でみたときには社会課題として捉えられる法律問題も出てきています。

例えば、空き家対策問題は、行政や立法政策的なアプローチも含めた解決策が求められています。相続を専門とする弁護士を目指す場合は、こういった問題にも視野を広げてみるのもよいかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?今回の記事のポイントをまとめると、このようになります。

  1. 相続を専門とする弁護士業務は、被相続人の死亡後に発生する相続人間の紛争から、生前の予防法務まで多種多様のものがある。
  2. 遺産相続に関連する予防法務は、後見事務や家族信託のほか節税対策など、近時ニーズが高まっている。
  3. 相続法務では、他の隣接法律資格者との協働を図ることで、マーケットを合理的に掌握できる
  4. 転職エージェントを利用するなどして、相続案件に強みを持つ法律事務所に入所する
  5. 高齢化の進展、今般の相続法改正などに伴い、今後も遺産相続に強い弁護士のニーズは高まっていく

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

       

この記事の執筆者

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