6年間の検察庁勤務を経て、企業法務という新しい領域の業務にチャレンジする。
その転職の背景に背景にあったのは、企業やビジネスを拡大させ、積極的に物事を前に進めるための支援に携わりたいという思いでした。
今回の記事は、検事という立場から、顧客との信頼関係を築きながら継続的な業務を担う弁護士へとキャリアチェンジした法律家の転職事例をご紹介します。
【プロフィール】
1994年生まれ。神奈川県出身。法政大学第二高等学校から中央大学法学部へ進み、2016年に卒業。
中央大学法科大学院に在学中の2016年に司法試験予備試験に、2017年に司法試験に合格。
2018年12月に検事に任官され、東京・名古屋・水戸・千葉・盛岡での勤務を経験した後に転職。2025年4月から法律事務所のアソシエイトとしてのキャリアをスタートした。
法律家としての幅を広げるために検事から弁護士へキャリアチェンジ
-大学の法学部を2016年に卒業後、ロースクール在学中に司法試験予備試験に合格。
2017年に司法試験に合格し、法律家としてのキャリアの第一歩に検事という道を選んだ経緯について教えてください。
もともと法律家を目指すことになったきっかけは、単純に刑事事件を担当する検事の姿に憧れを抱いたからでした。そのため、司法試験合格後にキャリアを考えた際も、自然な流れで検事という職業を選びました。
当時の私は、弁護士は幅広い事案を扱いながら自由な雰囲気で仕事ができそうだというイメージを持っていました。
一方の検事という仕事には、何事にも流されることなく、”法の番人”としての職務を全うするというイメージがあり、そのイメージは自分に合っているとも感じていましたので、迷いながらも自分の進む道として検事を選んだわけです。
–検事としての6年間のキャリアを経て、今回弁護士へと転職したわけですが、そのきっかけは何だったのでしょうか?
実は、検事としての仕事に慣れてきたキャリア3年目の時期に、もっと幅広い法律家としての仕事に携わりたいと考えるようになりました。
刑事事件だけではなく、また犯罪に関わるような事案以外の、もっと法律家として前向きな事案に取り組める仕事に興味を持ち始めたんです。
そこから、新しい環境で違う領域の事案を扱える、弁護士という職業へのキャリアチェンジを考え始めました。
そして、検事として6年間の勤務を経た2024年に転職活動を開始し、アシロの転職エージェントサービス「No-Limit弁護士」で紹介をいただいた法律事務所への入社が決定。2025年の4月からは弁護士法人という新しい環境で、法律事務所のアソシエイトという立場で企業法務という業務に携わることになりました。
企業法務を担える環境を幅広く提案してくれたエージェントサービス
–転職活動においては、具体的にどのような取り組みをされましたか?
転職先の候補となる法律事務所を自分で探すのではなく、エージェントサービスを利用して転職のサポートをお願いしようと思いました。
そこから、複数の転職エージェントサービスを紹介しているWebサイトから一括で利用申し込みを行い、その中の1社であるアシロのサービスである「No-Limit弁護士」に出会ったということになります。
最初はオンラインで面談を行い、そこから自分の希望業務である企業法務に関連する求人情報を幅広く紹介していただきました。
それぞれの求人情報の特徴を確認しながら、私の志向を理解したエージェントに伴走してもらったことで、幅広い候補の中から自分にマッチする転職先を選ぶことができたと思っています。
–転職先となる法律事務所を選択する際、決め手となったものは何でしたか?
候補となった法律事務所は4つありましたが、重視したのは”企業法務という業務を自分の力で動かせるか”ということ、そして”裁量を持って主体的に取り組めるか”という点でした。
巨大な事案を扱う大手法律事務所という選択肢もあったかと思いますが、組織や事案の規模が大きければその業務は細分化される可能性が大きくなり、自分の力で主体的に進めることは難しくなります。
No-Limit弁護士のキャリアアドバイザーは、そうした環境では希望を叶えることができないことを認識し、規模感だけを重視せずに個人の思いに真摯に向き合ってくれたので、ベストな選択ができたと感謝しています。
信頼関係を築きながら、積極的に物事を前に進めるという新しい目標
–新しい環境、違った立場、これまでと違う領域での法律家としての業務にチャレンジすることになるわけですが、現在の心境について教えてください。
検事時代は転勤の連続で、6年間で6都市での勤務を経験しましたが、これからは関東の勤務先を拠点としながら、じっくりと仕事に取り組める環境になると思っています。
これからチャレンジする企業法務という業務に関しては、顧客と関わりを持ちながら信頼関係を築き、継続的に取り組める仕事として大いにやりがいを感じられるのではないかと期待しています。
–今後意識して取り組みたいこと、将来の目標についてはどのようなお考えを持っていますか?
将来的には、法律事務所の経営に携わる立場になりたいとは思っていますが、それはまだまだ先の話で、弁護士として10年ぐらいのキャリアを築いた後の目標になるでしょう。
それよりも、今は具体的な業務をどう進めるか、企業法務を担う法律家として企業やビジネスとどう関わっていくか、という目標設定が大事だと思っています。
検事の仕事においては、何か困ったことやトラブルを抱えた個人の方を相手に業務を進めてきましたが、これからは企業を相手にしながら、そのビジネスを前に進めるための支援を行うことになります。その意味において、積極的に物事を前に進める意識を持って取り組んでいくことが、これからの私の目指すところと言えるでしょう。
また、事務所の業務だけではなく、自分の力だけで取り組む仕事にも挑戦できる環境で、新しいことに出会える可能性があることも、楽しみに感じていることの1つなんです。
キャリアのリセットではない転職に躊躇せずチャレンジを
–法律家としてのキャリアチェンジや転職というものに、不安を感じることはありましたか?
先にお話したように、私もキャリアの3年目に転職を意識し始めましたが、その際は具体的な転職活動は行いませんでした。
躊躇した理由は「ゼロに戻った状態から、また一からのスタートになるかもしれない」という不安があったからです。
しかし、今回の転職活動を進める中で感じたのは、検事と弁護士との違いがあっても、事案の進め方や根底にある法律家としての考え方は、必ず新しい環境でも活用できるということでした。
現職の経験が生かせるという意識になったことで、不安を感じることなく転職活動を進めることができましたね。
–現在、キャリアアップや転職を考え始めている、法律家の方々にメッセージをお願いします。
キャリアアップ、キャリアチェンジ、新しい職場での挑戦に、少しでも興味があるのであれば、躊躇せずに転職活動へのステップを踏み出していただきたいですね。
繰り返しになりますが、これまでの経験や事案に対する考え方、法律家としてのスキルはリセットされず生かせるはずなので、成長を目指すのであれば自分に合った環境を積極的に探すべきだと思います。
前向きな気持ちで自身の強み・弱みを整理し、キャリアアップを図るためのチャレンジをぜひ進めていただきたいと思います。
【担当エージェントより】「顧客に近い立場で」という思いに応える環境をご提案
最初にご相談いただいた際には、「自分が本当に弁護士に転職できるのか」という段階からのスタートだったことをよく覚えております。
その後も一貫して私を信頼してくださり、率直なお気持ちをざっくばらんに共有いただいたことで、ご希望に沿ったご提案がスムーズにできたのだと感じています。
「弁護士として何をやりたいのか」という点については、当初は漠然としたイメージのみをお持ちでしたが(ご経歴を考えれば当然のことです)、選考を重ねる中で徐々にご自身の志向が明確になっていきました。
そこからは、応募する事務所の絞り込みや、面接での受け答えにも一層気持ちが乗り、選考もとてもスピーディーに進んでいきました。
アドバイスにも常に真摯に耳を傾け、自分自身としっかり向き合いながら転職活動に取り組んでいただいた姿勢は、私にとっても非常に印象的でしたし、そのおかげで私も同じ方向を見ながら全力でサポートさせていただくことができました。
余談ではありますが、初回の面談から、自然な笑顔と明るくはきはきとした受け答え、そして何より謙虚なお人柄がとても印象的で、「面接でも人柄の部分で悪い印象を持たれることはまずないだろう」と確信していたことを、今でもよく覚えています。
新たなキャリアのスタートに少しでも関われたこと、大変光栄に思っております。これからのご活躍を心より応援しております。