本記事では、司法修習中に行う『導入修習』でどんなことをするのか、実際に体験してきた内容と流れ、終えてみた所感をご紹介したいと思います。

【執筆者】かわしょー吉
NO-LIMITのインターンを経験。令和2年司法試験合格。
令和元年司法試験予備試験最終合格。平成30年度司法試験予備試験では、口述試験落ちを経験。
趣味は釣り。カラオケも好き。宇宙系のyoutubeを見ることがマイブーム。
Twitter:https://twitter.com/kshokichi_law

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実務修習・導入修習前に準備しておくこと

自己紹介テンプレ

司法修習は,導入修習では組,実務修習では班という単位でカリキュラムを受けることになります。そのため,組ごと,あるいは班ごとで,自己紹介の機会がたくさんあります。

もちろん,修習におけるオフィシャルなイベントもありますが,修習生は,プライベートの場面でも,様々な社交の場があります。そこで,重要になるのが,自己紹介です。自己紹介でどのように自分をプレゼンするかによって,第一印象が決定づけられます。

法科大学院修了生であるか,社会人経験があるかなどにより,鉄板の話題などは異なりますが,以下一例をご紹介します。

みなさん,初めまして。○組××番Or□班の【名前】と申します。友人からは,【ニックネーム】と呼ばれます。
ぜひ,気軽に【ニックネーム】と呼んでください。

私は,3人兄弟の一番上の兄で,下は弟と妹が一人ずつです。特に,妹はまだ小学生ですが,兄バカなので溺愛しています(笑)


出身は,【出身地名】です。高校は【高校名】で,大学は【大学名】を卒業しました。ロースクールは,【ロースクール名】です。


学生時代は,サッカーに熱中しました。今でもフットサルなどして友人と汗を流すのが一番の趣味です。もし,フットサル好きだったり,興味ある人がいましたら,修習中ぜひ一緒にやりましょう!あと,サッカーは観るのも好きです。サッカー観戦も興味ある人は,ぜひ一緒に行きたいです!・・・


これから,どうぞよろしくお願いします!

ぜひ,共通点や人と違うポイントを出せるように意識して,自己紹介してみてください。

スーツ2,3着

実務修習用に,スーツは2,3着用意しましょう。修習は,1年間あります。特に夏の期間の修習では,1着だとかなりきついです。

名刺

修習中は,他の修習生のみならず,教官など修習先の指導担当者のほか,様々な社交の場があります。修習中に就活をする人もいることでしょう。

そういった場面で修習生はもはや学生ではない以上,社会人であるという自覚やマナーを意識するためにも,名刺を作り,様々な人と交流することが重要です。

枚数は,1ケース分(100枚分)あれば十分でしょう。そのくらいの人数と名刺交換する機会を持ち,人脈を広げられれば,実務家になった後の仕事の幅が広がり,様々なチャンスを掴むきっかけになります。

導入修習初日|三週間までの流れなど

ここからは,74期司法修習生である筆者が,導入修習の流れについて,ダイジェスト的にお話していきます。

先に全体的な概観についてお話すると,導入修習は,半分が事前課題の解説と,修習前半で実施される各科目の即日起案の解説です。もう半分は,導入修習固有のプログラムとして,実際の事件記録を題材にした科目ごとにおけるロールプレイングやグループディスカッションなどです。

以下,週ごとに具体的に見ていきます。

第1週

初日

開始式から始まりました。修習にあたっての心構え,修習の目的,導入修習の位置づけなどの全体的なお話のほか,とりわけ,Teamsを使用したオンラインでの実施にあたり,セキュリティに関する注意事項などが重点的に説明されました。

最初は,民事裁判と民事弁護の共通講義として,事前課題で取り組んだ教材に関する解説でした。講義が中心ではありましたが,代表者が争点整理手続を実演するというのもありました。

2日目

講義と軽いグループディスカッションが中心でした。まだまだ,オンラインでのディスカッションになれず,沈黙を破ろうとしたらほかの人と声がかぶったり,ビデオがフリーズしたりするといったトラブルも体験しました。

3日目

即日起案が始まりました。時間は,1科目3時間です。初日は,民事裁判と刑事裁判の2科目がありました。試験時間以外に,司法試験とは異なる点はいくつかあります。ここでは,特に2点述べます。

1つは,事案が冊子でつづられた事件記録であることです。冊子は,20頁は優に超え,30頁以上あるものもありました。そのため,記録を読み込むことに時間がかかりました。どのようにしてポイントをいち早くつかみ,解答に必要な事項を抽出するかという点が,自分自身の課題であると感じました。

2つ目は,書かれていることが必ずしも事実であるという前提ではないことです。司法試験では,事実が与えられており,そこから法律的な論点を抽出して,法律論を展開するというものでした。

しかし,特に事実認定の科目は,事実の有無を証拠から認定していく作業です。証拠構造の把握,証拠から読み取れる事実を合理的に説明するということが,司法試験までの勉強での観点とは異なります。

第2週

2週目の前半

検察,刑事弁護,民事弁護の即日起案でした。とにかく疲れました。

検察や刑事弁護では,時間不足が顕著でした。記録の読み込みだけで時間がかかり,少なくとも1時間は必要になることを改めて認識しました。

その上で,特に慣れないために苦戦したのが,証拠の引用です。先輩から,付箋を貼りながら,何回も記録を読んで探すことが非常に時間のロスにつながることを聞いていたいため,付箋を活用して起案に取り組みました。

しかし,付箋の色分けやマーキングなど,自分の方法を確立することができず,効率的な処理能力に不足を感じました。こういった点に慣れ,効率的な文章読解と起案作成能力を向上させていくことが実務修習で克服すべき課題であることが明確になりました。

2週目の後半

グループディスカッションのオンパレードでした。各科目,事前に記録を検討しておくことが前提になります。そのため,毎日,次の日の議論に向けて記録を読み事案のポイントを押さえるという形で予習をするのが日課になりました。

グループでは,私以外にも活発に発言される方が複数人いたため,議論が盛り上がりました。徐々に,修習の楽しさを感じてきました。

2週目は,ある日の昼休みに組ごとでの昼食会が行われました。1クラス70人近くいるため,出席番号順に前半と後半で分かれて,2日間行われました。

私は,ロースクールの同期が同じクラスに一人もいなかったことから,非常に新鮮でした。小学から高校までの,新学期での自己紹介のような雰囲気で,教室にいるような懐かしさを感じました。学生出身のみならず,社会人経験者も少なくなかったことから,仕事などこれまでの経歴に関するお話,司法試験を目指したきっかけなどに関するお話は,大変興味深いものでした。

また,共通の趣味を持つ人を知る機会にもなり,新しい友達もできました。コロナ禍で,対面で実際に話す機会がないことが非常に歯がゆい思いでしたが,実務修習は間違いなく充実するであろうと確信しました。

第3週

3週目は,講義,即日起案の解説,手続の実演などのロールプレイング,グループディスカッションなどがありました。

講義は,DVDを視聴とその解説のほか,久しぶりにロースクールでのソクラテスメソッドを受けているような,教官と双方向での授業形式がありました。教官によって発言を求めるかどうかは異なりますが,基本的に対話を求める方が多い印象でした。

また,民事では,模擬争点整理手続の実演,和解条項案の作成に関するグループディスカッションなどがありました。刑事科目では,検察で模擬弁録,共通科目として公判前整理手続に関するグループディスカッションなどがありました。

司法試験までの勉強では教科書の中にしかなかった世界が,手続を実演して体験する中で,リアルに感じることができました。

そして,即日起案の解説では,意外とできていた科目と,予想以上に不出来の科目がありました。導入修習中の起案は,事前課題も含め評価がつかないことが幸いでしたが,解説を聞いている中で,二回試験に受かるのか,漠然とした不安に襲われました。唯一の救いは,「実務修習において即日起案の中で感じた課題の克服に意識的に取り組むことで,集合修習では必ず成長を実感するでしょう。」との教官のお言葉でした。

できた部分よりも,できなかった部分をどう克服するかを意識して,実務修習に積極的に取り組む重要性を認識しました。

また,班ごとで,オンラインでの懇親会がありました。班のメンバーで改めて自己紹介をしたり,より親睦を図る機会となりました。

第4週

導入修習もあっという間に最後の週となりました。各科目,それぞれ最後の講義や即日起案の解説を終えたあとに,実務修習に向けた心構えの指導がありました。

共通することは,自学自修の姿勢が根本であることでした。自学自修は,机に向かう勉強が大事だという趣旨ではなく,実務で,生きた事件に数多く関わり,主体的かつ能動的に業務に取り組むことです。このことは,いずれの科目の教官も強調しておられました。

導入修習を終えて

導入修習を終えて,司法修習は,様々な意味でワクワクがあり,成長の機会となることを実感しました。

ワクワク感は,新しい仲間,尊敬すべき人との出会いというものが一番です。法律家として生きていく上で,様々な人との関わり合いが必要不可欠であり,人脈が自分の仕事を充実させ,プライベートでの楽しみを充実させてくれるであろうと確信することができました。

また,司法試験までの勉強とは異なり,より様々な形での正解がある世界であることを感じました。そうであるからこそ,自分の頭で考えて,社会や個人における様々な課題に対して解決策を考案して,実行していくことができる点でやりがいがあるのではないかと思いました。

導入修習は,これからの実務修習を通じて,このワクワク感や成長への志向を膨らませて,貪欲にチャレンジしていこうと思える時間でした。

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